セイヨウジュウニヒトエ、ジュウニヒトエやキランソウとの違い

2021年4月15日

セイヨウジュウニ.ヒトエj

セイヨウジュウニヒトエは、4~6月ごろに、青紫色〜白色の唇形花を穂状につけます。ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、観賞用に移入されましたが、いまは、野生化が進んでいます。ここでは、日本原産のジュウニヒトエやキランソウとの違いについてもまとめました。

セイヨウジュウニヒトエ、ジュウニヒトエやキランソウとの違い

セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)

セイヨウジュウニヒトエの青紫の花

野原で咲くセイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単衣、アジュガ)

野原で咲くセイヨウジュウニヒトエ

近くの野原で咲いていた、セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)です。

流通している品種は、アジュガと呼ばれるのが一般的のようですが、北ヨーロッパ原産の多年性の栽培品種です。

写真の花は、きれいな青紫色ですが、花のいろは、他には、青、桃、白などがあります。

栽培品種として輸入されましたが、いまは野生化が進んでいるようです。

つぎの項で書いた、日本原産のジュウニヒトエ(十二単)によくにており、

ヨーロッパ原産であることから、セイヨウジュウニヒトエと名前がつけられました。

ジュウニヒトエは、公家の女性の装束である十二単のことですが、たくさんの花が連なって咲く様子からつけられたようです。

花言葉は、「強い友情」「心休まる家庭」で、4月26日の誕生花です

「強い友情」は、連なって咲くたくさんの小さな紫色の花が、手を取り合っているようにみえるとしてつけられたといわれます。

草の中のセイヨウジュウニヒトエ(アジュガ)

草の中のセイヨウジュウニヒトエ

ここのセイヨウジュウニヒトエは、植えられたもののようですが、近くの雑草の中でも生えていました。

根元から延びた草丈15cmくらいの茎に、花が花柄がなくつく穂状花序(スイジョウカジョ)で、たくさんの花をつけています。

また、セイヨウジュウニヒトエは匍匐性があり、茎を地上に伸ばして節から根を出し、新しい個体を形成して広がります。

このため、ツルジュウニヒトエとも呼ばれます。

近くで見たセイヨウジュウニヒトエ(アジュガ)

近くで見たセイヨウジュウニヒトエ

セイヨウジュウニヒトエの花は、シソ科特有の花で、上唇が2裂、下唇は3裂した唇形花(シンケイカ)になっています。

なお、この写真では、ツボミに白い毛がついていますが、茎や葉には見られません。

この記事で取り上げる3種類の花は、みんな、シソ科のキランソウ属なので、花の形はよく似ています。

人形のような形をしているところが面白いと思います。

セイヨウジュウニヒトエの基本情報・花言葉

セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)は、北ヨーロッパ原産の園芸用の草花で、シソ科キランソウ属の多年草です。

当初は、園芸用に輸入されましたが、1970年ごろから野生化が見られるようになったとされます。

別名は、アジュガ、ツルジュウニヒトエ (蔓十二単) 、セイヨウキランソウ (西洋金瘡小草)、ヨウシュジュウニヒトエ (洋種十二単) など。

園芸品種で流通しているものは、アシュガと呼ばれることが多いようです。

また、セイヨウジュウニヒトエは匍匐性で、ランナーを伸ばして増えるので、ツルジュウニヒトエとも呼ばれます。(ジュウニヒトエは匍匐性では、ありません。)

学名は、Ajuga reptans

英名は、Blue bugle、 Bugleweed、 Common bugle、bugleなど

花期は4~6月で、長さ1cmほどの青紫色〜白色の唇形花を3〜10個、15cmほどの穂状になってつけます。

花の色は青、紫、桃、白などたくさんの種類があります。

葉はロゼット状につき、倒卵形~長楕円形で基部は狭くなり、長い葉柄があります。

葉の縁には、先がまるい波状の大きな歯牙があります。

茎の断面は4角形で、匍匐茎(地上を這って伸びる茎)で広がるとともに、節から発根して増えます。

草丈は15cmくらいです。

セイヨウジュウニヒトエ(アジュガ)の花言葉は、「強い友情」「心休まる家庭」で、4月26日の誕生花です

「強い友情」は、連なって咲くたくさんの小さな紫色の花が、手を取り合っているようにみえるとしてつけられたといわれます。

ジュウニヒトエ(十二単)

