ヤブラン(藪蘭)とジャノヒゲ(蛇の髭)の違い

2020年9月2日

ヤブラン

ヤブランとジャノヒゲは、どちらも地面から細長い葉を茂らせる多年草でよくにており、混同しがちです。両者の主な違いは、ヤブランの花は紫、実は黒、葉の幅は約7mmで、ジャノヒゲは花は白、実は黒、実は青、葉の幅は3mmなどになります。

ヤブラン(藪蘭)とジャノヒゲ(蛇の髭)の違い

ヤブラン(藪蘭)の花と実

ヤブランの花

ヤブラン(藪蘭)の花

ヤブラン(藪蘭)の花

ヤブ(藪)に生え、葉の形がラン(蘭)ににているとして名づけられたヤブラン(藪蘭)は、日本全土に分布し、よく見かけます。

名前にランとつきますが、ランの仲間ではなく、キジカクシ(クサスギカズラ)科に分類されます。

実(本当は種子)は、秋に黒く熟しますが、

花は、7月ごろから写真のように紫の穂状花序(スイジョウカジョ)になってたくさん咲きます。

写真のように、何本もの紫の花序が葉の中心部からでて、ひとの目を引き付けます。(^_^)

ヤブランによくにた草花に、ヒメヤブランやルツボがあります。

記事にしていますので、ご興味をお持ちでしたら、関連投稿をご覧ください。

花序には、最初はたくさんの丸い小さな球状の蕾(ツボミ)だけがついていますが、

やがて、その一つ一つに花を咲かせます。

ヤブラン(藪蘭)の花

たくさん咲くヤブラン(藪蘭)の花

たくさんの蕾(ツボミ)が密にくっついているので、咲いた花も窮屈そうに見えます。

花が開いているものもあれば、蕾の状態のものもあるようですね。

ヤブラン(藪蘭)の花

ヤブラン(藪蘭)の花

花の直径は7mmほどで、花被片が楕円形で6枚つき、雄しべは6本、雌しべは1本になります。

ヤブラン(藪蘭)の花言葉は、隠された心」「忍耐」で、10月26日の誕生花です

「隠された心」は、密についた長い葉の中で、隠れるように花が咲くことに由来し、

薄暗い場所でも丈夫に育つことから、「忍耐」とつけられたといわれます。

ヤブランには、葉の斑が入ったヤブランもあり、

庭に植えられているのを見かけます。

斑入りヤブラン

斑入りヤブラン

こちらは、近所のアパートで撮らせてもらったものですが、

緑の葉の両側が白くなっており、葉自体もきれいですね。

園芸品種だと思いますが、花は普通のヤブランと同じような紫色です。

花、実、葉も楽しめるので、栽培するのにはこの種類もいいかもしれませんね。

斑入りヤブランの詳細については、こちらに詳しく書かれています。

8月末ごろまでは、綺麗な花を咲かせますが、9月になると実をつけはじめます

ヤブランの黒い実(種)

ヤブラン(藪蘭)の実

ヤブラン(藪蘭)の実(種子)

実をつけ始めたころは、こんな感じです。

あまりきれいではありませんが、花はなくなり、その後に、薄緑色の丸い球がついています。

この球は、実のように見えますが、ヤブランの場合は、種子なのだそうです。

実は落ちてしまし、種がむき出しになる変わった性質を持っているとのことです。(Wikipediaより)

花から種に変化するところは、きれいとはいえませんが、ヤブランにとっては、大切な営みなのだろうと思います。

ヤブランの実(11月)

ヤブランの実(11月)

やがて、緑の球はやがて、写真のようにたくさんの綺麗な黒い種子だけになります。

光沢のある真っ黒な種も独特の姿できれいだと思います。いかがでしょうか。

大きさは直径5mmほどで、この実は鳥なども食べるようです。

ヤブランの基本情報・花言葉

ヤブランは、東アジアに分布し、日本全土で生えるキジカクシ科ヤブラン属の多年草です。

ヤブランの名前は、藪ではえ、葉がランのような形をしていることに由来します。

別名は、リリオぺ、サマームスカリ、プラティフィルラ。

学名は、Liriope muscari

英名は、liriope、border grass、lily turf

花期は7~10月ころで、葉の間から30~50cmほどのたくさんの花茎をだし、

先端に紫色で8~12cmの穂状花序(スイジョウカジョ)をつけます。

個々の花の直径は7mmほど。

種は直径が6~7mmの球状で、時間が経過すると、皮が脱落し、黒く成熟します。

葉は根生し、長さ30〜60cm、幅0.8〜1.2cmと細長く、細かな鋸歯があります。

花言葉は、隠された心」「忍耐」で、10月26日の誕生花です

「隠された心」は、密についた長い葉の中で、隠れるように咲く花にちなみ、

薄暗い場所でも丈夫に育つことから、「忍耐」とつけられたと言われます。

ジャノヒゲ(蛇の髭)

