コブシ(辛夷、拳)は、7月末になり、袋果がたくさんついた集合果の実が大きくなり、いろずき始めました。韓国の済州島や日本全土に分布するモクレン科モクレン属の落葉高木です。湿った山地などで自生しますが、街路樹や公園樹として植えられています。
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大きくなってきたコブシ(辛夷、拳)の実
コブシの実

コブシの実
3月に花が咲いたコブシの樹に、変わった形の実がついています。
このような実は、あまり見ることがなく、初めて見たときは「虫こぶ」かと思ったのですが、違いました。
調べたところ、写真はコブシの実で、袋果と呼ばれる球状の実が、たくさん集まった集合果でになり、このような、でこぼこの形になることがわかりました。
いまは、樹のあちこち(葉に隠れてあまり見えませんが)に、5~10cmくらいの長さでついています。
まだ緑が優勢ですが、冒頭の写真のように、かすかに赤みを帯びてきるものも見られます。

樹になったコブシの実(7月30日)
この実は、つぎの写真のように9~10月頃になると熟し、中から赤い種がでてきて、糸を引きながら垂れ下がるとのことです。
このような実の種は、赤くなることが多いのでしょうか。

熟したコブシの実
コブシは、3月初めころにはツボミをつけ、3月中ころに白い花を咲かせる、春の代表的な花です。以下は、そのころのコブシの様子です。
コブシの花・ツボミ

3月に咲いたコブシの花(3月19日)
コブシの花は、葉が出る前にさきます。
直径が6~10cmで、花びらが3枚、萼が3枚の計6枚の白い花で、いい香りがします。
また、花の中心部には、たくさんの雌しべと雄しべがついていています。
つぎの写真は、ツボミから花が咲き始めたころのものですが、
葉がない状態で咲くので、花の美しさが、より目立つように思います。

咲きかけたコブシの花(3月19日)
花が咲く前のツボミは、猫柳の花を思いださせる姿(大きさはこちらのほうが大きいですが、)で、枝の先端についています。
寒い時期から、このような形でツボミをつけ、暖かくなるのを待ち構えているようです。
この姿も、風情があると思います。(#^.^#)

コブシのツボミ(3月3日)
コブシの基本情報・花言葉
コブシ(辛夷、拳)は、韓国の済州島や日本全土に分布するモクレン科モクレン属の落葉高木です。
コブシは湿った山地などで自生するといわれますが、街路樹や公園樹として植えられています。
コブシの名前は、ツボミや集合果のデコボコしている姿が、こどもの握りこぶしににているとして名ずけられたとの説がありますが、定説はないとのことです。
漢字で「辛夷」と書いてコブシと読むのは、花を乾燥させた生薬の名前が「辛夷(シンイ)」であることからの当て字です。
コブシの別名として、ヤマアララギ、コブシハジカミ、タウチザクラなどがあるようです。「タウチザクラ」は、花が咲く時期に稲の苗代や種まきすることに由来するとのことです。
学名は、Magnolia kobus。
英名は、Kobushi magnolia。
花期は3~4月で、葉が出る前に直径6~10cmの、芳香がある白い花を咲かせます。
花被片は、内花被片(花びら)が3枚、外花被片(萼片)が3枚の計6枚になります。雄しべと雌しべは中心部にたくさんつきます。
花の後にできる実は、たくさんの袋果が集まった5~15cmの集合果で、10月頃熟して赤い種が垂れ下がります。
葉は互生し、長さ6~15cm 幅3~6cmの倒卵形で、全縁です。
樹高は5~20m、直径は30~60cmになるといわれますが、樹皮は灰白色で平滑で、皮目が見られます。
コブシの花言葉は、「友情」、「友愛」、「愛らしさ」で、3月8日、3月24日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia コブシ
庭木図鑑 樹木ペディア コブシ
花言葉-由来 コブシ