ジュウニヒトエの花

ジュウニヒトエの花と葉

ジュウニヒトエの花と葉

セイヨウジュウニヒトエの名前のもとになった、日本原産のジュウニヒトエの花です。

セイヨウジュウニヒトエとよく似ていますが、花の色が白っぽいことと、

花の付き方が、花が花柄を介して茎につく総状花序(ソウジョウカジョ)なので、微妙に違います。

ジュウニヒトエの花

ジュウニヒトエの花

総状花序で、花は花柄を介して茎につきますが、

花は、上唇が2裂、下唇は3裂した唇形花(シンケイカ)で、セイヨウジュウニヒトエやキランソウと同じ形をしています。

ジュウニヒトエの基本情報・花言葉

ジュウニヒトエは、日本原産で、本州、四国に自生するとされるシソ科キランソウ属の多年草です。

名前は、花が連なって多段につく様子から、ジュウニヒトエと名づけられました。

学名は、Ajuga nipponensis

花期は4~5月で、白いいろの唇形で、茎の上部に5~10段になって長さ4~8cmの花穂をつけ、花軸のまわりに輪生します。

花冠は長さ9mmほどで、上唇は小さく浅く2裂し、下唇は大きく3裂してます。

葉は、基部は2~3対の鱗片状の葉がつき、茎の中部以上の葉はの2~4対で大きくなります。

形は、さじ状から倒卵状長楕円形で、長さ3~5cm 幅1.5~3cmで、白がかった緑になり、縁には粗い波状の鈍鋸歯がつきます。

茎は数本立ち、草丈は10~25cmになります。

ジュウニヒトエの花言葉は、「強い結びつき」で、4月26日の誕生花です

キランソウ(金瘡小草)

キランソウの花

地面に這うようなキランソウ

地面に這うようなキランソウ

こちらが地面に沿って生えたキランソウです。

キランソウ(金瘡小草)も同じような花をつけますが、こちらは、茎が伸ず、根出葉だけになっている点が、いままでの花と違います。

春の早い時期に、地面にそって紫の花を咲かせるのが特徴です。

写真のように、花の形は、他と同じように、上唇が2裂、下唇は3裂した唇形花(シンケイカ)です。

キランソウの花

キランソウの花

昔から、薬効があるとされ、ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)やイシャイラズ(医者いらず)などの別名がつけられています。

なお、キランソウ(金瘡小草)については、記事にしていますので、詳しくはこちらをご覧ください。

キランソウ
地面にそって生え、3月頃に紫の花を咲かせるキランソウ(金瘡小草)

キランソウ(金瘡小草)、別名ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)は、草丈が低く、地面のそうように生え、3月に紫いろの小さな花を咲かせます。よく見る野草ですが、薬効が高く、民間薬として使われてきたため、イ ...

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キランソウの基本情報・花言葉

キランソウは漢字で「金瘡小草」と書かれますが、「金瘡(キンソウ)」は、切り傷の治療法などの意味があり、

キランソウの名前は、この薬効にちなんでつけられました。

別名は、ジゴクノカマノフタ、イシャイラズなど。

前者は、薬草がよく効くので、地獄の窯に落ちるのを防ぐ蓋のようだとしてこの名がつけられました。

イシャイラズは、名前の通り、この植物が医者にかからずに済むという意味でつけられています。

学名は、Ajuga decumbens

花期は3~5月で、茎の先端近くの葉の付け根に濃紫色の小花を数個つけます。

花の直径は5 ~ 10mmの唇形花です。

詳しくは、「キランソウ(金瘡小草)の花も咲いています」。

キランソウの花言葉は、「追憶の日々」「あなたを待っています」で、5月24日の誕生花です

セイヨウジュウニヒトエ、ジュウニヒトエ、キランソウの違い  ~まとめ~

セイヨウジュウニヒトエは、同じシソ科のジュウニヒトエやキランソウとよくにた唇形花を咲かせます。

ここでは、それぞれの違いを一覧表にまとめました。花の色、茎や葉などの毛の付き方、匍匐性の有無、草丈などが見分けのポイントになるだろうと思います。

セイヨウジュウニヒトエ、ジュウニヒトエ、キランソウとの違い
セイヨウジュウニヒトエ ジュウニヒトエ キランソウ
花期 4~6月 4~5月 3~5月
花の色 青、紫、桃、白 紫白色 濃紫色
花序の付き方 穂状花序 総状花序 穂状花序
茎や葉などの毛 毛がほとんどない 全体に毛がある 全体に毛がある
葉の付き方 ロゼット状、対生 対生 ロゼット状の根葉性
匍匐性の有無 匍匐性 匍匐しない 匍匐性
草丈 15cm 10~25cm 5~10cm

参照サイト

Wikipedia キランソウ属 キランソウ

ガーデニングの図鑑 アジュガの育て方

松江の花図鑑 セイヨウジュウニヒトエ

EVERGREEN  セイヨウジュウニヒトエ ジュウニヒトエ

花言葉-由来 アジュガ

灯台もと暮らし 十二単

花言葉事典 キランソウ



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