アキチョウジ(秋丁子)は、9月ごろに、草丈が70~100cmほどの茎の先や葉腋に花穂をだし、青紫いろで長さ2cm 直径0.5cmほどの細長い唇形花をたくさんつけます。日本固有種で、岐阜県以西に分布するシソ科ヤマハッカ属の多年草です。
アキチョウジ(秋丁字)の青紫の唇形花
アキチョウジの花
アキチョウジ(秋丁子)は、日本の固有種で、岐阜県以西から九州に分布するシソ科ヤマハッカ属の多年草です。
名前は、花の形が釘の形をしたチョウジの蕾に由来すると言われます。
私は、この花を見ると秋が来たことを実感します。
山に行くと、あちこちに鮮やかな紫に咲いて群生しているのを見ることができ、心が癒されます。
50cmほどの茎の先や、茎に互生した葉腋に集散花序を形成し、たくさん花を同じ向きに咲かせています。
一つひとつの花は、径が5mm、長さが2cmほどで、筒形をしており、写真のように、先端が上下2つに分かれる唇形花です。
シソ科特有の形の花ですが、アキチョウジは花が長いのが特徴です。
同じシソ科のジュウニヒトエの花とは、かなり違った花になります。ジュウニヒトエについては、こちらをご覧ください。
-
セイヨウジュウニヒトエ、ジュウニヒトエやキランソウとの違い
セイヨウジュウニヒトエは、4~6月ごろに、青紫色〜白色の唇形花を穂状につけます。ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、観賞用に移入されましたが、いまは、野生化が進んでいます。ここでは、日本原産のジュウニヒ ...
アキチョウジは、このように鮮やかな青紫で、花を見ることが少ない山の中では、よく目立つきれいな花だと思います。o(^∇^)o
花を、前から見てみました。
上唇は3つに分かれて上に反りかえっており、下唇は前に細くのびています。
黒く見えているのは、シベでしょうか。
アキチョウジは花序になってたくさんの花を咲かせます。
このように、長く伸びた茎の先に、たくさんのツボミや花をつけていて、
したから順に、つぎつぎと花を咲かせているようです。(^_^)
花言葉は、「秘めやかな思い」で、10月22日の誕生花です。
由来はよくわかりませんが、ひっそりとした秋の山の中で咲く様子からつけられたのでしょうか。
アキチョウジの花の筒の径に較べて大きなハチが飛んできて、
花に潜り込んで蜜を吸う様子が見られました。
こちらが、アキチョウジに飛んできたハチです。
ハチの大きさにくらべて、アキチョウジはかなり細いように見えます。
ちょっと見たところでは、ハチがこの細い花の蜜を吸うのは難しそうに見えます。ヽ('ー`)ノ
ところが、ご覧のように、ハチはアキチョウジの先から頭を突っ込んで蜜を吸っているようです。
先ほどみたように、アキチョウジの花の先端が唇の形をして開いているので、ハチが大きな頭を突っ込むことができるんでしょうね。 (^◎^)
まさかと思ってみていたのですが、自然の中では普通の事なのかもしれません。
アキチョウジの草丈は、高くなると1m近くになりますが、
茎の断面は四角形になり、下向きの毛がついています。
また、葉は対生し、長さ7~15cm 幅2.5~5cmで鋸歯があります。
秋の山の中で、鮮やかな薄紫で咲くたくさんのアキチョウジ、長く咲き続けてほしいと思います。
アキチョウジの基本情報・花言葉
アキチョウジ(秋丁子)は、岐阜県以西に分布する日本の固有種で、シソ科ヤマハッカ属の多年草です。
名前の由来は、花の形が、チョウジノキの蕾ににているためと言われます。
別名は、キリツボ(桐壺)。
よくにたセキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)は、本州の関東地方および中部地方(愛知県以東)に分布します。
アキチョウジは、セキヤノアキチョウジに較べて、花柄は短く、花序の幅が狭くなります。
学名は、Plectranthus longitubs
花期は8~10月、茎の先や葉腋に花穂をだし、青紫色で長さ2cm 直径0.5cmほどの細長い唇形花を、集散花序で咲かせます。
また、花は上唇は3裂し裂片は3角形でやや鈍頭、下唇は長く2浅裂して裂片は鈍頭になります。
実は、長さ約2mmの球形の4分果で、表面は平滑になります。
葉は対生し、長さ7~15cm 幅2.5~5cmで鋸歯があります。
草丈は70~100cmほどで、茎の断面は四角形で、下向きの毛がつきます。
花言葉は、「秘めやかな思い」で、10月22日の誕生花です。
参照サイト
Wikipedia アキチョウジ セキヤノアキチョウジ
EVERGREEN アキチョウジ
四季の草花 アキチョウジ
松江の花図鑑 アキチョウジ
日本の四季 アキチョウジ
関連投稿
<< 唇形花で咲く花たち >>
-
ピンクの唇形花が可愛いホトケノザ(仏の座)
ホトケノザは、冬から春にかけて、ピンクの花が咲くシソ科の2年草で、花は長さ2cmほどの筒状で、先端が上下に分かれて、可愛く咲く唇形花です。葉は、円形で鋸歯があり、間隔をおいて茎を囲むように対生します。 ...
-
晩夏から秋に咲くアオジソ(青紫蘇、大葉)の白い花
アオジソ(青紫蘇)は、8~10月ごろに、茎の先に花序になって白い花を咲かせます。アカジソ(赤紫蘇)の変種で、縄文時代から利用されていたとされる史前帰化植物です。葉、花穂、実などが薬味などいろんな形で使 ...
-
カキドオシ(垣通し)は、春に薄紫の唇形花を咲かせます
カキドウシ(垣通し)は、4~5月に薄紫の唇形花を咲かせます。人形のようなユーモラスな花ですが、ツル状の茎が垣根を通り抜けるほど勢いがいいとして、「垣通し」とつけられました。若葉は食用になり、薬効もある ...
-
セイヨウジュウニヒトエ、ジュウニヒトエやキランソウとの違い
セイヨウジュウニヒトエは、4~6月ごろに、青紫色〜白色の唇形花を穂状につけます。ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、観賞用に移入されましたが、いまは、野生化が進んでいます。ここでは、日本原産のジュウニヒ ...
-
地面にそって生え、3月頃に紫の花を咲かせるキランソウ(金瘡小草)
キランソウ(金瘡小草)、別名ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)は、草丈が低く、地面のそうように生え、3月に紫いろの小さな花を咲かせます。よく見る野草ですが、薬効が高く、民間薬として使われてきたため、イ ...
-
地面を覆って広がり、たくさんの白い花を咲かせるヒメイワダレソウ(リッピア)
ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)は、南アメリカ原産のクマツヅラ科イワダレソウ属の多年草で、地面を覆うように茎がのび、節で根をだして広がります。日本在来のイワダレソウの近縁種で、よくにた白く小さな唇形花を咲 ...