11月に、ヌスビトハギ(盗人萩)に、ピンクの花や実がついています。名前の由来は、花や葉がハギ(萩)ににいて、種を収めた鞘がヌスビト(盗人)の忍び足を連想させることから。この鞘は、ひっつき虫なので、草むらに入るとよくひっついてきます。
ひっつき虫のヌスビトハギ(盗人萩)の花や実
ヌスビトハギのピンクの花や実
山でヌスビトハギ(盗人萩)の花が咲いていました。
別名は、ドロボウハギとのこと、近ずいてみると、こんな花です。
小さい花なこともあり、技術が上手く撮れていませんが、小さく可愛い花です。
花は7~9月に咲き、大きさは4mmくらいです。
花が咲いたときの、樹全体の姿は、つぎの写真のようです。
小さな花が、枝にそってたくさんついています。ハギの花より小さいのですが、全体の姿はにているように思います。
私は、この植物をよく見かけていましたが、ハギににているので、ハギの実生が育ってきているのかなと思っていました。
ところが、大きく育ってこないし、草のような感じなので、どうも違うなと思い調べたところ、ヌスビトハギらしいことがわかりました。 (^-^ )
写真が撮りにくく(技術不足が原因)、うまく特徴を表せないかもしてませんが、書いてみました。
また、ヌスビトハギには、近縁種が多いようですが、厳密な同定はしていませんので、お断りします。
つぎの写真では、種がついています。
この写真は、少し離れた位置から撮ったもので、実の様子がよくわかるかと思います。
花の下のほうに、茎から、中ほどがくぼんだ鞘(サヤ)のようなものがついていますが、これが種です。
2個くっついたように見えるのが、特徴的ですね。種には、フック状の毛がついていて、人や動物にくっついて移動し、散布されます。
よく草むらをあるくと、半月状の種がくっつくことがありますが、これがヌスビトハギの種ですね。
名前に、「ヌスビト」とついていますが、これはこの種の形に由来するそうです。
つまり、この形を泥棒の足跡ににているとみなして、「ヌスビト」とつけられたとのことです。(Wikipedia参照)
実の形が泥棒の足にようだとして、不名誉な名前をつけられたとは、気の毒ですね。
さらに、花言葉が「略奪愛」。 (◎_◎;)
これもおどろいた花言葉ですが、ヌスビトとついた名前に由来するんでしょうね。
ヌスビトハギの葉
葉は、写真のように三出複葉で、長い葉柄(ヨウヘイ)の先に三枚の葉がついています。
また、葉は茎の根元ちかくにのみ着き、先の方に見られません。
名前のもとになったハギ(萩)について
ハギ(萩)ににているので、ヌスビトハギとなずけられたとのことです。では、ハギはどんな花でしょうか。
ハギは、ヌスビトハギと違って葉も花もたくさんついていますが、にているでしょうか。
「ハギ」は、紫っぽい蝶形花であり、3出複葉になっています。
そっくりと言うわけではありませんが、たしかににていると言えるようです。
私は、ヌスビトハギを見て、よくにていると感じて、最初はハギの小苗かと思っていましたが、違っていました。
葉の形や花の様子が、にているとしてハギの名をとつけたようです。
ヌスビトハギ(盗人萩)の基本情報・花言葉
ヌスビトハギ(盗人萩)は、中国、朝鮮半島や日本の北海道から琉球列島に分布する、マメ科ヌスビトハギ属の多年草です。
名前は、鞘の形が扁平な半月状になっており、この形がヌスビトの足跡を見立てて、つけられたとのことです。
なお、ハギの語源は諸説あります。
毎年、古い株から芽を出すことから「ハエキ(生芽)」、
茎が這うように伸びることから「ハクエキ(延茎)」、
養蚕の時に用いる雑木小枝を束ねたものを「ハギ」といい、それに似てることから、
などがあるといわれますが、「ハエキ(生芽)」の説が妥当と考えられているようです。
また、漢字の「萩」は、秋の草花の代表であることから、「秋」に草冠を付けた国字とのことです。
草丈は60~100cmになり、茎は細くて株立ちになり、茎にそって小さな花が咲きます。
葉は、長い葉柄の先に三出複葉をつけますが、茎にまばらにつきます。
花期は7~9月で、茎の先のほうから細長い総状花序をつけます。
花は、3~4mmほどで小さく、紫がかったピンクいろになります。
花が終わったあとは、鞘状の実を、2個対になってつきます。
花言葉は、「略奪愛」。 (◎_◎;)
これはおどろいた花言葉ですが、ヌスビトとついた名前に由来するんでしょうね。
おわりに
近くの林で見るヌスビトハギの花と種について書きました。日陰を好み、ハギに較べて少しひ弱な感じです。
大げさな名前のわりに、小さな花をつけてひっそりと咲いているように見えます。
この記事は、日本文芸社発行 高村忠彦監修 「季節の野草・山草」も参考にしました。
この本には、600種類以上の植物が掲載されていて、調べるのに重宝しています。
参照サイト
Wikipedia ヌスビトハギ
語源由来辞典 ハギ/萩/はぎ
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