シオデ(牛尾菜)は、アスパラガスににた山菜として知られ、7~8月にボンボリのような花序になって黄緑の花をたくさん咲かせ、秋に黒い実をつけます。葉腋から、托葉が変化した巻きヒゲをだし、草木につかまって2~4mに伸びるツル性の多年草で雌雄異株です。
つる性の山菜としてしられるシオデ(牛尾菜)に咲く黄緑の花と、黒い実
シオデの花
シオデ’(牛尾菜)に雌花が咲いていました。
シオデは雌雄異株で、雄の株と雌の株があり、違った花を咲かせますが、写真は雌しべが目立っており、雌花のようです。
花序になってたくさんの小さな花が咲いていますが、球形で緑いろの子房らしきものの上に雌しべが、その下に花びらが下に反り返るようについています。
写真ではわかりにくいのですが、花びらは6枚ついています。
こちらは、ツルから伸びて咲くシオデの花の様子です。
わかりにくいのですが、葉腋から花柄を伸ばし、その先に花序になって花を咲かせています。
山菜好きの方はご存じかと思いますが、シオジの新芽は山菜として食べられるそうです。
アスパラガスににているようですが、数が少なく、多くはとれないようです。
名前は、アイヌ語のシュウオンデが訛ってシオデとなったと言われますが、
ツルがものに絡まる様子が馬具の鞍(シオデ)ににているからとする説や、
若い芽の形が牛の尻尾ににていて食べることができるため、などの説があるようです。
生えていたのは、近くの梅の樹の根元で、2週間ほど前に草刈りをしたときは気が付かなかったのですが、先日ツルが伸びて花が咲いているのを見つけました。
葉は1mほど伸びたツルに互生していますが、長さ5~15cmの楕円形状で先が尖り、葉脈が目立ちますが、縁に鋸歯はみられません。
葉柄は1~2.5cmほどで、基部に托葉が変形した一対の巻きヒゲがついており、これでものにつかまって伸びます。
こちらは、先端部ですが、たくさんの巻きヒゲが出て、近くの樹に巻き付いたり、伸びようとしているようです。
上をむいて勢いよく葉や巻きヒゲが伸びている様子は、同じサルトリイバラ科のサルトリイバラににているように思います。
いまは元気なシオデですが、冬には葉を落とし、黒い実だけをつけていました。
冬に見たシオデの実と種
こちらは、昨年の10月に撮ったものですが、よく伸びたツルのあちこちに、黒い実をつけています。
この時は、何の実かよくわからなかったのですが、花が咲いてシオジだとわかりました。
咲いた花そのままの形で、実をつけ、黒く熟していました。
実の大きさは1cmほどで、光沢がありますが、表面にはたくさんの皺が見られます。
実をつぶしてみると、茶色に種が4~5個入っていました。
たくさんの種が出来ているようですが、繁殖はあまりしていないようなのは、発芽率があまりよくないのでしょうか。
シオデの基本情報・花言葉
シオデ(牛尾菜)は、東アジア北部、中国、台湾、朝鮮半島や、日本全土に自生するサルトリイバラ科シオデ属のツル性多年草で、雌雄異株です。
名前は、アイヌ語のシュウオンデが訛ってシオデとなったと言われますが、
ツルがものに絡まる様子が馬具の鞍(シオデ)ににているからや、若い芽の形が牛の尻尾ににていて食べられるため、などの説があります。
別名は、ヒデコ、ショデコ、ソデコなど。
学名は、similax riparia
花期は7~8月で、葉腋から散形花序を出して薄い黄緑色のたくさの花を咲かせます。
雄花の花被片は4~5mmの披針形で、雌花の花被片は長楕円形で小さめで、外側に反り返ります。
実は液果で、直径は1cmほどで、黒く熟します。
葉は互生し、長さ5~15cmの楕円形状で光沢があります。
葉柄は1~2.5cmほどで、基部に托葉が変形した一対の巻きヒゲがついており、これでものにつかまって伸びます。
茎はよく分岐し、2~4mほどに伸びます。
よくにた近縁種にタチシオデがありますが、両者にはつぎのような違いがあります。
シオデは、葉の裏面が淡緑色で花被片が反り返るのに対して、タチシオデは、葉の裏面が白く花被片は反り返りません。
若い芽は、アスパラガスににた山菜として人気があり、「山菜の女王」呼ばれるようです。
参照サイト・書籍
Wikipedia シオデ属
GKZ 植物事典 シオデ
みんなの農業広場 シオデ
Tom's 素人植物図鑑 シオデ
ビオ・荒川さいたま シオデ
花の日記 シオデ タチシオデ
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
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