タケニグサ(竹似草)の名前は、茎の中が中空で竹ににていることなどに由来します。葉に独特な大きな切れ込みがあり、草丈が2m以上になる多年草ですが、7月ごろに綿毛のような花をさかせ、9月ごろにたくさんの実をつけます。葉や茎にアルカロイドを含む有毒植物です。
タケニグサ(竹似草)につくたくさんの花と実
タケニグサの花

タケニグサの花(7月末)
タケニグサは、空き地などで普通に見かけるケシ科の多年草です。
名前は、茎の中が空洞になっていることが、竹ににてタケニグサ(竹似草、竹煮草)は、茎が中空なので竹ににているとして名付けられたとする説や、竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなるとする説があります。
タケニグサは、大きくなると2m程度になると言われ、育ちながら、花を咲かせ実をつけます。
写真は背が高く伸び、花が咲いてきたところです。中段の白い部分が花で、その下の黄色い部分は花が終わったところです。
花は、茎の先に大きな円錐花序を作り、たくさんの白い花をつけています。

タケニグサの花(7月末)
近づいて見ると、白い綿のようなものが見られますが、これが花です。花びらがない花で、ついている萼片も開花と同時に落下します。
綿毛のように咲く花の様子が変わっていて、面白いですね。
タケニグサの葉や実

タケニグサの苗(5月初旬)
タケニグサは多年草なので、冬には枯れますが、春に再び芽を出します。そして、5月には、この写真のように大きくなり、最終的には2mくらいに育ちます。
写真のように、白っぽい茎と深い切れ込みが入った葉が独特なかたちなので、一目でタケニグサであることがわかります。
また、ベトナム風(チャンバ)で、葉や茎の形がキクにているとしてチャンパギクと呼ばれることもあるようです。
葉の大きさは、長さが10~30cmで、裏面には縮毛が密生します。
また、葉や、中空になっている茎を切ると黄色い乳液が出てきます。この乳液にはアルカロイド系の有毒物質を含んでいるので、鹿などの動物が食べることは、あまりないようです。 (´ー`)
ただ、ニホンカモシカが食べているのを見たことはあります。解毒の能力があるのか、食べても支障がないようです。

タケニグサの実
7月に咲いた花の後には、写真のように、たくさんの実をつけます。
この実は蒴果で、長さは約2.5cmになり、魚のようなユニークな形になります。
風が吹くと、実の中の種子がカサカサと音を立てて揺れ、人が囁いているように聞こえるとして、ササヤキグサの別名もあります。
日本では、空き地などに生える雑草として扱われていますが、ヨーロッパのイングリッシュガーデンには植えられているとのことです。
国によって見方が違うようなのですが、興味深いことだと思います。
タケニグサの基本情報・花言葉
タケニグサ(竹似草、竹煮草)は、東南アジアや日本の本州以南に分布するケシ科タケニグサ属の多年草で、日当たりのいい荒地などでよく見られるパイオニア植物です。
タケニグサの名前は、竹を柔らかくするのに、竹と一緒に煮ることがあるとする説や、茎が中空で竹ににているためとする説があります。
別名は、チャンパギク(占城菊)、ササヤキグサ。
チャンパギクは、チャンバ(ベトナム)風で、茎や葉がキクににているためとする説や、インドシナの占城から渡来したと考えられたことに由来するとする説などがあります。
また、ササヤキグサは、風が吹くと、実の中の種子がカサカサと音を立てて揺れ、人が囁いているように聞こえることに由来するとする説や、ササヤキが麻殻を意味し、果実が麻殻ににていることによるという説があります。
学名は、Macleaya cordata (Willd.) R.Br.
英名は、Plume poppy
花期は7~8月で、茎の先に大きな円錐花序を作り、白い花をたくさんつけます。花には花びらがなく、萼片も開花と同時に落ちます。
果実は蒴果で、長さは約2.5cmになり、オレンジの魚のようなユニークな形になります。
葉は長さ10~30cmで、菊の花のように裂け、裏面には縮毛が密生します。
草丈は1~2mで、全体に粉白いを帯びます。
葉や茎に含まれる黄色い乳液にはアルカロイドが含まれているため、誤って口にすると大脳中枢を麻痺させ、脳貧血を引き起こすため注意が必要ですが、たむしなどの皮膚病に効くと言われます。また、畑の害虫駆除にも用いたと言われます。
タケニグサの花言葉は、「素直」「隠れた悪」。
参照サイト・書籍
Wikipedia タケニグサ
松江の花図鑑 タケニグサ
樹木図鑑 樹木ペディア タケニグサ
BONTANICA タケニグサとは?
林将之著 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」