セイヨウヒイラギは、11月中旬ごろから、きれいな赤い実をつけ、クリスマス飾りに使われることでお馴染みの樹です。名前にヒイラギとつきますが、ヒイラギとは別の種類になります。西アジア、ヨーロッパ南部、アフリカ北部が原産で、モチノキ科の常緑小高木です。花言葉は「将来の見通し」「神を信じます」
セイヨウヒイラギ(西洋柊、クリスマス ホ-リー)の赤い実
セイヨウヒイラギ(西洋柊)の赤い実

セイヨウヒイラギの赤い実
散歩中に見かけたセイヨウヒイラギ(西洋柊)の実が、赤く色づいていました。
クリスマスの準備をしているかのようです。(^⊆^)
庭にこの樹があると、それだけで賑やかなクリスマスになりますね。
セイヨウヒイラギは、名前にヒイラギとつくものの、モチノキ科の樹木で、モクセイ科のヒイラギとは別の種類になります。
ちなみに、「ヒイラギ」は、葉の縁のトゲに触るとヒリヒリと痛いことから、
「ヒリヒリと痛む」ことを表す日本語の古語動詞である「疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ」から変化したものと言われます。
以前記事にかいた、クロガネモチに近い種類になります。
-
-
春に薄紫の花が咲き、秋に赤い実をつけるクロガネモチ(黒金黐)
クロガネモチは5~6月に薄紫の花が咲き、秋に赤い実をつけます。名前は、若い枝などが濃い紫に黒ずんでいることに由来し、「カネモチ」の名から縁起物とされ、庭木や街路樹などに植えられます。日本の関東地方以西 ...
ちなみに、ヒイラギ(柊)は秋に花を咲かせ、実は黒い色で、7月ごろに熟します。
詳しくは、関連投稿をご覧ください。
そういえば、11月になると、街路樹のモチノキも赤い実をつけて、よく目につきます。

たくさんついた実
セイヨウヒイラギは、4~5月ころに白い花を咲かせますが、その後、雌の樹(セイヨウヒイラギは雌雄異株)に実をつけます。
実の大きさは、6~10mmほどの核果で、なかには果肉があり、種が入っています。
11月半ばを過ぎて、落葉樹の紅葉がきれいですが、これからは私たちの出番だと言っているかのようです。(^_^)
セイヨウヒイラギの花

セイヨウヒイラギの花
華やかな赤い実に較べて、花は地味で目立ちません。
花期は4~6月頃で、大きさは直径6~8mmほどです。
花の色は清楚な白色(ときに淡い黄白色)で、花びら(花弁)は4枚です。
雌雄異株であり、雄花と雌花がそれぞれ別の木に咲きます。
葉や幹

セイヨウヒイラギの葉
セイヨウヒイラギの葉は互生し、楕円形で光沢があります。
長さ5~12cm 幅2~6cmで、若い枝や下の枝では葉の縁が数箇所鋭く尖っていますが、古い枝や上の枝では刺の数が少なく葉先のみ尖ります。
ヒイラギの鋭く痛さはと、優し気な感じがします。
つぎの写真は、セイヨウヒイラギの幹です。

