ヤエムグラの花期は4~6月で、茎の先や葉腋から花序をだして、1~2mmほどの小さな黄緑色の花をつけ、2mmほどの丸い実をつけます。葉、茎、実など全身に小さなトゲをつけ、物に引っかけて育ちますが、実はひっつき虫になって人や動物によって散布されます。
ひっつき虫のヤエムグラ(八重葎)の緑いろの花や実
ヤエムグラの茎・葉
ヤエムグラと言う名前は聞いたことがあったのですが、
これがそうだとは、知りませんでした。
いろんなところで、群がって茎をのばしているのを見かけます。
歩く邪魔になるので、見つけては引きぬくことが多いのですが、
良く見ると生きる戦略をもって、したたかに生きているようです。
柔らかく、断面が角ばった茎に間隔をおいて節があり、
葉の先をよくみると、身近な針のようなものが出ていることがわかるかと思います。
茎には下向きに小さなトゲがついていますが、
それだけでなく葉の裏にもついているのが見られます。
他のものにつかまってやるという意気込みというか執念を感じます。
見習いたいものですね。(*^m^*)
このようにたくさんの下向きのトゲがついているので、
ヤエムグラの花言葉は、「抵抗」とつけられています。
「ガッテン」「ガッテン」ですね。
このトゲは触っても痛い感触はなく、怪我などすることはないかと思います。
このトゲで、他のものを引っかけ、つかまるようにして大きくなっているようです。
草丈は、長くなると、1mくらいになっているようです。
花
4月のいつ頃からでしょうか、1~2mmの小さな花がさきはじめました。
写真が良くないのですが、たくさんの花が咲いています。
このように、葉の付け根(葉腋)から延びた茎(花柄)の先についています。
もう少し拡大したのが、つぎの写真です。
ご覧のように、花冠は4裂し、わかりにくいのですが、4個の雄しべがついています。
周囲の葉一面に、たくさんのトゲがついているのもよくわかりますね。
実
ここでは1個の花と、その下に実がついているのが見られます。
花が終わったあとには、このような表面にトゲのような毛がついた、2mmくらいの小さな実がつきます。
実には、このように一面に毛がついているので、洋服によくひっつきます。
おなじみの「ひっつき虫」ですね。
確かめてみました!
たくさん引っ付いてしまうと、取り除くのが厄介です。
草むらに行くときは、気を付け方がいいですね。(^_^)
ヤエムグラの基本情報・花言葉
ヤエムグラ(八重葎)は、ユーラシア大陸、アフリカや日本に分布する、アカネ科ヤエムグラ属の越年草です。
名前は、葉が6~8枚で輪生することから「ヤエ」、密生して藪のように生えることから「ムグラ」とつけられたとのことです。
別名としては、こどもが茎や実についたトゲを利用して服につけて遊んだことから、
クンショウグサ(勲章草)と呼ばれることもあるようです。
学名は、Galium spurium var. echinospermon
花期は4~6月で、茎の先や葉腋から花序をだし、1~2mmほどの小さな黄緑色の花をつけます。
花冠は4裂し、4個の雄しべがつきます。
実は2mmほどの大きさで、表面には鉤状の毛が生えており、獣や人の服などによくくっつきます。
葉は6〜8枚が輪生して、長さ1〜3cm 幅1.5〜4mmの広線形または狭倒披針形で、先端は刺状にとがります。
縁と裏面の主脈に逆向きの刺ががついています。本来の葉は2個で、ほかは托葉の変化したものになります。
茎はやわらかく、4稜あり、稜の上に並んだ下向きの刺でほかのものにひっかかり、長さは60〜90cmになります。
また、ヤエムグラは、有毒ではないので、食べることもできるようですが、
お茶にして飲むこともあるとのことです。
ヤエムグラの花言葉は、「抵抗」。
おわりに
畑の近くの草地で、ヤエムグラが勢いよく伸びています。
果樹に散布した肥料などがあると、一層勢いがいいようです。
柔らかいので、鎌を使わなくても簡単に面白いように引き抜けます。
一見弱々しく見えますが、全身にトゲや毛をつけて、
したたかに生きているようにも見えます。\(^W^)/
参照サイト・書籍
Wikipedia ヤエムグラ
植物の育て方や豆知識をお伝えするサイト ヤエムグラ
高村忠彦監修 日本文芸社「季節の野草・山草図鑑」
林弥栄監修 山と渓谷社 「野に咲く花」
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