クスノキは、5月ごろに白い花を咲かせ、10月ごろ黒い実をつけます。樟脳が採れる樹として知られ、日本の巨樹トップ10のうち、8本を占めます。防虫効果があり、古くから、仏像やタンスなどに使われてきましたが、最近は街路樹でもよく見かけます。
<目次>
クスノキは5月ごろ白い花を咲かせ、10月ごろ黒い実をつけます
大きく育つクスノキ(樟、楠)


街路樹に植えられたクスノキ
クスノキは、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木です。
中国、台湾などに分布し、古い時代に、日本に渡ってきた史前帰化植物と言われます。
トトロの家は大きなクスノキだったんだそうですね。私は知らなかったのですが、ブログで知りあった方から教えていただきました。
クスノキは長寿命で、大きくなるので、住むのに都合が良かったのかもしれませんね。(^-^ )
また、主に関東以西で見られ、80%が九州で生えているそうですが、公園や街路に植えられているのをよく見かけます。
私の田舎でも、民家の近くではみられますが、山の中ではみられないようです。


大きく育ったクスノキ
この樹は、広い公園に植えられたもので、のびのびと大きく育っているようです。
また、クスノキは寿命がながいので、ご神木として巨木に育ったものが多いようです。
日本の全樹木のなかで、幹の周囲の長さが最大のものは、クスノキだそうです。
日本最大のクスノキは、鹿児島県蒲生八幡神社の「蒲生の大楠」(幹周24.2 m)で、確認されている中で、幹周の上では全樹種を通じて日本最大の巨木である。
環境省の自然環境保全基礎調査によると、日本の巨樹トップ10のうち、8本はクスノキなんだそうです。驚きですね!(・_・)v
クスノキに、これほど大木が多いのには、何か理由があるんでしょうね。
クスノキの白い花と黒い実


クスノキの花
クスノキは、5 ~ 6月に花を咲かせます。葉の付け根から伸びた花柄に、円錐花序になってたくさんの花を咲かせます。花は、直径5 mmほどの大きさで、最初は白く咲き、後に黄緑色に変化します。


クスノキの花
花びらは6枚に見えますが、3枚で残りの3枚は萼になります。また、写真ではよくわかりませんが、雄しべは12個で、雌しべが1個あります。。


クスノキの若い実
花が終わったあとは、写真のような、小さな緑いろの実をつけます。


クスノキの黒い実
最初は緑いろですが、10~11月ころになると写真のように直径9mmほどの黒い実に熟します。
この実は液果で、中には5mmほどの種が1個入っています。人の食用には適しませんが、鳥が好んで食べて種子散布されます。
また、クスノキは雌雄同株ですが、樹によって実をつけているものもと、つけていないがあるようです。
クスノキの葉・幹
また、葉には、つぎのような特徴があります。


クスノキの葉の葉脈
葉は、光沢があり、枝に互生します。また、写真のように鋸歯がなく波打っていますが、葉脈は葉の元付近から3本の筋が出ており、三行脈と呼ばれます。同じクスノキ科のヤブニッケイ、シロダモなども同じように、三行脈が見られ、クスノキ科の特徴です。
クスノキは、樹皮にも特徴があります。


クスノキの幹
このように、樹皮は茶褐色から暗褐色で、縦方向に短冊状に細かく裂けています。
私も、ときどきクスノキを見かけますが、この模様があるので、一目でクスノキだとわかります。(^⊆^)
クスノキの基本情報・花言葉
クスノキは、中国、台湾、済州島、ベトナムに分布し、日本の関東地方以南に自生するクスノキ科ニッケイ属の常緑高木で、史前帰化植物と言われます。
クスノキの名前の由来は、匂いがする「臭(くす)し木」、香りが高く、寿命が長い「奇(くす)しい木」など、諸説あるようです。
学名は、Cinnamomum camphora。
英名、Camphor Laure。
花期は5 ~ 6月で、葉の付け根からでた円錐花序に花を咲かせます。個々の花は、直径5 mmほどで、12個の雄しべと1個の雌しべを持ちます。花は、最初は白く、後に黄緑色に変化します。
果期は、10 ~ 11月で、実は直径7 ~9mm の球形の液果です。最初は淡緑色ですが、11 ~ 12月に黒色く熟します。実の中には、直径5 ~6 mmほどの種が一つ入っています。鳥は食べて種子散布しますが、人間の食用には適しません。
葉は、光沢があり、枝に互生します。そして、鋸歯がなく波打っていますが、葉脈は葉の元付近から3本の筋が出ている、三行脈と呼ばれる形になっています。また、葉をちぎると独特の芳香がします。
樹皮は茶褐色から暗褐色で、縦方向に細く裂けます。
以下、クスノキの利用について。
クスノキは、飛鳥時代の仏像のほとんどの用材に使われていたそうです。
これは、クスノキの材質がなめらかで耐久性がいい、そのころ大木がたくさんあった、芳香がする、などのためと言われます。(小原二朗著、「木の文化」)ただ、クスノキは硬いため、奈良時代以後は、柔らかい檜(ヒノキ)に変わったそうです。
また、クスノキは樟木(ショウボク)と呼ばれ、この樹から樟脳をとっていたことは、良く知られています。
このように樟脳の成分を含んでいるためでしょうか、私が山に植えた樹は、まだ小苗ですが、獣害につよいようです。樫など、他の樹が鹿に食べられても、この樹には手を出しません。
また、つぎのように、薬用としても利用されています。
樟脳から精製して得られるカンフルは、強心剤として注射薬に使われるほか、神経痛や打撲に用いる軟膏、チンキ、歯科用フェノールカンフルなど製薬原料として重要である。
クスノキの花言葉は、「芳香」で、8月1日の誕生花です。
おわりに
11月のいま、クスノキが黒い実をつけています。発芽率はいいようで、この実を蒔くことによって、比較的簡単に、実生苗が得られるとのことです。1000年後まで育つことを願ってクスノキを植えるのも、夢があっていいなと思います。後々の人も意思を継続してくれるかどうか、難しいかもしれませんね。
参照サイト
Wikipedia クスノキ
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