オモト(万年青)は、常緑、長寿で赤い実をつける縁起物で、庭の鬼門(北東)に植えられたり贈り物にされ、古典園芸植物として昔から多くの品種が開発されています。また、日本固有種で、関東以南に自生するキジカクシ科オモト属の常緑多年草です。
<目次>
オモト(万年青)は一年中緑の葉をつけ、冬に赤い実をつける縁起物です
オモト(万年青)の赤い実

赤い実をつけたオモト
オモトは、葉が一年中緑で、長くこの色を保つので、漢字では、万年青と書かれるんだそうです。
写真のオモトは、葉が大きく、いくつかの子株ができているようです。
葉に穴があいているのは、夏に強い直射日光があたったためかもしれません。
去年も実がついていましたが、今年も同じくようにつけていました。
実は下のほうについていて、葉に隠れ気味ですが、たくさんついています。
鳥が好んで食べるそうですが、まだ食べられていません。

近くで見たオモトの実
実は8mmくらいで、きれいな赤、中は汁気の多い果肉が入っています。
でも、有毒なので、食べてはいけません。でも、緑の葉と赤い実の組み合わせがいいですね。(*^^*)
オモト(万年青)の白い花

オモトの白い花
5から6月ごろに、葉の中から10~20cmの花茎を出し、
うすい黄緑いろの花をたくさん密集して咲かせます。
山に植えたオモト(万年青)

山に植えて1年のオモト
これは、去年、山に植えたオモトの苗です。
今日、その後どうなっているか、見てみましたが、写真のように元気に育っているようです。
このオモト、もとは、家にあったものを株分けしたものです。
以前から家に鉢植えのオモトがあり、長くそのままだったからか、たくさんの子株がついていました。
野で育っていたオモトをみたことをきっかけに、昨年、株分けして山に植えてみました。
植えた場所は、ヒノキ林で、直射日光が当たらないところですが、
なんとか、無事に育っているようですので、これから、大きくなるのが、楽しみになりました。
オモトの基本情報・花言葉
オモト(万年青)は、日本固有種で、中国から日本の関東地方以南の暖かい山地に自生する、キジカクシ科オモト属の常緑多年草です。
オモトは常緑で、衰えず長寿であることから、中国名で万年青と書かれます。日本名のオモトは、株か太いことから「大本」、江戸時代に老母草(おもとぐさ)と書かれた、葉を老母、赤い実を子と見て、母が子を抱く姿として“母人”(おもと)とした、などの諸説があるようです。
学名は、Rohdea japonica
花期は5~7月で、8~18cmの花径の先に、穂状花序(スイジョウカジョ)でたくさんの花をつけます。カタツムリなどの有肺類によって花粉が媒介されて受粉すると言われる虫媒花です。
秋には実をつけ、赤くきれいに熟します。
葉は、根出葉になり、長さ30~50cmとなり、披針形で先が尖ります。葉の表面に毛はなく、光沢があります。
日本では、古典園芸植物として、300年以上前から観葉植物として栽培され、葉の斑や形などが異なるたくさんの種類が作られてきたようです。
また、徳川家康が江戸城を開城するにあたって、家臣から常緑のオモトを贈られ、その後の繁栄につながったとされるようになり、引っ越し時の縁起物とされるようになったとのことです。
また、オモトは、根茎にロディン、葉にロデキシンと呼ばれる毒を持っているそうです。
食べると、悪心、嘔吐、頭痛、血圧降下を起こし、運動麻痺、呼吸異常、などによって死ぬこともあるとのことです。
一方で、根茎を乾燥したものは、強心剤や利尿剤として使われ、漢方薬ではなくてはならないものだそうです。
オモトの花言葉は、「長寿」、「長命」。
オモトが、一年中緑で、何十年も育つことからつけられた花言葉だそうです。万年青のいわれと同じですね。
敬老の日のプレゼントなどとしても、よく使われるようです。
おわりに
近くの野に生えているオモトに、今年もきれいな実がついています。
毒性があるために獣害も受けず、半日陰などの生育環境条件も、あっているんだろうと思います。
家で育てていたものを株分けして、林地に植えたオモトも、
元気よく育っているようなので、これから楽しみです。(*^^*)
参照サイト・書籍
Wikipedia オモト
東邦大学薬学部付属用植物園 オモト
GREEN SNAP(株)データハウス発行 奥井真司著 「毒草大百科」