ナンキンハゼ(南京櫨)は、秋の紅葉がきれいで、冬の枝に残る白い種子も印象的な樹木です。中国原産のトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木で、公園樹や街路樹でよく見かけます。ただ、有毒成分を含み、繁殖力が強いので、駆除対象にもされています。
秋の紅葉や冬の白い実が美しい ナンキンハゼ(南京櫨)
ナンキンハゼ(南京櫨)の紅葉と実
ナンキンハゼの紅葉
奈良市内の公園や近くの都市の街路樹に、ナンキンハゼがよく植えられています。
秋になり、ナンキンハゼが赤や黄に綺麗に紅葉してきれいなので、撮りました。
ナンキンハゼが生えている場所によって、紅葉が進んでいるところや、まだ緑のままの所がありますが、あちこちに生えています。
線路沿いのコンクリートの壁の隙間に生えた幼木も、きれいに紅葉しています。
緑から黄、そして赤に変化しているグラデーションがきれいです。
葉脈が黄色くハッキリとして、葉は赤くなってきています。
線路沿いの土地のあちこちに、大小の幼木が育っていて、このように紅葉しています。
街路樹や、公園で大きく育ったナンキンハゼの実を、鳥が食べて散布したんでしょうね。
また、公園の大きなナンキンハゼの樹の下には、たくさんの落ち葉がおちています。
足元に落ちた葉も、いろとりどりで、きれいですね。
花言葉は、「真心」「心が通じる」。
葉がかわいいハート形だったり、秋に赤くきれいに紅葉することからつけられた花言葉のようです。
このように紅葉がきれいなナンキンハゼですが、繁殖力が強いために、後でふれるように問題にもなっています。
ナンキンハゼの白い実
ナンキンハゼは、白い実も良く知られていますね。
樹の上についた実はすでに、白くなっています。
もう少したつと葉が落ちて、この白い実だけが残り、風情があります。
日当たりが良くないところの実は、こんな状態です。黒く見えますが、まだ濃い緑の実です。
こちらもやがて、白くなるはずです。
こちらは、今年の1月に撮ったナンキンハゼの白い実です。
まだ、鳥に食べられずに残っていました。
この白い実は綺麗なので、フリマなどでも売られていて、クリスマスの飾りなどに使われているようです。 (^-^ )
つぎに、春の花や、その後につける青い実について見てみたいと思います。
ナンキンハゼの花や青い実
こちらは、6月に撮影したナンキンハゼの花です。
ナンキンハゼの花は、このように、長さが6~18cmの総状花序になってたくさんの花が咲きます。
花序の先のほうに雄花がつき、その下部に雌花がついています。
きれいな花とは言えませんが、花序が樹のあちこちについていて、よく目につきます。
この花には、蜜がたくさん含まれているので、昆虫が集まっているのを見かけます。
7月中旬には青い実をつけていました。
雌花は、花序の下の方につくので、実もしたについています。
この時は、ミズミズしく、緑いろをした実ですが、秋には実を包む殻がつきます。その後殻が割れ、なかから白い蝋状物質で覆われた種が現れます。
この種が冬にも樹に残り、独特の姿を見せます。
ナンキンハゼの花や青い実については、記事にしていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
-
ナンキンハゼ(南京櫨)の黄色い花と白い実
ナンキンハゼ(別名:トウハゼ、カンテラギ)は、中国原産で、トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木です。6月にたくさん咲いていた花が、7月ころから、青い実に変わりました。秋になると、実が熟して硬い皮が割 ...
ナンキンハゼと春日山原始林
先日、テレビのニュースで、奈良市の春日山原始林でナンキンハゼの伐採が行われたと報道されていました。
紅葉がきれいなことなどから、街路樹として植えられたナンキンハゼの実を鳥がたべて、
種子が蒔かれ、春日山原始林の中にも増えてきたためだそうです。
私も、ナンキンハゼの実を食べている鳥の集団をみたことがあります。つぎの記事に書いています。
-
ナンキンハゼ(南京櫨)の白い実を食べる鳥たち
ナンキンハゼの実は、白く美しいので装飾などに使われ、秋の紅葉もきれいなので街路樹などに植えられており、鳥も好んで食べます。中国原産のトウダイグサ科の落葉高木ですが、日本在来のハゼの樹の代わりにロウを採 ...
このようにして種が散布されるんだろうと実感しました。
ナンキンハゼは鹿に食べられないため、増えている反面、鹿に食べられる草木は少なくなっているそうなんですね。
原生林や原始林とは、本来は、人手が加えられない森林のことを意味するとされますが、
元の原始林を維持するために、人手で樹を伐採するということになっているようです。
都市部に近い原始林は特にそうなんでしょうが、原始林を原始林として保つのも大変なんだろうと思います。
人の生活と環境の関係をどのように考えるべきか、悩ましい問題なんだろうと思います。 (;-_-;)
ナンキンハゼの基本情報・花言葉
ナンキンハゼ(別名:トウハゼ、カンテラギ。)は、中国原産で、トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木です。
名前の由来は、日本のハゼノキからとられていた蝋を中国原産の樹からとるようになったことによると言われます。
学名は、Triadica sebifera
英名は、Chinese tallow tree
花は、5~6月ころに、長さが6~18cmの総状花序で雄花がつき、
その下部に雌花がつきます。
実はさく果で、直径約1.5cmの3稜のある扁球形で11~12月頃に割れて、3個の種が現れます。
種は、白い蝋状物質に覆われ、葉が落ちたあとも、長く樹につきます。
この実はムクドリなどに食べられて、蝋状物質が取り去られた状態で排泄され、種子散布されるとのことです。
葉は互生し、長さ3.5〜8cm 幅3.5〜7cmで、葉柄の長さは2〜8cm。菱形状卵形で先はとがります。
縁は全縁で、両面とも無毛です。
樹高は、6mほどになると言われています。
根や果実は、利尿剤や下剤として利用されるとのことです。
花言葉は、「真心」「心が通じる」。
葉がかわいいハート形だったり、秋に赤くきれいに紅葉することからつけられた花言葉のようです。
参照サイト
春日山原始林を未来につなぐ会 いま、原生林でおきていること
LOVEGREEN ナンキンハゼの花言葉