ピンクの唇形花が可愛いホトケノザ(仏の座)

2023年2月17日

ホトケノザ

ホトケノザは、冬から春にかけて、ピンクの花が咲くシソ科の2年草で、花は長さ2cmほどの筒状で、先端が上下に分かれて、可愛く咲く唇形花です。葉は、円形で鋸歯があり、間隔をおいて茎を囲むように対生します。名前は、仏さまが座る蓮華座に由来します。

ピンクの唇形花が可愛いホトケノザ(仏の座)

ホトケノザのピンクの花

ホトケノザの唇形花

上から見たホトケノザの花

こちらは、1月から見かけたホトケノザ(仏の座)の花です。

写真のように、茎についた丸い形の葉の間から飛び出してピンクに咲く健気な花で、シソ科オドリコソウ属の2年草です。

花は、シソ科特有の唇形花で、冒頭の写真のように、花を横から見ると筒状の花びらの先が上下に分かれ、動物が大きな口を開けたようにみえます。

また、つぎの写真のように、上から見ると上唇はピンクの丸い帽子のような形で短い毛がたくさんついており、下唇には白地にいくつもの赤い斑点がみられます。

この花の根元には蜜が蓄えられており、吸うと甘い味がします。こども頃に吸って遊んだ方もおられるのではないでしょうか。

この写真では、長くのびた花茎のさきに赤く丸いツボミがみられますが、いまにも割れて、下唇が飛び出してきそうです。

普段は、遠くから何気なくみる雑草ですが、近よって見ると可愛く、きれいだと思いますが、どうでしょうか。

花言葉は、「調和」「輝く心」で、2月8日の誕生花です

仏さまが蓮華座に座る姿を連想してつけられた花言葉といわれます。

ホトケノザにはこのような可愛い花が咲く開放花と、花が咲かない閉鎖花と呼ばれる花がつきます。

ホトケノザの唇形花

ホトケノザの開放花と閉鎖花

手前に咲く2個の花が開放花で、後方の高い位置の葉の間に見られる赤みを帯びた点々に見えるのが閉鎖花だと思われます。

開放花は、他の花の花粉が雌しべについて受粉する他家受粉になりますが、閉鎖花は、花が開かないツボミのままで自家受粉して結実します。

閉鎖花は、ツボミの中で受粉するため確実に受粉し、同じ遺伝子を引き継ぎます。一方、開放花は、受粉の確立は低くなりますが、遺伝子の多様性が保たれます。

ホトケノザは、このように2種類の受粉方法をとることによって、確実に生き残るとともに、多様な子孫を残す戦略をとっています。

同じように開放花と閉鎖花をつける野草に、ヤブマメがありますが、

どのような過程でこのような戦略をとるようになったのかは、知るべくもありませんが、植物の巧妙な生き方には驚かされます。

なお、お馴染みの春の七草にもホトケノザがありますが、こちらはキク科のコオニタビラコ(小鬼田平子)のことで、この記事の野草とは別の種類になります。

ホトケノザの葉や茎

仏が座る蓮華座が連想される葉

仏の座の丸い葉

写真のように、葉は円形で茎を囲むようについているため、仏さまが座る蓮華座ににているとして、ホトケノザ(仏の座)の名前がつけられました。

昔の人が仏教とのかかわりが深かったことが想像されます。

また、葉が間隔をおいて、数段ついているので、サンカイグサ(三階草)とも呼ばれます。

たくさんのホトケノザ

たくさんのホトケノザの花(2022年1月24日)

日当たりのいい畑の土手で、ホトケノザの群生を見つけました。 

草丈は15cmくらいで、長くのびた茎の先端に葉がつき、そこから伸びた花茎の先に花が咲いています。

大きな口を開けて、あちこちを向いて咲いていて賑やかですが、

よく見ると、花が咲くあたりに赤い点々も見られます。こちらは小さな蕾で、 これが伸び、花が咲くとピンクにかわるようです。

ホトケノザの群生

ホトケノザの群生(2023年2月2日)

別の場所で群生していたホトケノザです。

たくさんの茶色い茎が目立ちますが、断面は四角形で、背の高さを競うように勢いよくのびていて、元気いっぱいのようです。

まだ他に花がない寒い1月から咲いていていますが、よく見ると愛嬌のある元気のいい野草です。

見かけたら、近づいて観察してみてはいかがでしょうか。

ホトケノザの基本情報・花言葉

ホトケノザ(仏の座)は、シソ科オドリコソウ属の2年草で、アジア、ヨーロッパ、アフリカに分布し、日本では本州から沖縄に自生します。

名前は、茎につく葉が、仏さまが座る蓮華座ににているとしてつけられました。 別名は、サンカイグサ(三階草)、ホトケノツヅレ(仏の綴れ)。

サンカイグサは、葉が茎に何段も重なってつくことに由来します。

学名は、Lamium amplexicaule

英名は、Henbit,、Henbit deadnettle

花期は2~5月で、上部の葉腋に長さ2cmほどのピンク(赤紫)の唇形花をつけます。 上唇はかぶと状で短毛が生え、下唇は2裂し濃い紅色の斑点がつきます。

花には、他家受粉する開放花と、つぼみのままで自家受粉で結実する閉鎖花があります。

開放花は、他の花の花粉が雌しべについて受粉する他家受粉になりますが、閉鎖花は、花が開かないツボミのままで自家受粉して結実します。

閉鎖花は、ツボミの中で受粉するため、確実に受粉し、同じ遺伝子を引き継ぎます。一方、開放花は、受粉の確立は低くなりますが、遺伝子の多様性が保たれます。ホトケノザは、このように2種類の受粉方法をとることによって、確実に生き残るとともに、多様な子孫を残す戦略をとっています。

また、白い花をつける、シロバナホトケノザという種類もあります。

葉は対生し、茎に間隔を置いて何段もつき、縁に鈍い鋸歯があります。

下部の葉は、葉枝を持った円形になり、上部では葉枝がなく茎を抱くようにつきます。

草丈は10~30cmで、茎の断面は四角形になります。

なお、春の七草のホトケノザはキク科のコオニタビラコ(小鬼田平子)であり、別の野草になります。

花言葉は、「調和」「輝く心」で、2月8日の誕生花です

仏さまが蓮華座に座る姿を連想してつくられた花言葉といわれます。

参照サイト

Wikipedia ホトケノザ

LOVEGREEN  ホトケノザ

花・花・flora ホトケノザの閉鎖花

花言葉-由来 ホトケノザ



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