ナルトサワギクは、一年中黄色い頭状花を咲かせるキク科の有毒な多年草です。マダガスカルや南アフリカが原産で、繁殖力が強く、特定外来生物に指定されています。日本へは、工事後に使われる緑化植物に混入して移入したと言われ、福島県以南でみられます。
一年中黄色い花を咲かせるナルトサワギク(鳴門沢菊)
ナルトサワギクの黄色い花
道路を車で走っていて、この黄色い花を見つけました。
寒いいまごろ咲く黄色い花って何だろうと思って見たところキク科の頭状花でしたが、名前はわかりませんでした。
調べて見ると、ナルトサワギク(鳴門沢菊)のようです。
ナルトサワギクは、一年中花が咲くとのことなので、この寒い冬に咲いても不思議ではないですね。
暖かい時期には、ほかの花も咲いているので、気が付かなかったのかもしれません。
マダガスカルや南アフリカ原産の多年草で、1976年に徳島県鳴門市で発見され、
サワギクににているので、ナルトサワギクと名付けられたとのことです。
工事後に植えられる緑化植物に混入して日本に入ってきたと考えられています。
南アフリカ原産の緑化植物と言えば、シナダレスズメガヤを思い出しますが、
もしかすると一緒にやってきたのかもしれませんね。
花は、直径が2cmほどの小さな頭状花で、枝分かれした茎の先端に咲いています。
花の中心部にたくさんの筒状花がかたまってつき、周辺に花びらのような舌状花がついています。
舌状花の先端は丸みを帯びていて、ギザギザは見られません。何枚ついているか数えたところ、13枚くらいのようです。
いままで、道路沿いや空き地などで見かけた花をいろいろ記事にしてきましたが、外来植物が思ったより多いという印象をもっています。
この花も、外来種で、しかも特定外来生物に指定されており、繁殖力がつよいようです。
1年中花を咲かせて種を落し、他の植物を抑制するアロパシー作用があるのでよく繁殖し、生態系に害を及ぼす恐れがあると考えられているようです。
全身にアルカロイド系の有毒物質を含んでおり、オーストラリアでは家畜が中毒死したと報告されています。
このように有毒であることも、繁殖力が強い要因になっているのかもしれません。気をつけたほうが良さそうです。
こちらは、こんかい撮影したナルトサワギクの様子です。道路沿いに100mほどでしょうか、点々と生えていました。
このように、ほかの草木の多くが枯れている中で、ナルトサワギクは黄色い花を元気に咲かせています。
ナルトサワギクの葉や茎
こちらが、葉と茎の様子です。
茎は枝分かれしていくつもの枝を出しており、そこに細長く先が尖った披針形の葉が互生しています。
葉の縁には鋸歯がみられ、茎を包むようについているのが特徴です。
ナルトサワギクの基本情報・花言葉
ナルトサワギク(鳴門沢菊)は、マダガスカルや南アフリカに自生し、日本では福島県以南に分布するキク科キオン属の多年草です。
日本へは、アメリカから輸入された工事あとに植えられる緑化植物に混入して入ってきたと考えられており、
1976年に徳島県鳴門市瀬戸町で発見され、サワギクににていることからナルトサワギクと名づけられました。
また、1986年に淡路島でも発見されたので、コウベギクとも呼ばれます。
学名は、Senecio madagascariensis
Senecio は、ラテン語の「senex(老人)」を意味し、葉や果実に白や灰色の冠毛が生えていることに由来し、
キク科キオン属の総称として使われます。
また、madagascariensisは、マダガスカル産を意味します。
英名は、Madagascar ragwort、Magascar groundsel 、fireweed
ragwortやgroundselは、サワギクを意味します。
花期は通年といわれ、茎の先端に約2cmの黄色い頭状花序でたくさんの花を上向きにつけます。
個々の花は、中心部のたくさんの筒状花と、周辺部につく13枚ほどの舌状花からなります。
種は長い白色の冠毛をもっており、風によって散布されます。
葉は、線状の披針形で先がとがり、縁に鋸歯を持ち、茎を包むようについて互生します。
草丈は20~50cmで、茎は直立しますが、分岐して大きな株になります。
また、アレロパシー作用があり、他の植物を駆逐するおそれがあるため、
外来生物法で特定外来生物(環境省:外来生物であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるもの)に指定されています。
全身にセネシオニン、セネシオフィリンなどのアルカロイドを含むため、オーストラリアでは家畜が食べて中毒死した例があるとのことです。
花言葉は、不明です。
参照サイト
国立環境研究所 侵入生物データベース ナルトサワギク