盆栽や庭木で親しまれるゴヨウマツ(五葉松)

2022年1月7日

ゴヨウマツ

ゴヨウマツ(五葉松)は、盆栽や庭木にされるマツ科マツ属の常緑高木針葉樹で日本固有種です。自然界では、北海道南部、本州以南の山地の尾根や岩上に分布すると言われます。ここでは、ゴヨウマツの葉の詳細や松ぼっくりについて調べました。

庭木や盆栽で親しまれるゴヨウマツ(五葉松)

盆栽のゴヨウマツ

枝先のゴヨウマツの葉

枝先のゴヨウマツの葉

写真は、我が家のゴヨウマツ(五葉松)の盆栽です。

10年以上前に、両親が東北地方を旅行したときに買ったと聞いているもので、手入れもしていないのですが、元気に育っています。

庭木でみかけるゴヨウマツにくらべて葉が小さいのですが、ゴヨウマツで間違いないようです。図鑑などによると、日本固有種で山地に自生しているとされていますが、盆栽や庭木にされて親しまれています。

マツ(松)は、他の樹があまり生えない砂地や痩せ地で育ち寿命が長いことから、昔から神聖な樹とされてきました。そして、神様が依り付くように、正月の松飾りなどにされてきました。

このようなことから、松の名前は、神様を「待つ」や「祀る」ことに由来するといわれます。詳しくは、以前記事にしたアカマツとクロマツについての記事をご覧ください。

アカマツ
アカマツ(赤松)とクロマツ(黒松)の違い

アカマツとクロマツの主な違いは、アカマツは幹が赤く、葉の先で突いてもそれほど痛くなく、冬芽が赤く、内陸部に生えるのに対し、クロマツは幹が黒く、葉の先でつくと痛く、冬芽が白く、海岸沿いに生えるなどになり ...

ゴヨウマツは、葉の付き方に特徴があります。

写真のように、長さが3~6cmくらいの比較的短い葉(アカマツは7~12cm)が、あちこちの枝の先にかたまってついています。

近くで見たゴヨウマツの葉

ゴヨウマツの葉の付き方

近くでみると、葉が束になっていくつもついているので、このようにたくさんの葉のかたまりに見えるようです。

つぎの写真で、ゴヨウマツとクロマツの葉の出かたを較べてみました。

ゴヨウマツの葉

ゴヨウマツの葉

クロマツの葉

クロマツの葉

どちらも束になって出ています(束生)が、ゴヨウマツは5本、クロマツは2本(アカマツも2本、ダイオウショウは3本)でていることがわかります。

離れて見るとよくわかりませんが、近づくと違いがはっきりわかりますね。

ゴヨウマツの名前は、このように5本の葉が束になっていることに由来します。

クロマツやアカマツは2本ですが、子供のころ、葉を根元から2組とって、根元が真ん中になるように絡ませ、引きあって強さを較べる遊びをしたのを思い出します。

子供たちは、いまでもこのような遊びをするのでしょうか。

庭木のゴヨウマツ

庭木のゴヨウマツ

庭木のゴヨウマツ

ゴヨウマツは、庭木にしているのをよく見かけます。

こちらのゴヨウマツは、我が家のものにくらべて、葉がたくさんつき、太いようです。種類がちがうのかもしれません。

ゴヨウマツの変種には、ヒメコマツやキタゴヨウがあるとのことなので、ヒメコマツに近いようにも思います。

ゴヨウマツの気孔帯

ゴヨウマツの気孔帯

こちらは近所のゴヨウマツを撮らせてもらったものですが、気孔帯につくワックスで白くなっているのが見られます。

ゴヨウマツが白っぽく見えるのは、このワックスによるようです。

同じ樹についている松ぼっくり(松かさ)です。

ゴヨウマツの松かさ

ゴヨウマツの松かさ

アカマツやクロマツの松ぼっくりにくらべて、ひとつ一つのうろこ状の種鱗といわれるものが、ごつごつしているように感じます。

松ぼっくりも松によって、いろいろ違っているようですね。

ゴヨウマツの基本情報・花言葉

ゴヨウマツ(五葉松)は、北海道南部以南に分布するマツ科マツ属の常緑高木針葉樹で、日本固有種です。

葉が5個づつ束生することから、ゴヨウマツと名づけられました。

別名は、マルミゴヨウ。

学名は、Pinus parviflora

英名は、Japanese White Pine

雌雄同株、雌雄異花で、花期は5~6月。新枝の基部に紫紅色の雄花をたくさんつけ、先端に2~3個の淡緑色か紫紅色の雌花をつけます。

実は球果(松かさ)で、長さ5~7cm 直径3.5cmほどの卵状楕円形で、翌年の秋に熟します。

種鱗はクサビ形で先がまるく厚くなり、長さは2.5cmほどになります。

種は、長さ1cmほどの楕円形で、短い翼がつきます。

葉は短枝に5本束生し、針状で長さ3~6cm。先端は尖りますが触っても痛くなく、側面に白緑色の気孔帯あります。

樹高は35m、直径は60cmほどになるといわれ、樹皮は、赤褐色ないし暗灰色で、浅く割れてはがれ落ちます。

他のマツと同じように、根で菌根菌と共生し、山地の尾根や岩の上などの痩せ地に自生すると言われますが、庭木や盆栽にされます。

変種にヒメコマツ、キタゴヨウがあります。

ヒメコマツは、ゴヨウマツの別名とされることがありますが、ゴヨウマツの高山で生えているもので、ゴヨウマツより姿形が小さいものを変種として分類されるようです。

また、キタゴヨウは、ヒメコマツの変種とされ、中部地方以北から北海道に分布するとされます。

マツの花言葉は、「不老長寿」「永遠の若さ」「勇敢」で、1月1日、11月14日、12月14日の誕生花です

いい花言葉がついています

参照サイト・書籍

Wikipedia ゴヨウマツ

樹木図鑑 樹木ペディア ゴヨウマツ

life info  松ぼっくりの大きい種類・・

弥生おばさんのガーデニングノート 「花と緑の365日」 ゴヨウマツ

高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる 樹木図鑑

中川重年著 保育社 「検索入門 針葉樹」



ブログランキングの応援をお願いします


ブログランキング・にほんブログ村へ/          人気ブログランキング


PVアクセスランキング にほんブログ村

山に出かけてecoライフ - にほんブログ村

~いま見ごろの花や草木~

-常緑樹, 常緑高木, 樹木, 針葉樹
-, ,