トウヒは、5~6月ごろに開花し、球果(松笠)は長楕円形で長さは3~6cmで、9~10月ごろに熟して黄褐色になります。北東アジアや北海道、本州の紀伊半島、尾瀬沼、中部地方などの亜高山帯に分布する、マツ科トウヒ属(エゾマツの変種)の常緑高木の針葉樹です。
トウヒ(唐檜)の球果(松笠)
トウヒの球果(松笠)
先日、久しぶりにトウヒ(唐檜)の樹を見にいくと、球果(松笠)が落ちていました。
ヨーロッパでは、ドイツトウヒをクリスマスツリーに使うと聞きますが、この樹はその近縁種になるようです。
私は、トウヒの松笠はきれいなので、クリスマスの飾りにもいいかなと思って、ときどき拾っています。
以前記事にした、ツガの球果もきれいですが、トウヒもきれいだと思います。
-
可愛い実(球果)をつけるツガ(栂)、コメツガとの違い
ツガは、樹高30m、直径1mになるマツ科の常緑針葉樹で、直径2~3cmの松ぼっくりににた可愛い実(球果)をつけます。葉は、長さ約1cmと、長さ約2cmの葉が交互につき、先端は丸みを帯びます。よくにた近 ...
,残念ながら、もう落ちていましたが、5月に見たときは、若々しく元気よさそうについていました。
生まれたてだったんだろうと思います。(^⊆^)
写真のように、赤みを帯びていて、水平方向か下向きかげんでついていました。
モミは、真上を向いていたので、まったく違ったつき方になるんですね。
よくにた樹なのですが、この違いは何によるのでしょうか? わかりませんが、興味深いと思います。
球果はその後、9~10月に熟し、下に垂れ下がるとのことです。
トウヒの葉
葉は、線形・偏平で長さ7~15mm 幅2mmくらいで、枝全体に、らせん状または蒲鉾状になってたくさんつきます。
葉の先は、若木が鋭頭、成木では鋭頭、鈍頭があると言われますが、写真の葉は鋭頭になっています。
ただ、柔らかいためか、触っても痛くは感じません。
葉の表と裏を比較してみました。
表面は、濃緑色で光沢がありますが、裏は2本の灰白色の筋(気孔帯)が見られます。
また、葉には葉柄がなく、枝の膨らんだ部分(葉枕:ヨウチン)についています。
この葉枕の形がトウヒの特徴のようです。(・_・)
トウヒの樹
このトウヒの樹高は15mくらいで、幹の直径は50cmくらいでしょうか。
トウヒは大きくなると、高さが40m、太さが1mくらいになると言われるので、
まだ大きくなるようですが、たくさんの枝を出して元気そうに見えます。
幹は写真のように、ゴツゴツしています。
樹皮の色は赤みを帯びていると言えるのでしょうか(資料によると暗赤褐色になるそうです。)、
細かく剝れているのが見られます。
トウヒの基本情報・花言葉
トウヒ(唐檜)は、北東アジアや北海道、本州の紀伊半島、尾瀬沼、中部地方などの亜高山帯に分布する、マツ科トウヒ属(エゾマツの変種)の常緑高木の針葉樹です。
トウヒの先祖は、中国東北~朝鮮半島のチョウセントウヒが朝鮮半島~西日本経由で広がった可能性が指摘されているようです。(Wikipedia トウヒ)
ヨーロッパでクリスマスツリーによく使われるドイツトウヒは、トウヒの近縁種になります。
名前は、材質がヒノキににているのでその代用に使うことができ、洋風であるとして、トウヒ(唐檜)とつけられたとのことです。
別名に、ニレモミ、テイノキ、トラノオモミなどがあります。
学名は、Picea jezoensis var. hondoensis
英名は、Japanese spruce
雌雄同株で、5~6月ころ、雌花、雄花が開花します。
実は、球果(松笠)で長楕円形で長さは3~6cmです。
若い時は紅紫色を帯びているが、9~10月ころに熟すし黄褐色になって枝から下垂します。
葉は線形・偏平で、枝にらせん状または蒲鉾状に多数密につき、
先は、若木で鋭頭、成木では鋭頭、鈍頭があります。
若枝は黄褐色、剛直、無毛、葉枕の両端の溝が深くなります。
また、葉の裏面には、灰白色の気孔線が2状あります。
葉が無柄で葉枕に着いており、この葉枕の形がトウヒ属の特徴になります。
樹高は大きいもので40m、太さは1mほどになると言われます。
樹皮は、暗赤褐色で小さな鱗片状に剥がれます。
材は白栂(シロツガ)とも呼ばれ、天井板や柱などの建築材や建具、曲物などと用途が多いと言われます。
花言葉は、「不運の中での希望」。
参照サイト
Wikipedia トウヒ
木のぬくもり・森のぬくもり トウヒ
庭木図鑑 樹木ペディア トウヒ
中川重年著 保育社 「針葉樹」
関連投稿
-
日本固有種で、ヨーロッパモミの近縁種のモミ(樅)
モミは日本固有種で、クリスマスツリー用の樹として使われてきたヨーロッパモミの近縁種です。名前は風で揉み合う様子から「揉む」が語源となったなどの説あります。秋田県・岩手県以南に自生するマツ科モミ属の常緑 ...