秋に黒い実をつけるスイカズラ(吸葛、忍冬)

スイカズラ

スイカズラは、秋にツルの葉腋ちかくに2つの黒い実をつける常緑性のつる性木本です。花は4~7月ごろに咲く唇形花で、雄しべや雌しべは花びらより長く伸びますが、花の奥に蓄える甘い蜜を子供が吸ったと言われ、名前の由来になっています。

秋に黒い実をつけるスイカズラ(吸葛、忍冬)

スイカズラの実

スイカズラの黒い実

対になってつくスイカズラの黒い実

秋になるとスイカズラのツルに、直径5mmほどの丸く光沢のある黒い実がついているのがよく見られます。

スイカズラは、ツル性の常緑(半常緑)植物で、樹に分類されています。

この写真は、樹から伸びたツルの先についた実で、2個ずつ間隔を保ってついていることがわかります。

スイカズラの実

連なってつくスイカズラの実

実は2個づつでつきますが、時とともに、このように落ちていきます。

同じころに、同じツル性植物のアオツヅラフジも茎に黒い実をつけ、よくにています。

アオツズリフジの蔓と実

アオツヅラフジの実

こちらが、アオツヅラフジの実ですが、

房状についており、表面に白粉がついていており、

スイカズラの実とは違っています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

アオツズラフジ
アオツヅラフジは7~8月に黄いろい花を咲かせ、秋に黒い実をつけます

アオツヅラフジ(青葛藤)は、日本全土に分布するツヅラフジ科のつる性落葉性植物で、雌雄異株です。7~8月に黄いろい花を花序になって咲かせ、秋にはブドウのようにかたまってたくさんの黒い実をつけますが、粒は ...

スイカズラの花

対になって咲くスイカズラの花

対になって咲くスイカズラの花

スイカズラは、4~7月ごろに芳香のある花を咲かせます。

茎についた葉の近くから、ついになって花がさいており、

実が対になってつくのは、花がこのようにつくためだとわかります。

花の形は、花びらが上下に分かれた唇形花で、上唇が4裂しています。

雄しべは5個、雌しべが1個ついていますが、花びらより長く飛び出しています。

花びらの根元には甘い蜜が蓄えられているため、昔の子供は花を採って蜜を吸ったと言われ、

「吸う葛」とされたことが、名前の由来と言われます。

同じように、ミツバナ、スイバナ、ニンドウバナなどとも呼ばれることがあるようです。

白と黄色で咲くスイカズラの花

白と黄色で咲くスイカズラの花

また、写真のように、花が白く咲き、その後黄色く変化することから、

キンギンカ(金銀花)とも呼ばれます。

漢字で「忍冬」と書かれますが、これは中国植物名で、

冬の寒い時期に枯れずに残ることからつけられたと言われます。

スイカズラの花

たくさん咲くスイカズラの花

こちらは6月に撮ったものですが、

コンクリート壁の上から垂れ下がったたくさんのツル咲く、白と黄色の花がきれいです。

スイカズラの茎と葉

樹に巻き付くスイカズラ

樹に巻き付くスイカズラ

こちらは、11月に撮った樹に巻くつくスイカズラのツルです。

あまりよくわかりませんが、茎は分岐して伸びており、

茎に色は褐色っぽく見えます。

ツルが伸びる方向に向かって、左方向に巻きついています。

このようにツルが樹にしっかりと巻き付くことから、

花言葉は、「愛の絆」「献身的な愛」とつけられたと言われます。

スイカズラの葉

スイカズラの葉

こちらは、別の場所で12月に撮ったものですが、

葉は青々として、常緑性として良さそうです。

そして、葉が対になって対生し、長っぽい楕円状で先が尖り、

縁に鋸歯はみられません。

食べたことはありませんが、

4~6月ごろの新芽や若葉は食べることもできるようです。

春から夏にかけていい香りの、白や黄色のちょっと変わった花を咲かせ、

秋に黒い実をつけるスイカズラ、いろんな楽しみをさせてくれる植物だと思います。

スイカズラの基本情報・花言葉

スイカズラ(吸葛、忍冬)は、中国、朝鮮半島や日本の北海道南部以南に分布する、スイカズラ科スイカズラ属の常緑(または、半常緑性)つる性木本です。

名前は、細長い花の奥にたまった蜜を子供が吸って遊んだことから、「吸う葛」とされたことに由来します。

砂糖がなかった頃には、代用品として使われたとも言われます。

忍冬は、中国植物名で、冬の寒い時期に耐えて枯れずに残ることからつけられました。

別名は、金銀花(キンギンカ)、ミツバナ、スイバナ、ニンドウバナなどで、

金銀花は、花が白く咲いて黄色く変化することにちなみます。

学名は、Lonicera japonica

英名は、Japanese Honeysuckle

花期は5~7月ごろで、枝先の葉腋に、芳香のある花を2個咲かせます。

花は、白く咲きますが、やがて黄色く変化します。

花弁は、長さ3~4cmの細長い形をした唇形で、先端が2裂します。

また、雄しべは5個、雌しべは1個つき、花びらから飛び出します。

実は、直径5~6mmの液果で、2個づつつきます。

葉は対生し、長さ3~7cm 幅1~3cmほどの長い楕円形状で、鋸歯はみられません。

つるは木質で、茎は分岐しながら長く右巻きに伸びて他の植物に絡んで成長し、

長さは10m ほどになり、灰赤褐色になります。

春から夏にかけて、新芽や若葉は山菜として食べることができ、

お浸しや和え物などとして利用することができます。

また、ツボミや茎葉は薬効があるとされ、生薬として利用されます。

花言葉は、「愛の絆」「献身的な愛」で、6月3日、6月22日、6月30日の誕生花です

スイカズラのツルが他の樹に巻き付いて離れないことに由来すると言われます。

参照サイト・書籍

Wikipedia スイカズラ

庭木図鑑 樹木ペディア スイカズラ

季節の花 300 スイカズラ

花言葉ー由来 スイカズラ

城川四郎他解説 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花

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