ガガイモ(蘿藦、鏡芋)は、中国、朝鮮半島などの東アジア一帯や日本全土に分布する、キョウチクトウ科のツル性多年草です。名前は、葉がスッポン(ガガ)ににていて、地下にイモがつくことに由来するいわれます。古事記の時代から親しまれてきた植物です。
<目次>
ガガイモ(蘿藦、鏡芋)の薄紫の花
ガガイモの花

たくさん咲いたガガイモの花
近くの山で、ガガイモの花が咲いていました。
ガガイモは、古事記の神話にも出てくる植物で、古くから親しまれてきたようです。
直径が1cmくらいの、薄紫の小さな花なのであまり目立たないのですが、集散花序でたくさん咲いています。
上の方には、まだたくさんのツボミがついていて、したに花が咲いています。

近くから見たガガイモの花
近ずいてみるのと、遠めから見るのとでは、少し違った印象になります。
ちょっとグロテスクと言うんでしょうか、個性を持っていて、
花びらは細長く、5枚からなり反り返っており、表面に白い毛が密生しています。
また、中心から伸びた雌しべは、くねくねと曲がりながら伸びています。
ツルと葉

長く伸びるガガイモ
ガガイモは、ツルを2mくらい伸びますが、写真ではウツギでしょうか、他の樹などに巻き付いて伸びています。
巻きひげはなく、右まきで巻き付いているようですね。
ツルには、間隔を置いて、2枚の葉が対になってつき、その間から花柄がでています。
元気よく伸びていますが、他の草木は、迷惑なんでしょうね。(゜▽゜;)

ガガイモの葉
ガガイモの葉は、心臓形で、先端が伸びて尖っていていますが、光沢があり葉脈がよく目立っています。
この葉の様子が、スッポン(ガガ)にており、地下にイモがつくことから、ガガイモの名前になったとの説があるとのことです。
(葉は、イモの形をしているためとも言われるようです。)
実

ガガイモの実
花が終わったあとには、袋果(タイカ)で長さ 8 ~10cm 幅2cmで披針形になります。
最初は、緑色をしていますが、秋に熟すと茶色に変色し、割れて写真のように白い毛が現れ、
毛には種がついていて、風散布されます。
この割れた殻は、舟のように見えるとされ、「羅藦船(かがみぶね)」と呼ばれて神話に現われます。
すなわち、国造りをしていた大国主命(おおくにぬしのみこと)を助けるために、小さい姿をした神様(少名毘古那、すくなびこな)が、このガガイモの舟(「羅藦船(かがみぶね)」)に乗って沖合いから登場したとされます。(LOVEGREEN ガガイモより)
神話ですが、ガガイモが太古から親しまれてきたことがわかります。(#^.^#)
ヘクソカズラ(屁糞葛)との違い

ヘクソカズラの花と葉
ガガイモと同じころに咲く、ヘクソカズラの花と葉です。
同じつる性なので、混同する場合があるようですが、花は全く違っています。
また、葉は形は少しにていますが、葉脈の見え方が違っており、間違うことはなさそうです。
ガガイモの基本情報・花言葉
ガガイモ(蘿藦、鏡芋)は、中国、朝鮮半島などの東アジア一帯や日本全土に分布する、キョウチクトウ科イケマ属のツル性多年草です。
名前は、葉がガガ(スッポン)ににており、地下にイモをつけるためとする説や、割れた実の内側が鏡のように光るのでカガミイモ(鏡芋、輝美芋)の名がつき、なまってガガイモとなったとする説があります。
古名は、カガミまたはカガミグサ。学名は、Cynanchum rostellatum。
花期は8月で、葉の脇から花柄を出し集散花序で、1cmほどの淡紫色の花をたくさん咲かせます。花びらは5つに分かれて星型に反り返り、内側に毛が密生します。
実は、袋果で長さ 8 ~10cmで、熟すと割れて船のような形になり、中から白い毛の生えた種が出ます。
葉は対生し、長さ5〜10cm 幅3〜6cmの心臓形で先が尖り、全縁です。葉脈が目立ち、表面は濃い緑色で、葉や茎を切ると白い乳液が出ます。
地下茎を伸ばし、その先に茎を出します。つるは右巻きで、2mくらい伸びると言われます。
乾燥させた種は蘿摩子(らまし)と呼ばれる生薬で、強精、止血に効果があり、また、葉は解毒、腫れ物に薬効があるとされます。
ガガイモの花言葉は、「清らかな祈り」、「味わい深い」で、7/18、8/26の誕生花です。
「清らかな祈り」古事記において、大国主命と一緒に国造りをしたスクナビコナの神が、ガガイモの実を割って作った天之蘿摩船(あまのかがみのふね)に乗って現れたとされることに由来するといわれます。
参照サイト
松江の花図鑑 ガガイモ
Chills Laboratory ガガイモ
LOVEGREEN ガガイモ