ネナシカズラは、自分では光合成をせず、他の植物に巻き付いて根を入れ、養分を盗って生きている寄生植物です。日本全土に分布するヒルガオ科のつる性の一年草ですが、ここでは、ネナシカズラの生態や花の様子について書きました。
<目次>
植物に寄生して生きるネナシカズラ(根無葛)の白い花
ネナシカズラ(根無葛)の生態

樹に巻き付くネナシカズラ
ネナシカズラって聞いたことありますか?
ネナシカズラは、ヒルガオ科ネナシカズラ属です。一年生のつる性の寄生植物で、東アジアや日本の北海道から沖縄まで全国に分布しています。
寄生植物とは、他の食物に寄生して栄養分を吸収して生きる植物で、寄生根という根を出して他の植物に入り込み、養分を吸収して生きる植物です。 (>◇<)
写真は、家の近くのクワノキに巻き付いているネナシカズラです。茎が長く伸びて、しっかりと樹に巻き付いていますが、この部分から栄養をもらっているようです。茎には毛はなく、点々と紫褐色の斑点がついています。
Wikipediaによると、種子は普通の植物と同じ様に発芽し、初めは根がありますが、数日以内に他の植物に寄生しないと枯れてしまうそうです。そして、寄主にたどり着くと寄生根を出して、寄主に入り込み、養分を吸収するようです。
その後、元の根は無くなってしまい、寄生根だけで生きていくようになります。通常、葉はあまりなく、自分で光合成をせずに寄主の栄養だけでいきているようです。
おそろしいですね。ヽ('ー`)ノ
ネナシカズラ(根無葛)の花

ネナシカズラの花
ネナシカズラの花期は、8~10月です。写真のように鐘状の花が、花序になってたくさんついています。このため、実もたくさんつき、多くの種を落とすようです。

拡大したネナカズラの花
写真のように、花は白くて鐘形で長さ3〜3.5mm、先が5裂しています。花柱は1個で、雄しべは5個ついています。
詳しい写真は、「松江の花図鑑」に掲載されています。
ネナシカズラの仲間にマメダオシがあり、大豆に寄生して枯らすことがあると言われています。また、北アメリカ原産の帰化植物であるアメリカネナシカズラは、害草として問題になっているとのことです。
また、ネナシカズラとは違う寄生植物として、ヤドリギ、ビャクダンや、ツチトリモチ、ナンバンギセルと呼ばれる植物などがあるとのことです。
植物の世界にも、他の植物に頼って生きている要領のいい(?)のがいるんですね。
ネナシカズラの実

ネナシカズラの実
12月のネナシカズラの実です。
最初は緑いろだったはずですが、茎も実も茶色くなっています。養分をもらっていた宿主が枯れると、ネナシカズラも栄養を吸収することができなくなって、枯れるんだろうと思います。栄養を他の植物に頼っているのは、楽なのかもしれませんが、相手任せの頼りない生き方だと思います。
この実は、基部で裂けて種を落とし、来年また発芽して近くの植物に取り付いて、栄養をもらって育つんでしょうね。
ネナシカズラ(根無葛)の花言葉
ネナシカズラの花言葉は、「下賤」。
なるほどという感じですね。 (^.^;