ヤマブキ(山吹)は、3月末ころから、鮮やかな黄色に花が咲きだします。一重咲きと八重咲きがあり、黄金色と言われる鮮やかな花をつける様子は、人の心を明るくしてくれます。同じバラ科の仲間で、白い花を咲かせるシロヤマブキもあります。
3月末ごろから咲く、一重咲きや八重咲きの鮮やかなヤマブキの黄色い花
一重咲きのヤマブキ

山で咲く一重のヤマブキ
車で走る道路添いの半日陰に咲いているヤマブキをよく見ます。
よく増えるようで、株立ちで大きくなった樹が連らなって生えていて、鮮やかな黄色が、目に飛び込んできます。黄色と書きましたが、お馴染みの山吹色と呼ばれ、オレンジ色と黄色の中間色とのことです。
ヤマブキの名前は、細い枝が風に揺れる様子を「山振り(ヤマブリ)」と呼んでいたものが変化したとする説や、春に黄色い花で山が埋めつくされる様子を「山春黄(ヤマハルキ)」と表現したものが変化したとする説があるようです。
花言葉は、「気品」、「崇高」、「金運」。草木が芽生えてきた時期に端正に咲く、鮮やかな黄金色の花に由来するのだろうと思います、あやかりたいものですね。
ヤマブキは、地下茎を伸ばして細い茎が株立ちし、1~2mほどの高さになりますが、先が垂れさがっていることが多いようです。

ヤマブキの花と葉
一重咲きのヤマブキの花は、直径3~5cm、花びらが5枚で、たくさんの雄しべと5~8個の雌しべをつけます。
葉は互生し、長さが4〜8cm 幅2〜4cm、長い卵形で先端は鋭くとがり、縁には鋸歯があります
八重咲きのヤマブキ

八重咲きのヤマブキ
八重咲きのヤマブキは、一重咲きにくらべて豪華で、栽培品種として作られてきました。なので、一重咲きがの山で自生しているのに対して、民家近くで見られることがほとんどのようです。
また、八重咲のヤマブキは、雌しべが退化しているので、種子をつけません。そのため、増やすのは挿し木や株分けによって行われます。
平安時代に編纂された「後拾遺和歌集」(1086年)に、次の歌が収められており、当時から、種をつけない八重咲きのヤマブキが栽培されていたことがわかるとされます。
「七重八重 花は咲けども 山吹の実の一つだに なきぞ悲しき」
この歌は、太田道灌のヤマブキ伝説の元になったとのことです。
太田道灌が鷹狩りに出かけた時、雨が降ってきたので民家で傘を借りようとしたところ、少女が出てきて傘ではなく八重咲のヤマブキを差し出されたそうです。太田道灌は怒って帰りましたが、その後、この歌を知り、貧乏なので貸す傘もないと言いたかったのを知ったとのことです。意味を知った太田道灌は、自分の不明を恥じ、そのご歌道に励むようになったとのことです。
シロヤマブキ(白山吹)

シロヤマブキの花と葉
シロヤマブキは、ヤマブキとは異なりバラ科シロヤマブキ属に属します。
学名は、Rhodotypos scandens
花期は4~5月で、花の直径は3~4cm、花弁が5枚あり、一つの花に4個の実をつけます。
葉は長さ5~10cm、幅2~5cm、茎に対生し、形は卵形で先がとがり、縁には鋭い鋸歯(きょし)があります。
シロヤマブキの高さは1~2m。
シロヤマブキの花言葉は、「細心の注意」、「気品」、「崇高」で、5月20日が誕生花です。
ヤマブキの基本情報・花言葉
ヤマブキは、中国、日本の北海道から九州に分布するバラ科ヤマブキ科の落葉低木です。
ヤマブキの名前の由来には、以下の説があります。
和名の「山吹(ヤマブキ)」は、細くしなやかな枝が風に揺れる様子から「山振り(やまぶり)」と呼ばれ、それが転訛したものといわれます。また、春になると黄色い花で山が埋めつくされるさまの「山春黄(やまはるき)」が変化したという説もあります。
学名は、Kerria japonica
英名は、Japanese kerria
ヤマブキの花期は4~5月で、新しく出た枝の先端に鮮やかな黄色の花を咲かせます。花の直径は4~5cmで、花びらは5枚で倒卵形です。雄しべがたくさん着き、花柱は5~8本になります。
実は痩果(ソウカ)で、長さ約4mmの広楕円形で、1〜5個集まってつき、9月頃に黒っぽく熟します。
葉は互生し、長さ4〜8cm 幅2〜4cmの倒卵形で、先端は鋭く尖り、縁には重鋸歯があります。
樹高は1~2mで、株立ちします。
ヤマブキの花言葉は、「気品」、「崇高」、「金運」で、3月28日、5月4日の誕生花です。
なかなかいい花言葉ですね。ヤマブキが好きになりそうです。 \(^W^)/
おわりに
いま、ヤマブキの花がきれいに咲いています。
山吹色は、オレンジ色と黄色の中間色だそうですが、時代劇で聞く「山吹色の小判」との表現もあり、お近づきになりたい、縁起のいい色でもあるようですね。
参照サイト
松江の花図鑑 ヤマブキ
みんなの趣味の園芸 ヤマブキ
花言葉-由来 ヤマブキ