早春を彩るフクジュソウ(福寿草)

2024年2月22日

フクジュソウ

早春に綺麗な黄いろい花を咲かせるフクジュソウは、日本固有種で北海道から九州に分布するキンポウゲ科の多年草です。幸福と長寿を表す名前がつけられ、縁起のいい植物として親しまれています。

早春を彩るフクジュソウ(福寿草)

フクジュソウの黄色い花

フクジュソウの花

フクジュソウの花

2月中旬を過ぎ、雨の中でフクジュソウ(福寿草)が咲き出しました。

春には黄色い花が多いと言われますが、

ロウバイオウバイに続き、待ちかねたように鮮やかな黄いろで咲きました。

2月は旧暦の正月にあたり、このころに咲くので縁起がいいとされ、

幸福と長寿の文字をとって福寿草とつけられたと言われます。

フクジュソウは日本固有種で有毒植物ですが、北海道から九州に自生し、

3種類の仲間がいます。(詳しくは基本情報を参照ください。)

別名は、エダウチフクジュソウ。

ガンジツソウ(元日草)や「ツイタチソウ(朔日草)」とも呼ばれます。

茎が10cmほどに伸び、葉が出る前の茎の先端に、直径3~4cmほどの花を咲かせています。

花の周囲には11~15枚の花びらをつけ、中心部にたくさんの雄しべと雌しべが見られます。

この間までは、根からツボミだけ顔を出していましたが、

茎を伸ばしながら咲いてきたようです。

先の写真は、日がよく当たった時のもので、花がよく開いていますが、

日が陰ると花を閉じる性質があり、つぎの写真のように閉じてしまいます。

花が閉じたフクジュソウ

花が閉じたフクジュソウ

夕暮れや夜間にも閉じますが、暗闇でも気温が15~20℃になると完全に開くと言われます。

つまり、光に対応して動作するのではなく、温度を感じて開閉するようです。

つぎの写真は、素材サイトから借用したものですが、

雪の中で、開ききらずに咲いています。

雪から顔を出した花

雪から顔を出した花

真っ白な中で咲くので、いっそう黄いろが引き立って見え、春の伊吹を感じますね。

このように、フクジュソウは雪の中でも咲く、貴重な花だと思います。

また、条件が良ければ、根が伸びて増え、群生します。

たくさんで咲く花たち

たくさんで咲く花たち

花が咲いたあとに、葉を伸ばして育ち、晩春になると枯れて秋まで休眠しますが、

年月をかけて、このようにたくさん咲くフクジュソウは見事ですね。

花言葉は、「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」で、

1月1日、1月3日、1月4日、1月12日、2月26日、4月6日の誕生花です

「幸せを招く」「永久の幸福」は、日本の花言葉で、縁起がいい花であることに由来し、

「悲しき思い出」は、西洋の花言葉で、ギリシャ神話における悲劇の少年アドニスに由来します。

フクジュソウの葉、茎

フクジュソウの葉

フクジュソウの葉

フクジュソウは、花が終わった後に、写真のような葉を伸ばして育ちます。

人参やヨモギのような葉で、3~4回羽状複葉で茎に互生し、小葉は広卵形で大きく裂けています

ツボミがフキノトウに似ているため、間違って食べることもあると言われますが、

フクジュソウは有毒植物なので、嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺になり、

重症な場合は死亡することもあるので、気を付けないといけません。

枝の先に咲くフクジュソウ

枝の先に咲くフクジュソウ

左は、花が終わったあとの茎で、葉が伸びてきています。

中央は茎が分かれて伸び、その先に花がさいており、

右端は、茎が短く花が咲き始めたところで、これから伸びてくるところです。

冬に鮮やかな黄いろい花をさかせて賑わせ、その後葉を伸ばして育ち、春の終わりに枯れるフクジュソウ、我が道をいく生き方のようですね。

フクジュソウの基本情報・花言葉

フクジュソウは、北海道から本州、九州に自生するキンポウゲ科フクジュソウ属の多年草で、日本固有種です。

江戸時代には春一番の旧暦の正月(2月)に黄金色の花が咲くことから、

「福告ぐ草(フクツグソウ)」と呼ばれていましたが、

ゴロが良くないとして、福寿草と呼ばれるようになったと言われます。

ツボミはフキノトウににており、葉はニンジンやヨモギににていますが、

有毒植物なので注意が必要です。

別名は、エダウチフクジュソウ。

また、旧暦の正月に咲くことから、「ガンジツソウ(元日草)」や「ツイタチソウ(朔日草)」とも呼ばれます。

なお、日本のフクジュソウの仲間はフクジュソウ以外に、以下の種類あります。

北海道東部のみに自生するキタミフクジュソウ

東北から九州に自生するミチノクフクジュソウ

四国及び九州に自生するシコクフクジュソウ、があります。

学名は、Adonis ramosa

「Adonis 」は、ギリシャ神話で猪に殺された少年アドニスの名前に由来し、

ramosa」は、ラテン語で「枝分かれした」という意味があります。

英名は、forked-stem adonis

「forked-stem」は、枝分かれした茎を意味します。

花期は2~4月、枝の先に直径3~4cmほどの黄色い花を咲かせます。

花弁は11~15枚、萼片は5~8枚で、たくさんの雄しべと雌しべをつけます。

葉はほぼ無毛で互生し、3~4回羽状複葉になり、小葉は広卵形で大きく裂けます。

草丈は10~30cmほどで、茎は中実で直立し、茎の根元から分岐します。

花言葉は、「幸せを招く」「永久の幸福」「悲しき思い出」で、

1月1日、1月3日、1月4日、1月12日、2月26日、4月6日の誕生花です

「幸せを招く」「永久の幸福」は、日本の花言葉で、縁起がいい花であることに、

また、「悲しき思い出」は、西洋の花言葉で、アドニスの名前に由来します。

参照サイト・書籍

Wikipedia フクジュソウ

三河の植物観察 フクジュソウ

みんなの趣味の園芸 フクジュソウ

日本薬学会 フクジュソウ

花言葉-由来 フクジュソウ

高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・山野図鑑

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