いま、山間地では、鹿の食害に悩まされています。植物を植えても、鹿などの獣害にあって、育てることがむつかしいことが起こっています。
<目次>
鹿の食害に強い植物
昨日は、今年初めての本格的な雪になりました。と言っても1cmも積るわけでもなく、あっという間に溶けてしまいました。打って変わって今日は、いい天気になりました。
そこで、久しぶりに山へ行ってきました。 少しずつ植えている 渋 柿、イチョウ、梅などに施肥し、山椒の種まきの準備をしました。
ここに隣接する人工林に畑ワサビを植えており、苗を押さえている杉枝を取り除きました。
この人工林の端の比較的日が当たる場所に、アセビ(馬酔木)がもうすぐ花が咲きそうになっていました。

十数年前には、 一面にアセビが繁殖し、大きく育っていました。よく知られているように、この樹は毒性が強く、鹿も食べません。
アセビと競合する多くの植物は、鹿の餌食になるためこのような状態になったわけです。もちろん、この地の日照や土壌環境がアセビの生育に適していたこともあるでしょうが。
あまり茂っていたので、ほとんどを根元から切り倒したのですが、切った後から再生してきています。
この樹の根元には、ヒカゲノカズラが地面を這っています。

この植物は、神社の祭事や金魚の産卵用に、さらにドライフラワーなどのアート素材としても使われているようです。
インターネットで調べたところでは、この植物が有毒という記述は見当たらなかったが、鹿には食べられていません。
また、次の写真は、コウヤノマンネングサという苔です。

私は、当初ヒカゲノカズラの幼苗と思っていたのですが、コケを調べていた時、気付きました。ヒカゲノカズラより暗く湿りけが多い場所に生えています。
こちらも、毒性はないが食べられていません。想像するに、消化するのが困難といったことで体が受付ないのではないかと思います。
鹿は何でも食べるようですが、食べないものもあります。私が見聞きした植物で、鹿の食害に強いものについて分類してみました。
以下は私見であり、本記事によって生じた不都合・損害等には責任は負いかねますので、ご了承ください。
- 毒性がある・・・アセビ、シキミ、ミツマタ、ユズリハ、夾竹桃、ナンキンハゼ、センダン、ドクウツギ、 トリカブト、フタリシズカ、ホウズキ、アケボノソウ、ボロギク、オモト、バイケイソウなど(シキミやミツマタは幹の皮を食べられることがあります。)
- アクが強い・・・コンニャク、ゼンマイ、ワラビなど
- 独特の香り・・・シソ、ハーブ類
- 棘がある・・・ヒイラギ、ノイバラ、山椒など
- 消化に不適?・・・ヒカゲノカズラ、ヤブソテツ、イノモトソウ、コケ類など
- 新芽だけ食される・・・お茶、松、ツゲ、アカソ、ウバメガシなど
異なる事例もあるかもしれませんが、当方の経験をまとめてみました。(随時見直します。)
アオキ、イタドリ、フキ、冬イチゴなど鹿が食する植物でも、鹿が手を出せない石垣や崖っぷちで生き抜いているものも見かけます。
繁殖できる環境になるのをじっと待っているようにも思えます。
自身では、移動ができない植物ですが、いろんな形で身を守っているように見えます。今、いじめが問題になっていますが、負けないで植物のように工夫して生き抜いてもらいたいと思います。
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