園芸用に栽培されるコムラサキと、山野に自生するムラサキシキブは、つぎのような点が違います。コムラサキは、花序が葉の付け根から離れて上につき、葉の鋸歯は葉の上半分につきます。一方、ムラサキシキブは、花序が葉の付け根から出て、葉の鋸歯は全周につきます。
<目次>
園芸品のコムラサキと、自生種のムラサキシキブの違い
コムラサキ(小紫)の特徴


小紫の花と実
畑の隅にコムラサキ(小紫)の樹が自生しています。ムラサキシキブ(紫式部)かと思っていたのですが、調べたところ小紫でした。
8月の今、根元から先の方に向かって、つぎつぎと花が咲いていますが、花の後には、丸い小さな実(写真の左側)をつけます。
花は、薄紫いろで小さな花がたくさんついています。
また、葉の縁には鋸歯がついていますが、鋸歯は上半部までで、途中からは無くなっています。
樹高は、1m程度でしょうか。それ以上に高くならず枝が垂れ下がり、株立になってふえています。そして毎年、秋になると綺麗な紫の実がいくつもの塊なってつきます。
この樹は、鳥がタネを運んできて、落とし芽をだして大きくなったのでしょうか。植えていないのに、いつの間にか生えてきました。
ここから、10m程離れたところにも生えています。このようにして、増えていくようですね。


小紫のつぼみ
この写真は、枝先から根元方向につぼみを撮った写真です。つぼみの集まり(集散花序)は、対になって出た葉(対生)の付け根から少し離れた上から出ています。(手前が枝先になります。)
このように、たくさんついたつぼみがつくのですから、花や実が押し合うように込み合ってついているのもうなづけますね。


コムラサキの実
こちらは、きれいな実がついた時に撮ったものです。たくさんの小さな実がまとまってついています。このように、たくさんの実が集まってつくのがコムラサキなのですね。
別名に、コムラサキシキブ(小紫式部)、コシキブ(小式部)があります。
学名は、Callicarpa dichotoma
英名は、Komurasaki tree、Japanese beautyberry
小紫の花言葉は、「聡明」「気品」「知性」で、11月15日の誕生花です。
いい花言葉ですね。コムラサキの苗はこちらでも、販売されています。
ムラサキシキブ(紫式部)の特徴


紫式部についた実
こちらは、実をつけた紫式部です。
写真をよく見ると、実をつける果柄は、コムラサキとは違って葉の付け根から出ていることがわかるかと思います。
また、葉には全周にわたって鋸歯がついています。
また、この写真では少しわかりにくいのですが、


紫式部の実
コムラサキ(小紫)は、1m程度の高さ以上にはならず、枝は垂れ下がりますが、
ムラサキシキブ(紫式部)は、3m程度の高さになり、枝は上向きます。
同じ低木といっても、違いがあるんですね。
学名は、Callicarpa japonica
英名は、Japanese beauty berry
紫式部の花言葉は、「上品」「愛され上手」で、10月17日、10月18日、10月21日、11月4日の誕生花です。
なお、「紫式部(ムラサキシキブ)」の名前は、紫色の実の清楚な美しさを、紫式部にたとえたものと言われています。
コムラサキ(小紫)とムラサキシキブ(紫式部)の違い
以上から、コムラサキとムラサキシキブは、よくにた落葉低木ですが、つぎのような違いがあることがわかりました。
また、小紫はよく庭木にされていますが、紫式部と呼ばれることが多いようです。
小紫 | 紫式部 | |
葉の鋸歯 | 葉の上半分 | 葉の全周 |
花序のつき方 | 葉柄の上部 | 葉柄の付け根 |
枝の付き方 | 枝が垂れる | 枝が上向く |
樹の大きさ | 1m程度 | 2~3m |
参照サイト
みみみんブログ コムラサキとムラサキシキブの花言葉