神棚に供えられるサカキ(榊、楊桐、賢木)は、本榊、真榊などとも呼ばれ、大切な樹です。6月ごろにきれいな白い花が咲き、11月ごろには、たくさんの黒い実がつきます。ここでは、サカキの樹の詳細と、神事に使われる理由などについて書いています。
<目次>
神事に使われるサカキには、白い花が咲き黒い実がつきます
神事のお供えに使うサカキの葉


サカキのとがった芽
サカキは、神社や家の神棚などの神事でお供えする植物で、ホンサカキ(本榊)とか、マサカキ(真榊)と呼ばれます。
また、サカキの若い葉は、とがっており、神が降臨すると言われてきたそうです(楢原纒著「神々と植物」)。尖っている部分は、写真の中央に見られる、赤い曲がった部分になります。
葉がこのような形になっている樹は、他にはあまり見られないようで、サカキの特徴のようです。昔の人は、この形を特別なことと考えたようです。


サカキの葉
サカキの葉のつき方は、二列互生葉序と呼ばれ、枝に平面状にならんでいます。このように、平面状になっていることは、重ねてお供えする場合に、都合がよく利点になっているようです。
また、常緑なので、一年中、葉がついた状態で、お供えできる点も選ばれた理由になるのかと想像します。さらに、葉には光沢があって、縁に鋸歯(キョシ)がなく、クスノキの仲間に見られる虫えいができないのもいい点かと思います。
サカキに咲く白い花


サカキの白い花
サカキは、6~7月ころ、白い小さな花を咲かせます。
花は、葉腋(ヨウエキ)から複数の花柄(カヘイ)を出して、ぶら下がるように下を向いています。白くて可愛いで、樹全体にたくさん咲いています。 (^-^ )
サカキにつく黒い実


庭のサカキ
我が家の庭に、苗を買って植えたサカキの樹があります。
このサカキは、毎年、6月ころにたくさんの花が咲き、11月ころに、5~7mmくらいの大きさの黒い実をつけます。今年も、樹全体に、たくさんの実がついています。
近くの畑にもサカキがありますが、例年、あまり実がつかないようです。こちらのサカキは、当地で自生したものなのですが、樹によってこのように、実のつき方が違ようです。違った系統ということになるのでしょうか。
サカキの基本情報・花言葉など
サカキは、石川県、茨城県以西に分布する、モッコク科サカキ属の常緑小高木で、高さ12 m、胸高直径は30 cmになります。
サカキの語源は、神事に使われ、神さまにそなえることから、人と神との境の木、「境木(さかき)」に由来するとする説や、常緑樹でさかえる(繁)ことから繁木(サカキ)となったとする説などがあります。また、「榊」の漢字は、平安時代に日本でつくられた国字とのことです。
学名は、Cleyera japonica
英名は、Japanese cleyera、Sakaki plant
花期は6 - 7月ごろで、側枝の基部の葉腋から黄白色の小さな花を咲かせます。花は5弁で、葉の下から1 ~ 4個出て、下向きにつきます。花の色ははじめは白く、しだいに黄味を帯びてきます。
果期は10月ごろで、果実は直径7 ~8mmの液果で、11月頃に黒く熟します。
葉は枝の両側に二列に互生し、長さ6 ~10cm の長楕円形で、革質でつやがあり、縁に鋸歯はありません。枝先につく、若葉は細長く巻いて鎌状になります。
樹高は12 mほどで、太いものでは胸高直径は30 cmになります。若枝は緑色ですが、幹の樹皮は灰淡褐色になります。
ホンサカキ(本榊)やマサカキ(真榊)と呼ばれるのは、地方によって供える葉が異なる場合がある(ヒサカキ、ツバキなど)ことから、それらと区別するためとのことです。
サカキの花言葉は、「控えめな美点」、「揺るがない」、「神を尊ぶ」で、12月26日の誕生花です。
おわりに
11月になり、サカキにたくさんの黒い実がついています。
サカキは、神事にお供えする樹として知られていますが、庭などにも植えられることもあるようです。
お供えに使ってきた由来をみてみると、
いろんなことを考慮してお供え用の樹にしたことが想像され、興味深く思います。(*´▽`*)
参照サイト
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