セイヨウヒイラギの幹
灰白色と言うのでしょうか、表面は平滑できれいな肌をしています。
一般的には、樹高は6~8mになるとのことです。
セイヨウヒイラギの基本情報・花言葉
原産地、分類、特徴
ヨーロッパ西部・南部、アフリカ北西部、アジア南西部(西アジア)が原産地で、モチノキ科モチノキ属に分類される常緑高木(または小高木)で、雌雄異株です。
冬になっても濃緑色の葉を保ち、晩秋から冬にかけて鮮やかな赤い果実をつけるのが最大の特徴です。
葉の縁に鋭いトゲ(刺状の鋸歯)を持ち、日本の在来種であるヒイラギと外見が似ていますが、
ヒイラギはモクセイ科で葉が対生するのに対し、セイヨウヒイラギはモチノキ科で葉が互生する全く別の植物です。
また、萌芽力や刈り込みへの耐性が強く、古くから庭木や生け垣として世界各地で親しまれています。
名前について
葉の縁に鋭いトゲ(鋸歯)がある姿が日本のヒイラギ(柊)に似ており、ヨーロッパなど西洋原産であることから「セイヨウヒイラギ(西洋柊)」と名づけられました。
別名は、「クリスマス・ホーリー」「ヒイラギモチ」「セイヨウヒイラギモチ」「イングリッシュ・ホーリー」「ヨーロピアン・ホーリー」など。
11~12月のクリスマスシーズンに赤い実が美しく熟すことから「クリスマス・ホーリー」と呼ばれます。
また、キリスト教の伝承においてキリストの受難(茨の冠と流した血)を象徴する樹木とされることから「キリストの刺」「聖なる木」とも称されます。
なお、日本の園芸市場では近縁のシナヒイラギ(ヤバネヒイラギモチ)が「クリスマス・ホーリー」の名で流通することも多く見られます。
学名は、Ilex aquifolium
属名の Ilex は、セイヨウヒイラギに葉の形が似ている常緑カシ「セイヨウヒイラギガシ(Quercus ilex)」の古代ラテン語名に由来します。
種小名の aquifolium は、ラテン語の「acus(針、尖ったもの)」または「aqua(水)」と「folium(葉)」の合成語とされ、
針のように鋭いトゲを持つ葉の特徴に由来しています。
英名は 、English holly、European holly、Holly
「Holly」は古英語の「holegn」やゲルマン祖語に由来する言葉で、古くからトゲのあるモチノキ属の樹木全般を指してきました。
単にHollyと呼ぶとモチノキ属の総称にもなるため、本種を明確に区別する目的で原産地を示す「English(イギリスの)」や「European(ヨーロッパの)」が冠されています。
花
花期は春の4~5月(地域により6月頃まで)で、花の大きさは直径6~8mmほどです。
色は清楚な白色(ときに淡い黄白色)をしており、花びら(花弁)は4枚です。
雌雄異株であり、雄花と雌花がそれぞれ別の木に咲きます。
雌花には中央に4室からなる雌しべが1個あり、柱頭は無柄で4裂し、周囲には退化した仮雄しべが存在します。
雄花には花弁と互生するように4本の雄しべが発達しています。
その他の特徴として、小花は葉のわき(葉腋)にまとまって散形花序や短い集散花序を形成して咲き、
傘を広げたような形状(落下傘状)で集まり、甘く爽やかな芳香を放ちます。昆虫によって受粉される虫媒花です。
実
実の大きさは直径6~10mm前後の球形をした核果です。
実の色は若い時期は緑色で、晩秋の11月頃から鮮やかな赤色へと熟し、冬の間(2月頃まで)枝に残ります。
実の内部には4個程の硬いタネ(種子・小核)が含まれています。
タネの大きさは長さ5~7mmほどの長楕円形で、表面に硬い木質の殻を持ちます。
実は非常に強い苦みや渋み、微量のサポニン等の成分を含むため、冬の間も野鳥に食べられにくく、落果せずに美しい赤い姿を長く保ちます。
葉、枝、幹
葉は互生し、長さ5~12cm 幅2~6cmほどで、楕円形から長楕円形です。
葉質は厚い革質で硬く、表面は濃緑色で強い光沢(ワックス層)があります。
鋸歯は、若い木や下部の枝につく葉の縁には鋭い波状のトゲ(刺状鋸歯)が数箇所張り出しますが、
樹高が高くなったり古くなった枝の上部につく葉はトゲがなくなり、
先端だけが尖るか滑らかな全縁へと変化する多形性を示します。
幹は直立し、樹皮は滑らかな淡灰色から灰褐色を呈します。枝分かれが非常に多く密に小枝を広げ、刈り込みにもよく耐えます。
