シャガ(射干)は、コチョウバナ(胡蝶花)とも呼ばれ、4月ごろから、白地に紫と黄のきれいな模様の花を咲かせる一日花です。古い時代に、中国から帰化したアヤメ科の常緑多年草です。近縁種で、薄紫の花のヒメシャガ(姫射干)との違いについてもまとめました。
シャガ(射干)と、ヒメシャガ(姫射干)の違い
シャガ(射干)とヒメシャガ(姫射干)の違い
最初に、シャガとヒメシャガの違いを、一覧表でまとめておきます。
両者の主な違いは、花や草丈の大きさや、花のいろなどになります。
シャガ | ヒメシャガ | |
花期 | 4~5月 | 5~6月 |
花の大きさ | 5~6cm | 4cmほど |
花の色 | 白地に紫と黄の模様 | 薄紫 |
種別 | 常緑多年草 | 葉が枯れる多年草 |
草丈 | 60cm | 30cm以下 |
以下に、シャガとヒメシャガの詳細について述べます。
白地に紫と黄の模様がきれいなシャガ
シャガ(射干、著莪)は、アヤメに似たきれいな花で4~5月に咲きます。
花の大きさは5~6cm、草丈は60cmくらいで、茎から分かれた複数の柄の先に咲き、白の中に、紫と黄色の模様がきれいです。
この花は、朝開いて夕方には萎(シボ)みますが、たくさんついた蕾がつぎつぎに咲きます。
上から見ると華やかさがわかります。白い3枚が、内花被(ナイカヒ)すなわち花びらです。
いっぽう、 幅広に紫で半円が描かれ、その中に黄色い線状の模様が入ったのが外花被(ガイカヒ)すなわち萼(ガク)です。
すこし見づらいのですが、萼の内側にある、白くて先がヒダのように分かれたものが雌しべ(柱頭)の付属物とのことです。
萼には、白地に紫と黄色の模様がついていて、きれいです。この写真では、雌しべ、雄しべ、は隠れています。(>N<)
花の詳しいことは、松江の花図鑑に書かれています。
横から見ると、それぞれの形がもう少しわかります。花びらも萼も、波打っていて、縁に細かな切れ目がはいっています。
そして、中央にある雌しべは上を向いています。
こちらは、萼に描かれた模様です。すべての花の3枚の萼にこのような模様が描かれています。丹念な自然の営みに驚きます。
シャガの群生と茎・葉
日本のシャガは、3倍体の植物なので種子をつけず、地下茎が伸びて、株を増やします。
中国のシャガには2倍体のものがあり、いろんな種類があるようです。
葉は常緑性で、長さ30~60cm 幅2~3.5cmと細長くて扁平で、光沢のある緑色をしています。
そして、地下茎から延びた葉の根元から上に出た茎から、いくつもの柄を出し、その先に花を咲かせています。
たくさんの株が生えているところでは、花も沢山咲いています。
一つ一つの花は小さいのですが、たくさんついているので、賑やかで見栄えがします。
近縁種のヒメシャガ(姫射干)
シャガに似ていますが、全体に小さいことから、ヒメシャガと名づけられました。
シャガが、白地に模様が入っているのに対して、全体が薄紫で、白や黄の模様が入っています。
ヒメシャガの花期は5~6月で、シャガより遅く咲き出します。
花の直径は4cmほどで、花茎に薄紫色の花を2~3個咲かせます。
外花被片の中央は白色く、紫色のすじと黄色の斑紋があり、とさか状の突起が見られます。
花の後につく実は蒴果で、直径8mmの球状になります。
葉は、長さ20~40cm 幅5~15mmと細長く、冬には枯れます。
草丈は30cm以下で、シャガの60cmにくらべて小さくなります。
ヒメシャガ(姫射干)は、北海道西南部以南に分布するアヤメ科アヤメ属の多年草です。
学名は、Iris gracilipes A. Gray
シャガの基本情報・花言葉
シャガは、中国東部やミャンマーが原産で、アヤメ科アヤメ属の常緑多年草です。
日本へは古い時代に帰化したと言われ、本州から九州に分布すると言われます。
シャガ(射干)の名前については、もともと射干はヒオウギを意味する漢名だったとのことですが、音読みしてこの花に用いられるようになったようです。別名は、コチョウカ(胡蝶花)。
学名は、Iris japonica
英名は、Fringed iris、Crested iris
花期は4~5月で、大きさは5~6cm、茎から分かれた複数の柄の先に咲き、白の中に、紫と黄色の模様がついた外花被がきれいです。
花は、白い3枚の内花被(ナイカヒ)すなわち花びらと、幅広で紫に半円が描かれ、その中に黄色い線状の模様が入った外花被(ガイカヒ)すなわち萼(ガク)で構成されています。
この花は、朝開いて夕方には萎(シボ)む、一日花ですが、たくさんついた蕾がつぎつぎに咲きます。
草丈は60cmくらいで、葉は、長30~60cm、幅2~3.5cmと扁平で、光沢のある緑色をしています。
シャガの花言葉は、「反抗」「友人が多い」で、4月27日の誕生花です。
近縁種に、日本固有種で、シャガよりも小さく、5月~6月ごろに紫色の花を咲かせるヒメシャガ(姫射干)があります。
参照サイト
松江の花図鑑 シャガ
日本植物生理学会 みんなの広場 三倍体植物について
花言葉ー由来 シャガ