5月に白い花が咲き、10月ごろに黒い実をつけるクスノキ(樟、楠)

2020年11月16日

クスノキ

クスノキは、5月ごろに白い花を咲かせ、10月ごろ黒い実をつけます。日本の巨樹トップ10のうち、8本を占め、トトロが住むと言われるほど大きく育ちます。防虫効果があり、古くから、仏像やタンスなどに使われてきましたが、いまは街路樹などでもよく見かけます。

5月に白い花が咲き、10月ごろに黒い実をつけるクスノキ(樟、楠)

大きく育つクスノキ(樟、楠)

街路に植えられたクスノキ

街路樹に植えられたクスノキ

クスノキは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木です。

中国、台湾などに分布し、古い時代に、日本に渡ってきた史前帰化植物と言われます。

トトロが住んだ家はクスノキだったそうです。

クスノキは長寿命で、太く大きくなるので、住むのに都合が良かったからなのでしょうね。(^-^ )      

主に関東以西の暖かい地方で見られ、80%は九州で生えているそうです。

いまは、関西でも公園や街路に植えられているのをよく見かけます。

史前帰化植物で、人が植えたものが多いからでしょうか、私の田舎でも、民家の近くではみられますが、山の中にはないようです。

大きく育ったクスノキ

大きく育ったクスノキ

この樹は、広い公園に植えられたもので、のびのびと大きく育っています。

日本の全樹木のなかで、幹の周囲の長さが最大のものも、クスノキだそうです。

クスノキは寿命がながいので、ご神木として巨木に育ったものが多いようです。

Wikipediaによると、「日本最大のクスノキは、鹿児島県蒲生八幡神社の「蒲生の大楠」(幹周24.2 m)で、

確認されている中で、幹周の上では全樹種を通じて日本最大の巨木である。」とされます。

また、環境省の自然環境保全基礎調査によると、日本の巨樹トップ10のうち、8本はクスノキだそうです。

驚きですね。(・_・)v

クスノキに、これほど大木が多いのには、何か理由があるのでしょうね。

クスノキの白い花と黒い実

クスノキの花

クスノキの花

クスノキは、5 ~ 6月に白い花を咲かせます。

葉の付け根から伸びた花柄に、円錐花序になってたくさんの花をつけます。

花は、直径5 mmほどの小さなもので、最初は白く咲き、その後黄緑色に変化します

クスノキの花

クスノキの花

花びらは6枚に見えますが、実際には3枚で、残りの3枚はガク(萼)になります。

また、写真ではよくわかりませんが、雄しべは12個、雌しべが1個ついています。

花言葉は、「芳香」で、8月1日の誕生花です

花というよりは、この樹が持つ香りに因んでつけられた花言葉になっています。

クスノキの実

クスノキの実

花が終わったあとは、写真のような、小さな緑いろの実をつけます。

クスノキの黒い実

クスノキの黒い実

最初は緑いろですが、10~11月ごろになるとこのように直径9mmほどの黒い実に熟します。

この実は液果で、中には5mmほどの種が1個入っています。

人の食用には適しませんが、鳥が好んで食べて種子散布されるようです。

同じクスノキ科のヤブニッケイとよくにた葉をつけ、花や実もよくにています。

ヤブニッケイについては記事にしていますので、よろしかったらご覧ください。

ヤブニッケイ
ヤブニッケイ(藪肉桂)に咲く黄緑い花と黒い実

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クスノキの葉や幹

クスノキの葉の葉脈

クスノキの葉の葉脈

葉は、光沢があり、枝に互生します。

また、写真のように鋸歯がなく波打っていますが、葉脈は葉の元付近から3本の筋が出ており、三行脈と呼ばれます。

同じクスノキ科のヤブニッケイシロダモなども同じように、三行脈が見られ、クスノキ科の特徴になります。

クスノキは、樹皮にも特徴があります。

クスノキの幹

クスノキの幹

このように、樹皮は茶褐色から暗褐色で、縦方向に短冊状に細かく裂けています。

私も、ときどきクスノキを見かけますが、この模様があるので、一目でクスノキだとわかります。(^⊆^)

クスノキの基本情報

クスノキは、中国、台湾、済州島、ベトナムに分布し、

日本の関東地方以南に自生するクスノキ科ニッケイ属の常緑高木で、史前帰化植物と言われます。

クスノキの名前の由来は、匂いがする「臭(くす)し木」、香りが高く、寿命が長い「奇(くす)しい木」など、諸説あるようです。

学名は、Cinnamomum camphora

英名、Camphor Laure

花期は5 ~ 6月で、葉の付け根からでた円錐花序に花を咲かせます。

個々の花は、直径5 mmほどで、12個の雄しべと1個の雌しべを持ちます。

花は、最初は白く、後に黄緑色に変化します

果期は、10 ~ 11月で、実は直径7 ~9mm の球形の液果です。

最初は淡緑色ですが、11 ~ 12月に黒色く熟します。

実の中には、直径5 ~6 mmほどの種が一つ入っています

鳥が食べて種子散布しますが、人間の食用には適しません。

葉は、光沢があり、枝に互生します。

そして、鋸歯がなく波打っていますが、葉脈は葉の元付近から3本の筋が出ている、三行脈と呼ばれる形になっています。

また、葉をちぎると独特の芳香がします。

樹皮は茶褐色から暗褐色で、縦方向に細く裂けます。

以下、クスノキの利用について。

クスノキは、飛鳥時代の仏像のほとんどの用材に使われていたそうです。

これは、クスノキの材質がなめらかで耐久性がいい、そのころ大木がたくさんあった、芳香がする、などのためと言われます。(小原二朗著、「木の文化」)

ただ、クスノキは硬いため、奈良時代以後は、柔らかい檜(ヒノキ)に変わったそうです。

また、クスノキは樟木(ショウボク)と呼ばれ、この樹から樟脳をとっていたことは、良く知られています。

このように樟脳の成分を含んでいるためでしょうか、私が山に植えた樹は、まだ小苗ですが、獣害につよいようです。

樫など、他の樹が鹿に食べられますが、この樹には手を出さないようです。

また、つぎのように、薬用としても利用されています。

「樟脳から精製して得られるカンフルは、強心剤として注射薬に使われるほか、

神経痛打撲に用いる軟膏チンキ、歯科用フェノールカンフルなど製薬原料として重要である。」(Wikipediaより)

クスノキの花言葉は、「芳香」で、8月1日の誕生花です

参照サイト

Wikipedia クスノキ

GreenSnap  クスノキ

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