6月になり、ウツギ(空木、別名:卯の花)の白い花や、ヤブウツギ(藪空木)の赤い花がきれいです。ウツギは、茎の中が空である樹のことを表し、ヤブウツギは枝葉が藪のように茂るウツギであることを意味します。この2種類のウツギの花や樹について書きました。
ウツギ(空木、別名:卯の花)の白い花と、ヤブウツギ(藪空木)の赤い花
ウツギ(空木)の白い花
ウツギ(空木)の名前の由来は、茎の中が空になっていることによると言われ、別名ウノハナ(卯月に花が咲くことから)と呼ばれます。アジサイ科ウツギ属の落葉低木です。 仲間に、コウツギがありますが、厳密に確認していませんので、写真はコウツギの可能性があります。 当地では、国道沿いの山側の切り立った場所などにあちこちに群生しているのが見られ、株立した樹の枝先が垂れ下がり、その枝にたくさんの花が咲いています。 真っ白な花が、一面に咲き乱れている様子は遠くからでも良くわかります。そして近づいてみると一花一花が綺麗で、花粉の香りが半端ない強さです。 この花にも、もちろんたくさんの昆虫が集まっています。 この写真を撮ったときは、少し咲き始めていますが、大部分は蕾の状態でした。 まるで、たくさんの丸いボールがはずんでいるようす。花を探していたのですが、蕾もいいですね。 この時期の植物は変化が速いので、良く見ていないと撮る時期をを逃してしまいますが、あとで、花も撮ることができました。
満開に咲いたウツギ
ヤブウツギ(藪空木)の赤い花
ヤブウツギ(藪空木)は、スイカズラ科スイカズラ属の落葉小高木で、本州の山梨県以西の太平洋側と四国に分布します。 名前に「ウツギ」とつきますが、先に書いたウツギとは違う種類になります。 「ウツギ」とつけられたのは、茎などが中空になっていることを意味しており、樹の種類とは関係がないようです。 名前に「ウツギ」とついた樹については、つぎの章をご覧ください。 この時期は、山では白い花が多く、赤い花は少ないようです。たくさんの花が咲いていますが、これから咲こうとしている蕾もあって、綺麗です。 花は、白い雌しべが長く伸び、その先に柱頭がついていることがわかります。 ここは、山の中では比較的日当たりのいい場所ですが、半日陰になっているようですが、枝がまっすぐによく伸び、枝全体に花がついています。 切り花にしてもよさそうです。 周りを見ると近くにも、ヤブウツギの樹がいくつか生えていました。 いずれも、林道工事をした時の石垣で育っています。鹿に食べられる植物は、鹿が来ないところで生き残って元気に生き抜いているようです。 機会があれば生息地を広げようとチャンスを伺っているに違いないと思うのですが、どうでしょう。
鹿に枝先を食べられた樹