樹高は、自生地では6~8mに達する高木・小高木です。
増やし方
主に挿し木と種まき(実生)によって増やします。
園芸品種の特性や雌雄の形質を確実に引き継ぐためには挿し木が一般的です。
適期は、6~7月頃で、その年に伸びてやや硬くなった枝(半熟枝)を10cmほど切り取り、下葉を落として水揚げした後、赤玉土や鹿沼土などの清潔な用土に挿して半日陰で湿度を保ちながら管理します。
種まきの場合は、冬に完熟した果実から果肉をきれいに水洗いして種子を取り出し、乾燥させないように保管して春にまきますが、
発芽までに1~2年以上の長期間を要することが多く、雌雄の判別も成長するまでつきません。
栽培上の注意点
環境としては、日当たりや風通しの良い戸外を好みます。
耐陰性があるため半日陰でも育ちますが、日当たりが良好な場所の方が枝葉が緻密に茂り、実のつきも良くなります。
土壌は水はけが良く、適度な保水性を持つ肥沃な弱酸性~中性の土を好みます。
水やりの方法は、庭植えの場合は根がしっかりと活着した後は自然の降雨に任せ、基本的に水やりは不要です。
ただし、夏場に極端な乾燥が続く場合は早朝や夕方にたっぷりと与えます。
鉢植えの場合は、用土の表面が白く乾いたら鉢底穴から水が流れ出るまで十分に与えます。
ただ、過湿による根腐れと極端な水切れの双方に注意します。
肥料の与え方は、寒肥として1~2月に緩効性の有機質肥料(油かすや骨粉など)を株元に施し、開花後の5~6月に化成肥料を少量追肥します。
冬の対応として、原産地がヨーロッパであるため一般的な耐寒性を備えていますが、極端な寒冷地や強い寒風・霜にさらされると葉が傷むことがあるため、
寒冷地では風当たりの少ない陽だまりで管理するか株元にマルチングを施します。
また、生け垣や樹形を美しく保つ剪定は、新芽が出る前の3~4月や秋の9月頃が適期です。
雌雄異株のため、実を楽しみたい場合は雌株の近くに雄株を混植する必要があります。
利用のされ方
密に茂る硬いトゲのある葉を持つことから、防犯を兼ねた生け垣や庭木、公園樹として世界中で広く利用されています。
また、冬に実る真っ赤な実と艶やかな緑葉のコントラストが美しいため、欧米を中心にクリスマスリースやガーランド、テーブル装飾などのクリスマス飾りの定番資材として欠かせない存在となっています。
フラワーアレンジメントや生け花の枝もの・葉ものなど、花材としても多用されます。
さらに、材は非常に緻密で白く硬いため、木彫りの彫刻材、細工物、楽器の部材、高級ステッキなどに加工されて利用されてきました。
花言葉、誕生花
花言葉は、「永遠の輝き」「予見」「洞察力」「防衛」など
「永遠の輝き」は、厳しい寒さの冬でも色あせることなく常にみずみずしい緑を保つ常緑性(常磐木)が、「永遠」「不変」の生命力の象徴とされてきた古代ヨーロッパの信仰に由来します。
また、「予見」や「洞察力」は、葉のトゲが悪霊や邪気を遠ざける魔除けの力を持つと信じられていたことや、トゲの多い枝と少ない枝を用いた伝統的な枝占い(He Holly / She Holly)の文化にちなみます。
さらに「防衛」は、外敵を寄せ付けない鋭いトゲの葉を持つことに由来します。
12月11日、12月16日、12月25日などの誕生花です。
参照サイト
Wikipedia セイヨウヒイラギ
みんなの趣味の園芸 セイヨウヒイラギ セイヨウヒイラギの育て方・栽培方法
庭木図鑑 植木ペディア セイヨウヒイラギ
GKZ 植物事典 セイヨウヒイラギ
Chiils Laboratory セイヨウヒイラギ
関連投稿
-
-
鋭いトゲで鬼を退散させるヒイラギ(柊)に咲く白い花
ヒイラギ(柊)は、葉に鋭いトゲがあるため鬼の目を突くとして、節分の魔除けに使われ、庭木にも植えられます。台湾や日本の福島県以南に分布するモクセイ科の常緑小高木で、雌雄異株です。山のヒイラギもトゲの効用 ...
-
-
赤い実がなる植物47種~ブログ記事から~
赤い実は、よく目立ってきれいなので、人にも鳥や動物にも好まれるようです。ここでは、赤い実をつける植物47種を一覧にまとめました。皆さまが、赤い実を調べるにあたってお役にたてていただければ幸いです。 赤 ...