ヤブラン(藪蘭)に似た植物にジャノヒゲ(蛇の髭)があります。別名は、リュウノヒゲ(竜の髭)、ネコダマ(猫玉)。

花はヤブラン(藪蘭)に似ていますが、色が白く、花茎の上にややまばらな総状花序でさきます。

ジャノヒゲの葉(ヤブランとの比較)

また、ヤブラン(藪蘭)に較べて、葉は細く、実は青くなります。

ヤブランとジャノヒゲの葉

ヤブランとジャノヒゲの葉

ヤブランとジャノヒゲの葉を較べてみました。

写真の、右がヤブランで、幅は約7mm、左がジャノヒゲで幅は、約3mmです。

花や実がついていない時期には、葉の幅の違いで判断することになるかと思います。

ジャノヒゲの葉

ジャノヒゲの葉

また、ジャノヒゲはこの写真のようにたくさんの葉が大きな株になって生えていることが多いようです。

ヤブランと見較べると違いがわかるかと思います。

ジャノヒゲの花

ジャノヒゲの花

ジャノヒゲの花

ジャノヒゲの花は、葉に隠れていることが多いので見かけることは少ないのですが、

長さ7~18cmほどの花茎の先に、総状花序で、淡紫色または白色の小さい花を複数個咲かせます。

花の大きさは、直径7~8mmほどですが、写真のように、下を向いて咲きます。

ジャノヒゲの青い実

花や実は、この葉に隠れて見えなくなっていることが多いようです。

私も、葉をかき分けることで、やっと青い実を見ることができました。(^⊆^)

ジャノヒゲの実

ジャノヒゲの実

ジャノヒゲの実は、ヤブランの実に較べて、数は少ないのですが、大きめの実でした。

ジャノヒゲの基本情報・花言葉

ジャノヒゲ(蛇の髭)は、東アジアからフィリピンや、日本の北海道から九州に広く分布する、キジカクシ科ジャノヒゲ属の常緑多年草です。

ジャノヒゲの葉が、能面で老人の面である「尉(じょう)の面」の顎鬚(あごひげ)、ににているとしてジョウノヒゲと呼ばれていたものが変化してジャノヒゲの名になったと言われます。

古名は「ヤマスゲ(山菅)」で、奈良時代の『万葉集』の歌にも詠まれています。

別名は、葉を蛇や龍ににているとして、リュウノヒゲ(龍の鬚/竜の鬚)。また、実が猫の目ににているからでしょうか、ネコダマ。

学名は、Ophiopogon japonicus

英名は、Mondo grass、dwarf lilyturf

花期は7 ~ 8月で、高さ7 ~18 cmほどの花茎の先に、総状花序で、淡紫色または白色の小さい花を数個つけます。

花は下に向いて咲き、7~8mmの直径の花がつきます。

また、花の後には、直径約8mmほどの紫の実をつけます。

葉は線形で細長く、長さ10 ~20 cm 幅は2 ~ 3mmになります。

草丈は7 ~15cmで、根は多数のひげ根が生え、大きな株になります。

ジャノヒゲ(蛇の髭)の花言葉は、「変わらぬ思い」「深い思いやり」で、11月17日、11月27日、12月11日の誕生花です。

ヤブラン(藪蘭)とジャノヒゲ(蛇の髭)の違い  ~まとめ~

いままで述べてきた、ヤブランとジャノヒゲの違いを一覧表にまとめました。

一見よくにていますが、実の色や葉の幅の違いから、見分けられると思います。

ヤブランとジャノヒゲの違い
ヤブラン ジャノヒゲ
花の大きさ(mm) 約7 7~8
花の色 淡紫~白
実の色
実の大きさ(mm) 6~7 約8
葉の幅(mm) 8~12 2~3
葉の長さ(cm) 30~60 10~30

参照サイト

Wikipedia ヤブラン ジャノヒゲ

花言葉-由来 ヤブラン

誕プレ情報サイト ジャノヒゲ

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