ミズナラとコナラはブナ科の落葉高木でよくにていますが、つぎのような点が違います。ミズナラはコナラに較べて、葉やドングリが大きく、葉柄が短いなどの特徴があります。また、ミズナラは、高級家具や建材用材に使われますが、コナラと同様に、榾木や薪にも利用されてきました。
ミズナラ(水楢)とコナラ(小楢)の違い
ミズナラ(水楢)とコナラ(小楢)の違い ~ まとめ ~
最初に、ミズナラ(水楢)とコナラ(小楢)の違いをまとめておきます。
両者はよくにていますが、主な違いはつぎの表のように、葉の大きさや葉柄の長さと、ドングリの大きさなどになります。
ミズナラ | コナラ | |
葉の大きさ | 大きめ | 小さめ |
葉柄 | 短い | 長い |
ドングリ大きささ | 大きい | 小さい |
ドングリの帽子の形 | お椀形 | お形皿 |
この点をみれば見分けることができるかと思います。(^⊆^)
ミズナラとコナラそれぞれの詳しいことは、以下をご覧ください。
ミズナラ(水楢)
ミズナラ(水楢)の別名はオオナラ(大楢)、北海道から九州の亜高山帯に分布するブナ科コナラ属の落葉高木です。
コナラ(小楢)のドングリが家の近くに落ちていたので、ミズナラ(水楢)のドングリと比較したいと思い、
標高の高い山に出かけてこの写真を撮りました。
ミズナラ(水楢)の名は、水分を多く含むナラの樹ということからつけられたと言われます。
また、ナラの名前の由来は、①葉が広く平らなさまを「ならす」とした、
②冬、枝に残った葉を、風が吹き鳴らす木とした、
③若葉の軟らかいさまから「なよらか」とした、など諸説あるとのことです。
(「木のぬくもり、森のぬくもり コナラ」より)。
数年前に林道を車で走っていて、大きなドングリ(我が家の庭のウバメガシに比較して)だと思ってしらべたところミズナラ(水楢)でした。(*´ー`)
このミズナラは、標高800mほどの場所にある大きな樹で、その時はたくさんのドングリを落としていました。
今年は、その時のように多くはないようです。
幹は、60cmほどでしょうか。かなり太い樹で、写真のように縦方向に割れ目が入っています。
背丈ほどの所にも枝があり、そこにもドングリがついていたので、近くから撮ることができました。(⌒ ⌒;)
つぎに、ミズナラ(水楢)の葉とドングリについて見てみます。
葉は、長楕円形で長手方向の中央から少し先で幅広になっており、
周囲には大きな鋸歯がついています。
また、葉と茎とを結ぶ柄の部分である葉柄が短いことも特徴の一つです。
次にドングリについてみてみましょう。
ミズナラ(水楢)のドンぐリの特徴は、
①パンツ(帽子)がお椀のような形で深くかぶっている
②大きい ③パンツ(帽子)が鱗(うろこ)状 などです。
ここで、パンツとは、(普通は帽子とも呼ばれます)写真の赤い矢印の部分のことで、殻斗(カクト)のことです。
ドングリのパンツには4種類ありますが、ミズナラ(水楢)のパンツは一面につぶつぶ?が出ているので、鱗状パンツなどと呼ばれています。
それに対して、下の写真のシラカシ(白樫)は、横方向に線がはいっていて、シマシマパンツとも呼ばれています。
どうでしょうか。 ドングリによって、違うパンツをはいているんですね。
ちなみに、クヌギ、栗などは、とげとげパンツ、ブナはチューリップパンツになります。
以上の呼び方は、「日本自然保護協会 どんぐり検索表」を見て引用させていただきました、興味ある方はご覧ください。
一口にドングリといっても、いろんな点で違いがあることがわかります。 (⌒ー⌒)
ミズナラ(水楢)は、5、6月頃に、この写真のような雄花を咲かせます。こちらも、かわっていてきれいですね。
なお、ミズナラ(水楢)の花言葉は、不明です。
つぎに、近縁種のコナラ(小楢)について見てみます。
コナラ(小楢)
コナラ(小楢)、別名ホウソは、日本全土に分布するブナ目ブナ科コナラ属の落葉高木です。
ミズナラ(水楢)に較べて、標高が低いところで育ちます。
近縁種のミズナラ(水楢)の別名オオナラと、対比してコナラと名づけられたと言われます。
ただし、コナラといっても、樹が小さいわけではありません。
写真のように大きく育ちますが、葉やドングリが、ミズナラ(水楢)より小さいためつけられた名前のようです。
この写真は、先日林道で拾ったコナラ(小楢)のドングリと葉です。
どうでしょうか。 ミズナラ(水楢)と同じように、コナラの葉は楕円形で周辺に鋸歯がありますが、葉柄が長い点が違います。
また、ミズナラのドングリは、鱗状のパンツ(帽子)ですが、
①帽子がお皿のような形でかぶり方が浅い 、②小さい(コナラに比較して) の2点で違っているようです。(・_・)
コナラ(小楢)の花言葉は、「独立」「勇気」「長寿」など。 いい花言葉ですね。
ミズナラ(水楢)、コナラ(小楢)の利用
木の利用
コナラ(小楢)もミズナラ(水楢)もシイタケの原木栽培に使われます。仲間のクヌギと同じように良く生えます。
いまは、木炭は使われませんが、化石燃料が使われ出す前は、木炭や燃料に使用されていました。
特に、ミズナラは木材としてもすぐれていて、ウイスキーの樽、建築用材や家具類などに使われてきました。
北海道産のミズナラは、明治末期にヨーロッパに輸出され利用されたとのことです。
ドングリの保存
ミズナラ(水楢)は、タンニンを含んでいるため、そのままでは渋くて食べられません。
(シイの実は渋みが少ないので食べられます。スダジイを食べたことがありますが、小粒ですが甘味もあり美味しいと思います。)
当地では、昔は、ナラ、カシなどのドングリを非常食用に保存して利用していたそうです。
拾ったドングリを、水に漬けて虫を退治し、天日でよく乾燥させたあと、細かく砕き、保存しておきます。
そして、食べる時には、長時間水に漬けたり、灰などをつかってあく抜きを行います。
残念ながら、食べたことはありませんが、ご飯と一緒に炊くと、美味しいと聞いています。
ドングリの食べ方は、いろいろあるようです。
一度、試してみてはいかがでしょうか。(^_^)
参照サイト
MORIP! ミズナラとコナラ
木材博物館 ナラ
葉と枝による樹木検索図鑑 カシワーミズナラーコナラーナラガシワ
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