イタドリは、7~10月ごろから小さな白い花を咲かせ、11月近くになって、3枚の羽根に黒い種をつけた実に変化します。そして、風によって遠くへ飛ばされ、春になると、あちこちから芽を出します。イタドリは、日本全土に分布するタデ科の多年草で雌雄異株です。
イタドリの白い花と黒い種
イタドリの白い花

大きく育ったイタドリに咲く花
イタドリは、写真のようにたくさんの花をつけ、できた種が風で散布されるので、あちこちで生えているのを見かけます。
そして、この間まで咲いていた花が、いまは種にかわってきています。
イタドリは、背丈が1.5~2mほどに育つタデ科の多年草で、雌雄異株。全国の野山でよくみられます。
名前は、若芽を揉んで傷口につけると痛みがとれることから、痛(イタ)みをとる(トル)として、名づけられたそうです。
このため、イタドリの花言葉は「回復」です。
いまのようないい薬がなかった時代には、このような植物は貴重だったのでしょうね。
虎杖と書かれるのは、イタドリの古くなった茎が杖に使われ、茎に虎を連想させる縞模様がつくことよります。
イタドリは、地方によってスカンポ、スイバなどと、いろんな呼び方をされるようですが、
当地では、ゴンパチなどともよばれます。 (^-^ )

花序になって咲くイタドリの白い花
イタドリの花は、7月頃から10月頃まで咲きますが、
写真のように円錐花序になって、小さな花をたくさん咲かせます。

イタドリの花
この時期には、あちこちの野原や道端などで咲いているのを良く見かけますが、
白い小さな花をたくさんつけるので、遠くからでもよくわかります。
マクロで撮ってみました。

近くで見たイタドリの花
花が終わると、そのあとに種をつけ始めます。
イタドリの黒い種

イタドリの黒い種
10月頃になると、黒い種に羽根をつけた実がつきます。
実も花と同様に白いため、遠目からもよく目立ちます。

近くで見たイタドリの種
種は、薄い3枚の羽根のような外皮で包まれており、風で飛ばされやすくなっています。 (^_^)
イタドリの花と実をアップで撮ったのが、つぎの写真です。

イタドリの花と種
先ほど見た写真ですが、この花が、種にかわります。
左上に羽根をつけた種が見えますね。
下から見た写真なので、横からの写真とは印象が違いますが、黒く見えているのが種のようです。
多年草のため、いま種を付けている株はそのまま残りますが、たくさんの種を風で散布するので、よく増えます。
イタドリが生えている場所

岩場で生えたイタドリ
当地では、動物が行き来きする平地では、鹿などに食べられるためほとんどは見られませんが、このような場所で生き残っています。
ここでは根をあまり張ることができないからでしょうか、太いイタドリはあまりみられないようです。

イタドリの若芽
イタドリは、写真のような新芽や茎を山菜として食べます。
子供の頃は、茎の部分の皮を剥いて生のままで良く食べました。
美味しいというほどではありませんが、酸っぱい味がしてぽりぽりとした食感です。
茎の太いものが採れた時は、さっと茹でて皮を剥(ム)き、炒め物や煮物などで食べます。皮を剥いたものを、冷凍や塩漬けで保存する人もおられるようです。
イタドリは、あまり煮す過ぎるととろけてしまうので、煮すぎないように注意します。
また、イタドリは、たくさんの種を落とすので、道路沿いのコンクリートの割れ目などから、たくさん生えているのを見かけます。

道路沿いのイタドリ
ここではご覧のように、イタドリがずっと遠くまで続いて生えています。
道路を挟んだ山側にイタドリの花がたくさん咲いているので、そこから飛んできたんだろうと思います。
イタドリは、このように繁殖力が旺盛なため、世界の侵略的外来ワースト100に指定されています。ヽ('ー`)ノ

道路そばで育ったイタドリ
道路の近くに生えたいたダリですが、土壌が肥えているので、根をしっかり張ることができ、大きく育っています。
山菜として収穫できるような太いイタドリは、このような場所で、しっかり育ったものになります。
イタドリの基本情報・花言葉
イタドリ(虎杖)は東アジア原産で、中国、朝鮮半島、台湾や日本の北海道から奄美諸島までに分布する、タデ科の多年草で、雌雄異株です。
イタドリの名前は、若芽が傷薬として使用されてきたため「痛みを取る」とされたことから、「イタドリ」と呼ばれるようになったとのことです。
「虎杖」は、成長して乾燥した茎は比較的丈夫なので杖にも使われることもあり、
生の茎の模様が虎を連想させるとして、つけられたようです。
別名は、スカンポ、ゴンパチ、など地方によっていろんな呼び方をされるようです。
学名は、Fallopia japonica
英名は、Japanese knotweed
草丈は30~150cmくらいで、冬は地上部が枯れ、地下茎で越冬します。
葉は、互生し、広めの卵形で、長さ6 ~15 cm、幅7 ~15 cmほどの大きさです。
花期は7~10月ころで、たくさんの白くて小さな花を円錐花序でつけます。
雌株には、秋に3枚の羽根を持った種をつけます。
イタドリは、春に山菜として食べられますが、民間薬としても利用されてきました。
繁殖力が強いため被害が出ているようで、世界の侵略的外来種ワースト100 に選ばれています。
イタドリの花言葉は、「回復」で、10月5日の誕生花です。
おわりに
山菜として親しまれているイタドリについて、花や種を中心に見てみました。
たくさんの種を落とす多年草ということもあってでしょうか、繁殖力が強いようで、
世界の侵略的外来種ワースト100に入れられています。ちょっと残念な気がしますね。(・_・)
参照サイト
Wikipedia イタドリ 世界の侵略的外来種ワースト100
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