イネ科のひっつき虫、ケチヂミザサ(毛縮み笹)の葉や実

2021年10月24日

ケチジミザサ

チヂミザサは、日本全土で見られるイネ科の多年草です。名前は、葉が笹の葉ににていて、縮んだシワがあることに由来します。花は、8~10月に花序になって咲き、秋には、実についた芒(ノギ)に分泌した粘液で動物などにくっついて種子散布されます。

イネ科のひっつき虫、ケチヂミザサ(毛縮み笹)の葉や実

ケチヂミザサの花

チヂミザサの花序

ケチヂミザサの実

ケチヂミザサ(毛縮み笹)の穂が伸びて、まばらな芒(ノギ)が出ています。

同じイネ科のチカラシバとにた感じはしますが、穂も葉もちいさく、控えめです。

チカラシバ
ブラシのようなチカラシバ(力芝)の花序

9月中頃から、チカラシバ(力芝)が花をつけています。長く伸びた茎に、ブラシのような形の花を咲かせるチカラシバは、強く根が張り、葉も硬いため、厄介な雑草です。秋には、種をつけた小さな穂についた毛が、動物 ...

ケチヂミザサの名前は、花軸や葉に毛が多く、葉が笹の葉ににていて、縮んだようなシワがあることに由来します。

写真のように、花序は10~15cmの穂状で、花軸に何段にもわたって、数mmの先が尖った丸みを帯びた小穂(長さは3mmほど)をたくさんつけています。

ケチヂミザサの仲間に、コチヂミザサがありますが、こちらは花軸にたくさんの毛が見られるので、ケチヂミザサだろうと思います。

写真のように、イネ科植物の実の特徴である芒(ノギ)が飛び出しているのが見られます。

実が熟すと小穂は外れやすくなり、芒(ノギ)の先に分泌した粘液で、他のものにくっついて種子散布されます。

つぎの写真は、ケチヂミザサに咲いた白い花です。羽毛状のものが雌しべで、垂れ下がっているのが雄しべのようです。

ケチヂミザサの花

ケチヂミザサの花

ちなみに、コチヂミザサは、花軸に毛が生えていないものを言います。

つぎの写真が、コチヂミザサの花です。

コチヂミザサの花

コチヂミザサの花

ご覧のように、きれいなピンクで、花軸には毛が生えていません。

コチヂミザサについては記事に書いていますので、こちらもご覧ください。

コチヂミザサ
ピンクの花が咲くコチヂミザサ(小縮み笹)、ケチヂミザサとの違い

コチヂミザサは、8~10月ごろに花を咲かせるイネ科の多年草で、日本全土に自生します。近縁種のケチジミザサとよくにた葉をつけ、形は笹ににおり、波打ちます。花序の軸や茎が有毛なケチヂミザサに対して、コチヂ ...

ケチヂミザサは白い花で毛が生えて野生的ですが、コチヂミザサはピンクの花で毛が少なく可愛い感じがします。

ケチヂ三ザサは、つぎの写真のように、草むらでたくさん集まって咲いているのをよく見かけます。

たくさんのチヂミザサ

たくさんのケチヂミザサ

ケチヂミザサの葉・茎

チヂミザサの葉

ケチヂミザサの葉

こちらが、ケチヂミザサの葉です。

葉には葉柄がなく、茎を包むようについていますが、葉や葉鞘に毛がみられ、笹の葉のように長細く波打っています。

このことが、ケチヂミザサの名前の由来です。

野草でこのように葉が波打った形の葉はあまり見かけず、ケチヂミザサや仲間の特徴だと思います。

つぎの写真は、石垣から下に伸びたところの写真です。

チヂミザサの葉と茎

ケチヂミザサの葉と茎

茎の長さは30cmほどになるようですが、地面を這う場合は、節から根を出して茎を地面に固定するとのことです。

こちらは、空中に伸びてしまったので、本来の姿ではなく育っているようです。(^⊆^)

おわりに

この野草も、昔からよく見ていたのですが、名前は知りませんでしたが、名前を知って、なるほどと納得しました。

くっつき虫には、センダングサイノコズチなど、いろいろ手ごわいものがいますが、ケチヂミザサは草丈もそれほど高くないので、くっかれて困った感じはしませんが、小さな動物を狙っているのでしょうか。

野草によって、いろんな生き残り戦略をとっているようで、面白いと思います。

ケチヂミザサの基本情報・花言葉

ケチヂミザサ(毛縮み笹)は、オーストラリアや北半球の温帯や亜熱帯に分布し、日本全土で見られるイネ科チヂミザサ属の多年草です。

名前は、花茎や葉に毛が多く、葉が笹の葉ににていて、縮んだようなシワがあることに由来します。

変種に、チヂミザサ、コチヂミザサ、チャボチヂミザサなどがあります。

学名は、Oplismenus undulatifolius。

英名は、wavy-leaf basket grass。

以下、詳細は、「三河の植物観察」を引用させていただきます。

花期は8~10月で、花序は長さ10~15㎝の穂状で、紫褐色を帯びる。花軸に毛がある。小穂は長さ3~3.8㎜の狭卵形、2小花からなる。第1小花は不完全で、護頴は小穂と同長、短い芒がある。苞頴には長い芒があり、第1苞頴は広披針形、第2苞頴は短く、狭卵形。成熟すると苞頴の芒に粘液が出て衣服にくっつく。茎は長く地表を匍匐し、まばらに節から斜上又は直立して枝を伸ばす。葉舌は短い。葉鞘や葉に毛が多く、基部の膨れた長毛が混ざる。葉は長さ3~7㎝、幅0.8~1.5㎝、形がササに似て、葉が波打つのが特徴である。

チヂミザサの花言葉は、「強い結びつき」

参照サイト

Wikipedia チヂミザサ

三河の植物観察 ケチヂミザサ

クロメダカの気ままな自然観察 チミザサ

FLOWERs チヂミザサ



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