ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は、6月ごろから総状花序になってたくさんの白い花をさかせ、6月末ごろから、緑いろの実をつけ、秋に黒く熟します。名前は、アメリカ原産の帰化植物で、ゴボウのような大きな根を付けることに由来します。
初夏に白い花が咲き、秋に黒い実をつけるヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウの白い花
7月になり、白い花を咲かせていたヨウシュヤマゴボウに実がつき始めました。
ヨウシュヤマゴボウは有毒植物です。
人が間違って食べて中毒になったことがあるようですので、気をつけましょう。
毒性のためか、鹿などもあまり食べないようですが、秋なると樹皮や葉を食べられているのを、毎年見かけます。
ヨウシュヤマゴボウは多年草なので、秋に枯れても生存には関係ないようです。
株が成長すると、2mほどの高さになりますが、茎の先に総状花序で、たくさんの花を咲かせます。
写真は5月に撮ったものですが、まっすぐ上に伸びた花序に、白い花をたくさんつけています。
近づいて見ると、球状のつぼみがたくさんついています。一番下に咲いた花には、虫が来ているようですね。
もう少し花が咲いたところを撮ったのが、つぎの写真です。
花の直径は7mmほどで、5枚の花びらのように見えるのは萼、
雄しべが11本、雌しべは12本ついています。
特にきれいな花ろは言えませんがが、たくさん咲いているので、見栄えがします。
ヨウシュヤマゴボウの黒い実
花が終わった直後の実は緑色だったのですが、9月には黒くなりかけています。
この写真は、以前のものですが、実は緑と黒が混じっており、
根に近い方から先端に向かって、黒く変化しているのがわかります。
実がついている部分(軸とよぶのでしょうか)が赤くなっていることもあって、綺麗ですね。
この黒い実は、ブルーベリーのようですが、食べてはいけません。
ヨウシュヤマゴボウは多年草なので、冬は枯れてしましますが、春になると、また芽を出します。
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)の基本情報・花言葉
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)は、アメリカ原産のヤマゴボウ科ヤマゴボウ属の多年草です。
明治初期に渡来した帰化植物で、いまは日本全土に分布し、空き地など身近によく見かけますが、
全体にアルカロイドやサポニンを含み、根には硝酸カリウムを含む有毒植物です。
ヨウシュヤマゴボウの名前は、「ヨウシュ」は西洋の種であることを意味し、
「ヤマゴボウ」は、中国原産のヤマゴボウににていることに由来します。
なお、ヤマゴボウも根に硝酸カリウムを含む有毒植物です。
また、「山ゴボウ」の名で、山菜として販売されているものは、モリアザミや、
通常の野菜のゴボウであり、「ヤマゴボウ」ではないとのことです。
別名は、アメリカヤマゴボウ
学名は、Phytolacca americana
英名は、Pokeweed
花期は6~9月で、枝の先に葉に対生して、総状花序で直径5~7mmの白っぽい花をたくさんつけます。
実は直径8mmほどの扁球形の液果で黒紫に熟し、
果期には、花序は垂れ下がります。(ヤマゴボウは直立。)
葉は対生し、長さ10~30cmの卵状楕円形で、先が尖ります。
茎は赤く、草丈は80~100cmになります。
なお、在来種のヤマゴボウはヨウシュヤマゴボウより小振りで、茎は緑色、花序は垂れ下がりません。
花言葉は、「野生」「 元気」「 内縁の妻」で、9月16日の誕生花です。
参照サイト・書籍
厚生労省 自然毒のリスクプロファイル ユウシュヤマゴボウ
松江の花図鑑 ヨウシュヤマゴボウ
LOVEGREEN ヨウシュヤマゴボウ
高村忠彦監修 日本文芸社「季節の野草・山草図鑑」
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