植物に寄生して生きるネナシカズラ(根無葛)の生態や白い花について

2020年9月29日

ネナシカズラ

ネナシカズラは、自分では光合成をせず、他の植物に巻き付いて根を入れ、養分を盗って生きている寄生植物で、日本全土に分布するヒルガオ科のつる性の一年草です。ここでは、ネナシカズラの生態や白い花とともに、近縁種との違いについて書きました。

植物に寄生して生きるネナシカズラ(根無葛)の生態や白い花について

ネナシカズラ(根無葛)の生態

樹に巻き付くネナシカズラ

樹に巻き付くネナシカズラ

ネナシカズラは、他の植物に巻き付いて養分を吸収して生きる、要領のいい寄生植物です。

ヒルガオ科ネナシカズラ属の一年生のつる性の寄生植物で、

東アジアや日本の北海道から沖縄まで、全国に分布しています。

世界には170種類ほど存在すると言われますが、そのうちの5種が日本で自生しています。

写真は、家の近くのクワノキに巻き付いているネナシカズラです。

茎が長く伸びてしっかりと樹に巻き付いていて、この部分から栄養をとっているようです。

茎に毛はなく、点々と紫褐色の斑点がついています。

Wikipediaによると、種子は普通の植物と同じように発芽し、初めは根がありますが、数日以内に他の植物に寄生しないと枯れてしまうそうです。

そして、寄主にたどり着くと寄生根を出して、寄主に入り込み、養分を吸収します。

その後、元の根は無くなってしまい、寄生根だけで生きていきます。

通常、葉がなく、自分で光合成をせずに寄主の栄養だけでいきているようです。

おそろしいですね。ヽ('ー`)ノ

ネナシカズラ(根無葛)の白い花

ネナシグサの花

ネナシカズラの白い花

ネナシカズラの花期は、8~10月で、写真のように鐘状の花が花序になってたくさんつきます。

このため、実もたくさんつき、多くの種を落とします。

そして、翌年に周辺で発芽しているのをよく見かけます。

拡大したネナシグサの花

拡大したネナシカズラの花

写真のように、花は白くて鐘形をしており、長さ3〜3.5mmで、先が5裂しています。

花柱は1個で、雄しべは5個ついています。

花言葉は、「下賤」

自分では光合成をせず、他の植物に根を下ろして生きている様子をさげすんでつけた花言葉のようです。

日本で自生するネナシカズラの仲間は、マメダオシハマネナシカズラアメリカネナシカズラなどがあります。

マメダオシは、大豆に寄生して枯らすことがあると言われ、ハマネナシカズラは海岸近くに生えます。

また、北アメリカ原産の帰化植物であるアメリカネナシカズラは、害草として問題になっているようです。

ネナシカズラと、マメダオシ、ハマネナシカズラ、アメリカネナシカズラの違いについては、基本情報をご覧ください。

なお、ネナシカズラ以外の寄生植物として、ヤドリギビャクダンや、ツチトリモチナンバンギセルなどがあります。

植物の世界にも、他の植物に頼って生きている要領のいい(?)のがいろいろいるんようです。

ネナシカズラの茶色い実

ネナシカズラの実

ネナシカズラの茶色い実

こちらは、12月のネナシカズラの茶色い実です。

最初は緑いろだったはずですが、茎も実も茶色くなっています。

養分をもらっていた宿主が枯れると、ネナシカズラも栄養を吸収することができなくなって、枯れるんだろうと思います。

栄養を他の植物に頼っているのは、楽なのかもしれませんが、相手任せの頼りない生き方ですね。

この実は、基部で裂けて種を落とし、来年また発芽して近くの植物に取り付き、栄養をもらって育つことでしょう。

ネナシカズラの基本情報・花言葉

ネナシカズラ(根無葛)の仲間は世界で100~170種とされ、世界の温帯から熱帯に広く分布しています。

日本では5種類が分布するといわれ、ヒルガオ科ネナシカズラ属の1年生のつる性寄生植物です。

名前は、自分では根を持たず、他の植物に寄生して育つ、つる性植物であることに由来します。

学名は、Cuscuta japonica Choisy

英名は、Japanese dodder

花期は8~10月で、穂状花序になって釣鐘形の3.5mmほどの小さな白い花を咲かせます。

花弁の先は5裂し、雌しべは1個、雄しべは5個で、花びらより低くつきます。

実は蒴果で、長さ4~5㎜の楕円形になり、中に1~4個の種子を持ち、熟くすと茶褐色になります。

葉は退化して長さ2㎜以下になり、全身に葉緑素がないため、茎は黄白色で、長いツルを伸ばして他の植物(奇主)に巻き付き、寄生根を出して養分を吸収します。

茎の直径は1~2mmで、淡黄色~紫いろを帯び、紫の斑点が見られます。

ネナシカズラの仲間にマメダオシが、ハマネナシカズラアメリカネナシカズラなどがあります。

マメダオシは、大豆に寄生して枯らすことがあると言われる在来種です。

ハマネナシカズラは海岸近くで見られる在来種で、アメリカネナシカズラは北アメリカ原産の帰化植物です。

ネナシカズラと、マメダオシ、ハマネナシカズラ、アメリカネナシカズラには、つぎのような違いがあります。

ネナシカズラは、雌しべがくっついて1つに見えるのに対し、あとの3種は2本に見えます。

また、ネナシカズラ、マメダオシおよびハマネナシカズラは雄しべが花びらより短くなりますが、アメリカネナシカズラは花びらから飛び出します。

花言葉は、「下賤」

なるほどという感じですね。

参照サイト

Wikipedia ネナシカズラ属 寄生植物

松江の花図鑑 ネナシカズラ アメリカネナシカズラ

三河の植物観察 ハマネナシカズラ

たじまのしぜん アメリカネナシカズラ いつからなの?

YAHOO! JAPAN 知恵袋



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