ヌルデは7~9月に、大きな円錐花序をつけ、白い小さな花を多数咲かせます。実は10~11月に黄色く熟します。名前は、幹に傷をつけて採った白い樹液を塗料にしたことに由来し、葉がついた軸に翼がつくのが特徴です。ここでは、ヌルデの詳細とハゼノキとの違いについてまとめました。
白い花が咲くヌルデ、ハゼノキとの違い
ヌルデとハゼノキの違い ~ まとめ ~
ヌルデの近縁種に、同じウルシ科のハゼノキがあり、よくにています。どちらも雌雄異株で葉は奇数羽状複葉になりますが、ヌルデは、花期が7~9月、葉に鋸歯があり、葉軸に翼があることが特徴で、ハゼノキは、花期が5~6月、葉が全縁で、葉軸に翼はありません。
ヌルデの近縁種には、ヤマハゼ、ウルシ、ヤマウルシなどがあります。詳しくは、「葉と枝による樹木検索図鑑 ハゼノキ-ヤマハゼ-ウルシ-ヤマウルシ」などをご覧ください。
| ヌルデ | ハゼノキ | |
| 花期 | 7~9月 | 5~6月 |
| 実 | 扁平、細毛 | 扁平、無毛 |
| 鋸歯/全縁 | 鋸歯 | 全縁 |
| 葉軸 | 翼あり | 翼なし |
ヌルデの特徴とハゼノキとの違い
ヌルデの白い花
8月になり、山ではヌルデの白い花がよく目につきます。
ヌルデはパイオニア(先駆)植物で、伐採後や崩壊地にいち早く生えてくる樹で、よく見かけますが、
いくつもの小さな枝をだし、15~30cmほどの大きな円錐花序になって、5mmほどの小さな花をたくさんつけています。
ヌルデの名前は、樹皮に傷をつけて樹液をとり、塗料にしたことに由来します。
別名に、カチノキ(勝の木)があります。これは、聖徳太子が、蘇我馬子と物部氏との戦いにあたって、ヌルデの木で仏像を作って馬子の戦勝を祈願したといわれていることから、「勝の木(カチノキ)」と呼ばれるようになったとのことです。
また、ヌルデからは、五倍子(ごばいし)あるいは付子(ふし)と呼ばれる生薬をとることができ、工業用のタンニン酸製造の原料として使われてきたとのことです。このため、フシノキとも呼ばれます。
いまは、あまり栽培されていないようですが、昔からよく利用されてきた樹木のようです。

ヌルデの花
ヌルデの葉

ヌルデの葉
ヌルデは、葉軸に特徴があります。
葉は、奇数羽状複葉で幹に互生してつきますが、写真のように、葉をつけた軸に、翼がついています。
このような形は、あまり見かけることがないと思うので、見分けやすい樹だと思います。(#^.^#)
ハゼノキとの違い
よくにた樹にハゼノキ(櫨の木)があります。
つぎの写真は、以前とったものですが、同じ奇数羽状複葉ですが、葉軸に翼がなく、光沢もちがっています。
花期も5~6月で、ヌルデの7~9月より早いため、見分ける参考になるかと思います。

