空き地や高速道路の斜面などでよく見かけるクズ(葛)にも花が咲いています。
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クズ(葛)

クズは日本全国に分布するつる性の多年草で、空き地や道路の土手などで、良くみかけます。
花は8~9月ころに、総状花序で上向きにつきます。個々の花は、紫や紺いろの蝶形花となります。
普段あまり見ない花ですが、きれいな花です。匂いもいいようです。蔓の中に隠れていることが多いので、近くでみる機会も少ないですね。
また、クズ(葛)の花は、山上億良によって万葉集において、「秋の七種」一つとして、次のように歌われています。
萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花また藤袴 朝貌(あさがお)の花 (⌒_⌒)
蔓には細かい毛が生えおり、長さがは10m以上に伸びる繁殖力の旺盛な植物です。
繊維質で丈夫なため、古代から布を作り、衣服として利用されたようです。

葉は、長い葉柄をもった3出複葉で、互生します。そして、葉の裏側は、白い毛が蜜に生えています。
クズが成長して蔓が伸びると、たくさんの葉で覆われるようになり、よく目立ちます。


このような風景、良くみかけることがあるのではないでしょうか。
樹やフェンスなどに巻き付かれていて、切ってもすぐに伸びてくるので、なかなか取り除くことができず、やっかいです。
ヽ('ー`)ノ
最後に根について、根は長芋状で長さ1.5m、直径20cmほどの大きさまで成長します。

クズの根は、食用として利用されてきました。根にはデンプンが含まれるため、葛粉(クズコ)として使われてきました。
根には、繊維が含まれるため、冬季に掘り起こした根を砕いて繊維を取り除いたものが、葛粉(クズコ)です。

写真は、我が家で買った葛粉です。
葛粉を湯に溶かしたものを、葛湯と呼びそのまま食べたり、料理や和菓子などに利用されます。 (^.^)
根は葛根と呼ばれ、風邪薬にされていることは、ご存じのとおりです。
クズは、いままでみてきたように有用ですが、繁殖力が強いため拡散が早く、他の植物を駆逐する場合があります。
このため、海外では「世界の侵略的外来種ワースト100」に入れられています。 (;_・)
繁殖力が強すぎるのも、考え物ですね。人々の暮らしが昔と違ってしまい、利用する場面が少なくなっている一方で、害になることが多くなってしまっているんですね。
葛の花言葉は、「活力」、「芯の強さ」、「治癒」、「思慮深い」、「根気」、「努力」、「恋のため息」。
おわりに
クズ(葛)は、古代から日本人に親しまれ、利用されてきました。ところが、いまは繁殖力が旺盛なことが災いして、厄介者になっています。時代によって、評価も変わるんですね。
参照サイト
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