鹿の食害に強い植物 58種

2020年2月19日

コウヤノマンネングサ

いま山間地では、鹿の食害に悩まされています。植物を植えても鹿に食べられ、育てることがむつかしくなっています。昔のことを思うと、非常に残念なことです。この記事では、私の経験や調べたことからわかった、鹿の食害に強い植物を58種を書きました。

鹿の食害に強い植物 58種

最近の山の様子

この人工林の端の比較的日が当たる場所で、アセビ(馬酔木)がもうすこしで咲きそうになっていました。

開花まじかなアセビ

開花が近いアセビ

十数年前でしたが、 一面にアセビが繁殖し、大きく育っていました。

よく知られているように、この樹は毒性が強く、鹿も食べません。

アセビと競合する多くの植物は、鹿の餌食になるためこのような状態になったのだろうと思います。

もちろん、この地の日照や土壌環境がアセビの生育に適していたこともあるでしょうが。

あまり茂っていたので、ほとんどを根元から切り倒したのですが、切った後から再生してきています。

この樹の根元には、ヒカゲノカズラが地面を這っています。

地面を這い伸びるヒカゲノカヅラ

地面を這うヒカゲノカヅラ

この植物は、神社の祭事や金魚の産卵用に、さらにドライフラワーなどのアート素材としても使われているようです。

インターネットで調べたところでは、この植物が有毒という記述は見当たりませんが、鹿には食べられていません。

また、つぎの写真は、マンネンスギというシダ植物です。

コウヤノマンネングサ

マンネンスギ

私は、当初ヒカゲノカズラの幼苗と思っていたのですが、シダ植物を調べていた時に、違うことに気が付きました。

ヒカゲノカズラより暗く湿気が多い場所に生えています。

こちらも、毒性はないのですが食べられていません。

想像するに、消化するのが困難といったことで体が受付ないのではないかと思います。

いま、山では、鹿が増えており、普通の植物は食べられて、育たなくなっています。

食べられるか食べられないかは、周辺の植物の状況や育つ植物の特性によって違ってくるように思われます。

この記事では、私が約10年間、近くの山で観察した植物や、

インターネットなどから得た鹿に強い植物の知識をもとに、

鹿の食害に強いと考えられる植物を書いてみました。

鹿害に強い植物

鹿は何でも食べるように思っていましたが、食べないものもあります。

私が見聞きした植物で、鹿の食害に強いものについて分類してみました。

以下のリスト約58種類(ハーブ類や苔については1種類と数えています。)のなかで、このブログで記事にした植物について、リンクしています。

詳しくはそちらもご覧ください。

なお、以下は私見であり、本記事によって生じた不都合・損害等には責任は負いかねますので、ご了承ください。

  1. 毒性がある・・・アセビウツギオオルリソウオモトキョウチクトウシキミジキタリスシャクナゲスイセンセンダンタケニグサチョウセンアサガオトリカブトナンキンハゼ、バイケイソウ、ヒオウギヒガンバナ、ヒメユズリハ、フタリシズカ、ホウズキ、ボロギクマツカゼソウマムシグサミツマタミヤマシキミ ヨウシュヤマゴボウユズリハ(シキミ、ミツマタ、ヨウシュヤマゴボウ、ユズリハなどは、幹の皮を食べられることがあります。)
  2. アクが強い・・・コンニャク、ゼンマイワラビ(ゼンマイは、若い芽をたべることがあるようです。また、ワラビの根は猪に食べられるようです。)
  3. 独特の香り・・・クスノキシソハーブ類 ハンゲショウ
  4. 棘がある・・・サルトリバラタラノキ山椒ニガイチゴノイバラ、(山椒は、若い苗やトゲの有無によって状況が違うように思います。)
  5. 葉に尖っている・・・ヒイラギモミカヤ
  6. 消化に不適?・・・イノモトソウ、イワヒメワラビ、チドメグサトウゲシバヒカゲノカズラヤブソテツマンネンスギ、シダ類、コケ類
  7. 樹の表面の葉だけが食べられる・・・イヌツゲ、ツゲコアカソ チャノキ
  8. 理由不明の植物・・・アケボノソウ、イチョウ、ウバメガシカナクギノキコウヤマキサルスベリソヨゴシナダレスズメガヤマンリョウメリケンカルガヤ(イチョウは樹皮を、ウバメガシは新芽をたべられることがあります。)

なお、6項の「樹の表面の葉だけ食べられる」とした植物は、たくさんの枝を出して葉をつけるため、樹の内部の葉は枝に守られて食べられずに残り、枯れない種類の樹を意味します。

なお、スイセン、ヒガンバナなどは、葉を食べられることがあると思われます。

また、ホウズキは熟した実は猿に食べられます。

リストには入れていませんが、スギ苗は以前は食べられていましたが、最近はあまり食べられていないようです。

周囲の植物の環境や、生息する鹿の特性などによって変化しているのかもしれません。

また、地域によっても、異なることがあるかもしれませんが、当方の経験になりますので、ご了解ください。

以上、経験上で、鹿が食べないと思われる植物を取り上げましたが、アオキ、イタドリ、フキ、冬イチゴなど鹿が食する植物でも、

鹿が手を出せない石垣や崖っぷちなどで生き抜いているものも見かけます。

このような植物は、繁殖できる環境になるのをじっと待っているようにも思えます。

おわりに

私のつたない経験から、鹿の食害に強かったと考えている植物を列挙してみました。

参考にしていただければ幸いです。

鹿に食べられる植物でも、いろんな形で生き延びようとしています。

いま、いじめが問題になっていますが、負けないでほしい。

植物のように工夫して生き抜いてもらいたい、そう思います。(^_^)



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