ハラン(葉蘭)は、葉が幅が広くて長く伸び、丈夫できれいな緑いろをしていることから、切り花や料理の添え物などに使われてきました。原産地は九州南部と推測されているキジカクシ科ハラン属の常緑多年草で、庭園などの下草としても植えられています。
<目次>
生け花や、料理の添え物に使われるハラン(葉蘭)
我が家のハラン(葉蘭)


長く伸びたハラン
北側の樹の陰で、日当たりが良くない場所に、我が家のハランは植えられています。
特に手入れをすることもなく放任状態で、自由に伸びていますが、しっかりと地下茎がしっかりと伸びており、引き抜くのも大変なほど茂っています。
ハランは、日陰でも根をしっかり張れば、元気に育つようです。


ハランの茎
根元はこのように、たくさんの茎が出ていて、葉も密に重なり合っています。
ハランの葉


ハランの葉
ハランの葉には、抗菌作用があると言われ、料理などで、食品の下に置かれたり、添え物などに使われてきました。
1本のハランの葉は、写真のような形で、葉の部分の長さは50cm、茎の長さが30cmくらいで、幅は、12cm前後です。そして、少々の力で引っ張ってもちぎれることがなく丈夫です。 ヘ(*^0^*)v
今は、お弁当などで、ビニール製の人造ハラン(バラン)が使われますが、もとは、このハランだったんですね。環境問題が切実になっている今、ハランの活用を考える時かもしれません。


ハランの葉の表
ハランの葉の表面は、光沢があり、表側にすこし湾曲気味で、しっかりしています。
料理に使うものは、何といっても自然のものがいいのではないでしょうか。


ハランの葉の裏
裏側は、光沢がなく、中心の葉脈が目立ちます。
なお、葉や茎を乾燥したものは、利尿や強壮剤の効用があると言われます。
ハランにはいろんな種類があります。以下に、いくつかを見てみます。
斑入りハラン


天の川
ハランは、先にも触れたように、伝統園芸品種として、改良が進められてきたとのことで、いろんな斑入りの品種があります。
写真は、天の川(別名:星月夜)と呼ばれる品種で、葉にたくさんの小さな点々がついています。
あまり大きくならないようで、手元のものは30cmほどの草丈です。


天の川の葉
人によって、好き嫌いはあるかもしれませんが、ちょっとおもしろい品種だと思います。


縞ハラン
こちらは、黄色っぽい縞模様が入った品種です。斑が入ると、印象が微妙に違ってくるように思います。
斑入りの品種は、観葉や装飾用として使われるんでしょうね。
ハランは、庭園の下草などにも使われるので、このような品種も開発されたんでしょうね。
ハランの花と実


ハランの花と実
ハランの花や実は、変わった形をしています。
この写真の、左側の緑の球状のものが実で、右側の紫いろのものが花です。ハランは、5月ごろに、地面近くに、紫いろの花を咲かせます。見たことがない、変わった花と実ですね。
来年は、気を付けて見てみたいと思います。
ハラン(葉蘭)の基本情報・花言葉
ハランは、九州南部が原産と推測されている、キジカクシ科ハラン属の常緑多年草です。
ハランは、古名は中国名のバラン(馬蘭)で、江戸時代はバランと呼ばれていましたが、後にハラン(葉蘭)と呼ばれるようになりました。
学名は、Aspidistra elatior。英名は、cast-iron plant。
花期は5月ごろで、地下茎から出た、紫いろで多肉質の花が地面すれすれに咲きま、実は、球状で緑色をしています。
葉は薄いが硬くて光沢があり、濃い緑色をしています。長い楕円形で、長さは50cm以上になります。
茎は地下茎になって長く伸び、そこからたくさんの葉を出します。
葉は、切り花や料理の添え物などに利用されますが、庭木の下草としても植えられます。
ハランの花言葉は、「強い心」、「強い意志」、「平癒」で、11月30日の誕生花です。
「強い心」や「強い意志」は、葉が硬く強いことからつけられたのでしょうか。
「平癒」は、葉に抗菌作用があり、乾燥した葉や茎に薬用効果があるとされることに由来するとのことです。
おわりに
ハランは、日陰で元気に育つ植物です。
あまり目立たない草花ですが、料理の添え物や切り花などに利用され、観葉植物や庭園の下草としても利用されるようです。
また、古くから伝統園芸品種として、多くの品種がつくられているもともあり、いろんな形で楽しめる植物だと思います。
参照サイト
Wikipedia ハラン(植物)