サルナシ(猿梨)は、キウイににた形で、表面に毛がない3cmほどの小さめの実をつけます。秋に山で稔り、サルが好んで食べるのでサルナシ(猿梨)と名づけられました。キウイと同じマタタビ科マタタビ属のツル性の落葉植物で雌雄異株です。
山で稔るサルナシ(猿梨)の実
サルナシの実
林道を走っていて見かけたサルナシ(猿梨)です。
まだ熟していませんが、たくさんの実がついています。
ベビーキウイなどと言われますが、キウイのような表面の毛はなく、
すべすべしていて、味はキウイの感じです。
名前の由来は、猿が好んで食べる梨のような実という説や、
猿がなしと間違えて食べる、といった説があるようです。
猿や熊が好んで食べる植物であることは間違ありませんが、
彼らは、よく見ていて、食べごろがわかっているようで、
いつの間にか無くなっています。
人も、当然生食できますが、
ジャムやジュースなどにして食べられているようです。
サルナシの樹
サルナシは、谷筋などの、水分の多いところでよく見かけます。
実(ミ)をつけているのをよくみかけますが、
私は、いつも採るのがおくれ、お猿に食べられています。
写真のように、近くの樹に絡みついて上に登り、
上から垂れ下がってたくさんの蔓(ツル)を伸ばしています。
樹の条件に対応しながら、光を求めて自由自在に伸びているようです。
以前、蔓(ツル)が太く大きくなっており、藤の蔓(ツル)などと一緒にからみあっているのを煮かけました。蔓の表面があまり綺麗と思わなかったので、切ってしまいました。
馬鹿なことをしてしまいましたが、それがサルナシ(猿梨)の蔓でした。それまで、よく実がついていたのですが、その後、実をつけなくなりました。よく確認しておけば良かったと後悔です。そのうち回復するだろうと思いますが、勿体ないことをしました。せっかく大きくなっていたのを・・・
植物が育つのは時間がかかりますが、切るのは一瞬のことです。慎重さが必要だと痛感した次第です。
サルナシを増やす場合は、挿し木や取り木が適用できます。
サルナシの花
サルナシ(猿梨)は、キウイと同じように雌雄異株です。
ただし、栽培用のものは自家結実性のものもあります。
このためか、キウイの花に似た花を咲かせます。
どうでしょうか。
よくにていますね。(^_^)
サルナシの基本情報・花言葉
サルナシは、中国大陸、朝鮮半島や日本列島に分布する、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株もしくは雌雄雑居性で、蔓(ツル)性の落葉性植物です。
サルナシの名前の由来は、猿が好んで食べる梨のような実だからとする説や、
猿が食べてなくなってしまうからなど、いろんな説があるようです。
別名は、コクワ、シラクチヅル。
学名は、Actinidia arguta
「Actinidia」はギリシャ語の「aktis(放射状の)」に由来し、「arguta」は「鋭い歯の」を意味しますが、
柱頭が放射状に並んでいることからつけられたといわれます。
英名は、Hardy kiwi、Hardy kiwifruitなど
「hardy」は、耐寒性が強いことから、このように名づけられました。
花期は5~7月で、花びらが5枚の小さな白い花を、茎の付け根に下向きに、咲かせます。
果実は、キウイフルーツのような形で、緑色の2 ~3cm程度の大きさで、9月~11月ごろに熟します。
味はキウィフルーツに似ており、猿や熊などが好んで食べます。
葉は、長さ7~13cmで、葉柄は赤茶色で2 ~ 8cm、縁に細かな針状の鋸歯をつけます。
秋に黄葉して、落葉します。
蔓(ツル)は、赤茶色で、太くなると黒っぽい茶褐色になり樹皮がはがれます。
太さは5cm、長さは50mになることもあると言われます。
蔓(ツル)は、丈夫で腐りにくいため、昔から吊り橋の材料などにも使用されてきました。
小物では、マタタビやアケビと蔓(ツル)と同じように、リースや編み物の材料としても利用されています。
花言葉は、「誘惑」で、9月30日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia サルナシ
BONTANICA サルナシ
林将之著 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑14 樹木の葉」
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