ハゼノキ(櫨の木)の葉
ヌルデの基本情報・花言葉
ヌルデ(白膠木)は、東南アジアから東アジアや、日本の北海道から沖縄に自生するウルシ科ヌルデ属の落葉小高木で、雌雄異株です。
ヌルデの名前は、昔、幹に傷をつけて白い樹液をとって塗料にしたことに由来します。
別名は、フシノキ、カチノキです。フシノキは、五倍子(ゴバイシ)と呼ばれる生薬が採れますが、付子(フシ)とも呼ばれることから、フシノキとなったと言われます。
また、聖徳太子が、蘇我馬子と物部氏との戦いにあたって、ヌルデの木で仏像を作って馬子の戦勝を祈願したといわれていることから、「勝の木(カチノキ)」と呼ばれるようになったとのことです。
学名は、Rhus javanica
属名は、 Rhus は、ギリシア語でウルシの古名である "rhous"(流れ、あるいは地中海沿岸の別のウルシ属植物の名称) をラテン語の化したものと言われています。また、ケルト語で「赤」を意味する "rhudd" に由来するという説もあります。
種小名 の javanica(ヤバニカ)は、ラテン語で 「ジャワ島の(Javaの)」 を意味し、模式標本(タイプ標本)や記載の経緯からこの名が付けられたと言われます。
英名は、Chinese sumac
原産地である Chinese(中国の)と、植物名である sumac(ウルシ科の低木)が組み合わさった言葉です。
花期は7~9月で、枝の先端に、15~30cmの長さの円錐花序になって、白く小さな花をたくさん咲かせます。
実は、直径約4mmの扁球形で、10〜11月にオレンジ色に熟し、塩味がする白い物質(リンゴ酸カルシウム)を分泌します。
葉は互生し、長さ30~60cmの奇数羽状複葉で、小葉は5~12cmの長い楕円形で鋸歯があります。また、葉軸には翼があります。
樹高は5〜6mで、直径10cmほどになります。樹皮は褐灰色で、楕円形の皮目が目立ちます。
ヌルデは、伐採後地や、崩壊地などによく生える、パイオニア(先駆)植物です。かぶれることがあるので、気をつけたほうがよさそうです。
燃やすとパチパチと音がでるため、火を燃やして祈祷する護摩祈祷に使用されてきました。
これはチロースと呼ばれる組織が爆発する音といわれます。チロースは、辺材部が心材部に移行するときにできる組織で、辺材部の導管を閉鎖するための充填体で、風船のような形になるもののようです。(楢原纒著 「神々と植物」)
ヌルデの花言葉は、「信仰」「知的な」「華やか」「壮麗」で、11月27日の誕生花です。
ハゼノキの基本情報・花言葉
原産地、分類、特徴
東南アジアから東アジアの温暖な地域が原産で、ムクロジ目ウルシ科ウルシ属に属する落葉小高木(高木)です。
日本へは江戸時代頃に琉球王国から木蝋を採取する資源作物として導入され、現在では関東地方南部以西から沖縄にかけての山野や海沿いの山地に生息・自生しています。
秋に葉が鮮やかな深紅に美しく紅葉することで広く知られていますが、ウルシ科特有の成分を含み、触れると皮膚がかぶれることがあるため注意が必要です。
名前について
ハゼという名は古くはヤマウルシを指しており、その紅葉が埴輪の色に似ていることから、埴輪を作る土師(はにし)の工人にちなんで名付けられ、それが転訛したといわれています。
漢字では、「櫨」や「黄櫨」が使われます。
別名は「リュウキュウハゼ」「ロウノキ」「トウハゼ」「ハジモミジ」など。
リュウキュウハゼは木蝋作りの文化が琉球王国から伝播したことに由来し、ロウノキは果実から蝋が採れることにちなんでいます。
また、紅葉の美しさからハジモミジと呼ばれたり、材木としては単に「ハゼ」とも称されます。
学名は、 Toxicodendron succedaneum
属名の Toxicodendron は、ギリシア語で「毒」を意味する toxikon と「樹木」を意味する dendron に由来し、有毒でかぶれる性質を表しています。
種小名の succedaneum は、ラテン語で「代用の」「代理の」を意味し、ウルシなどの代用として蝋を採取したことにちなみます。
英名は、 Japanese wax tree 、 wax tree
果実の皮から「日本蝋(Japan wax)」と呼ばれる木蝋が精製される木であることに由来しています。
花
花期は初夏にあたる5〜6月で、花の大きさは直径約2mmの小花で、黄緑色(クリーム色・黄白色)をしています。
花弁は5個で、外側に反り返る特徴を持ちます。雌雄異株(別株)であり、雌花には退化した雄しべと中央に1個の雌しべ(柱頭が3裂)があります。
雄花には5個の雄しべが発達しています。花序は長さ5〜10cmの円錐花序を形成し、葉腋から垂れ下がるように小花を密につけます。
実
実は核果で、大きさは直径9〜13mmほどの扁球形(楕円形)です。
色は若い緑色から、9〜10月頃に淡褐色からクリーム色(熟しきると黒褐色)へと成熟し、表面には光沢があります。
実の内には種子(飴色の硬い核)が1個入っており、核の大きさは幅約7mm前後で縦筋があります。
薄い外果皮の内側には、蝋質を含む縦の繊維質な白い中果皮が存在します。
葉、茎
葉は互生し、長さ20〜30cmの奇数羽状複葉で、4〜8対の小葉がつきます。
小葉は、長さ5〜12cm 幅1.8〜4cmの広披針形から狭長楕円形で、先端が長く尖り、葉縁に鋸歯のない全縁です。
両面とも無毛で、裏面は緑白色を帯びます。若枝は灰褐色から帯赤褐色で無毛、目立つ皮目があり、老木の樹皮は暗赤色から灰褐色で縦に網目状の裂け目ができます。
樹高は5〜10m、幹の直径は通常8〜12cmになります。
利用のされ方
実の中果皮を圧搾・加熱して得られる植物油脂「木蝋(櫨蝋)」は、和蝋燭をはじめ、ポマードやチックなどの整髪料、化粧品、文化財修復の原料として重宝されてきました。
また、鮮やかな黄色をした木材は軽量で弾力性に優れ、寄木細工の材料や和弓の部材に加工されます。
また、秋の美しい紅葉を観賞するために庭木や公園樹、盆栽としても広く親しまれています。
花言葉、誕生花
花言葉は「真心」
澄み渡る秋空のもとで一点の曇りもなく鮮やかに真っ赤に染まる紅葉の純粋な美しさや、自らを削って良質な灯火(蝋)を提供する姿にちなむといわれています。
誕生花は11月16日、11月17日、11月19日です。
参照サイト
Wikipedia ヌルデ ハゼノキ ヤマハゼ ウルシ ヤマウルシ
e-yakusou.com ヌルデ
かのんの樹木図鑑 ウルシ科の葉
庭木図鑑 植木ペディア ハゼノキ
葉と枝による樹木検索図鑑 ハゼノキ-ヤマハゼ-ウルシ-ヤマウルシ
Chills Laboratory ヌルデ
花言葉 花の持つ言葉 ハゼノキ











