日本固有種で、ヨーロッパモミの近縁種のモミ(樅)

2021年11月16日

モミ

モミは日本固有種で、クリスマスツリー用の樹として使われてきたヨーロッパモミの近縁種です。名前は風で揉み合う様子から「揉む」が語源となったなどの説あります。秋田県・岩手県以南に自生するマツ科モミ属の常緑高木の針葉樹です。近くに生えるたモミについて書きました。

日本固有種で、ヨーロッパモミの近縁種のモミ(樅)

モミの樹

モミの樹

モミの樹

写真は、家の近くの林道沿いに生えているモミの樹です。

この樹を見ると、子供のころ、モミの樹の幼木を切ってきて教室に立て、クリスマスの飾りをしたことを思い出します。

モミは日本固有種で、クリスマスツリーに使われてきたヨーロッパモミとは違う種類になりますが、

クリスマスツリーのいわれをすこし調べてみました。

北欧のゲルマン民族が『冬至』のお祭りの際、冬でも常緑なモミの樹に神様への贈り物をささげたのが始まりだとされ、

イエス・キリストが与えてくれる永遠の命を象徴している、として広まったそうです。

モミの樹は、樹形がきれいなこともあってクリスマスツリーに使われてきたと言われますが、

日本で実際に流通しているのは、ウラジロモミと呼ばれる近縁種が多いとのことです。(樹木図鑑 樹木ペディア「モミノキ」)

花言葉は、「高尚」「時間」「永遠」で、11月14日、12月24日の誕生花です

「高尚」は北欧で聖なる木と言われることから、

「時間」「永遠」は、西洋のモミが長命なことに由来すると言われます。

ただ、ツリー用の樹はモミと聞きますが、実際にはトウヒや松など、いろんな常緑針葉樹が使われているようです。o(^∇^)o

モミの幼木

モミの幼木

こちらは、別の場所でみたモミの樹ですが、枝が、幹に間隔をおいて対になって伸び、整った樹形を形づくっているようです。

このモミの樹が生えている周辺には高い樹が生えていて、日陰になっていますが、何本も育っています。

大きく育ったモミの樹は、樹皮が鹿に食べられることがあるようですが、葉はあまり食べられないようです。

硬い葉なので、食べても消化しにくいのでしょうか。

大きく育ったモミ

大きく育ったモミ

こちらは、大きく育ったモミの大木です。

モミの樹は、幼木は成長が遅いのですが、発芽して10年以降は成長が早く、

通常、樹高は25mくらい、直径は1.5mになると言われます。

整ったきれいな樹形をしていると思います。

モミの葉

モミの幼木の葉

モミの幼木の葉

モミの幼木の葉は、写真のように螺旋状に互生していますが、つぎのような特徴があります。

ご覧のように、葉の先端が二股に分かれて尖っています

触ってもそれほど痛い感じはしませんが、モミの樹を見分けるためのポイントにされています。

ただ、老木になると先端がくぼみます。葉の長さは、2~3cmほど。

よくにた樹と言われる、ツガの樹の葉は、長さが不揃いで、先端がまるくなっている点が違っています。

ツガ
可愛い実(球果)をつけるツガ(栂)、コメツガとの違い

ツガは、樹高30m、直径1mになるマツ科の常緑針葉樹で、直径2~3cmの松ぼっくりににた可愛い実(球果)をつけます。葉は、長さ約1cmと、長さ約2cmの葉が交互につき、先端は丸みを帯びます。よくにた近 ...

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つぎに、モミの葉の表面と裏面を比較してみました。

モミの葉の表面

モミの葉の表面

モミの葉の裏面

モミの葉の裏面

表面は、濃緑色で光沢がありますが、裏面は淡緑色になります。

裏面は、トウヒなどのような白さはなく、緑いろです。

つぎの写真は、4月に撮った若葉です。

モミの若葉

モミの若葉

赤みを帯びた薄い黄緑色で、よく目立ちきれいです。

この樹は、まだ小さな樹ですが、勢いを感じます。

春の新緑は広葉樹がきれいですが、モミのような常緑樹もきれいな色を見せてくれます。

モミの松笠(球果)

モミの松笠(球果)

モミの松笠(球果)

モミの樹は、2~3年に一回開花し、結実にて松笠をつけるとのことです。

長さ6~10cmの円柱形で、秋にはくすんだ緑色に熟し、完熟すると中軸から種子鱗片が離れて、飛散します。

モミの基本情報・花言葉

モミ(樅)は、秋田県・岩手県以南に自生する日本固有種で、マツ科モミ属の常緑高木針葉樹です。

日本では、ウラジロモミなどとともにクリスマスツリーに使われます。

モミの名前の由来は、風に揉み合う様子から「揉む」が語源となった、

新芽の数が多いことを表す「芽富み(めとみ)」から、

神聖な樹として信仰の対象になっていたことから「臣の木」と呼ばれていた、などいろんな説があるようです。

別名は、モミソ、モムノキ、サナギ。

学名は、Abies firma

英名は、Momi fir  Japanese fir

花期は5月、雌雄異花で黄緑色の雄花が枝の先につきます。

球果(松笠)は6~10cmの円柱形で、苞鱗片は長くつき出て螺旋状に並びます。

2~3年に一度結実しますが、秋に光沢のないくすんだ緑色に熟し、完熟すると中軸から種子鱗片が離れて飛散します。

葉は扁平な線形で長さは2~3cm、若い葉や日陰の陰葉は先端が二股になり、

老木や日当たりの葉の先端はわずかにくぼみます。

また、陰葉は枝に羽状につき、幹の上部の陽葉はラセン状につきます。

表面は濃緑色、裏面は薄緑いろで、光沢があります。

樹高は25mくらいで、直径は1.5mになります(樹高35~40m、直径1.5~1.8mとも言われます。)。

幼木は成長が遅いのですが、10年以降はよく成長すると言われます。

樹皮は、暗灰色で平滑か浅く割れ目が入ります。

材は、白くきれいですが、耐久性が劣るため、卒塔婆などに利用されます。

また、材に香りはありませんが、悪臭やホルムアルデヒドを取り除く効果があると言われます。(森林・林業学習館

モミの花言葉は、「高尚」「時間」「永遠」で、11月14日、12月24日の誕生花です

「高尚」は北欧で聖なる木と言われることに、

「時間」「永遠」は西洋のモミが長命なこと、に由来すると言われます。

参照サイト・書籍

Wikipedia モミ

木のぬくもり・森のぬくもり モミ

森林・林業学習館 モミ

庭木図鑑 樹木ペディア モミノキ

日本放送 NEWS ONLINE なぜクリスマスツリーに使われるのはモミなのか

花言葉.net モミ

中川重年著 保育社 「針葉樹」

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