ムシトリナデシコ(虫取撫子)は、葉の下から粘着液を出して虫を捕まえる雑草です。食虫植物ではなく、受粉に寄与しない虫を近ずけないためとのことです。ヨーロッパ原産のナデシコ科の越年草で、赤や白の花があります。全般の花言葉は「罠」「未練」。
粘液で虫を捕えるムシトリナデシコ(虫取撫子)に咲く赤い花
ムシトリナデシコの花
車で通りかかった側道に、ムシトリナデシコ(虫取撫子)の花がたくさん咲いていました。
赤紫の花なので、よく目につきます。
真っすぐ上に伸びた茎が枝分かれして、その先に花序になっていますが、
個々の花には、15mmほどの筒状の萼があり、その先に花をさかせています。
茎の上のほうについた葉の下で、粘着性の液を出して、アリなどの蜜を吸いに来る受粉に貢献しない虫を捕まえる
といわれることからムシトリナデシコと名づけられたと言われます。
ヨーロッパ原産のナデシコ科の多年草で、日本へは江戸時代に渡来したようです。
花の近くがネバつく樹に、モチツツジがありますが、同じ効果があるようにも思われ、興味深く感じます。
周辺にはたくさんのムシトリナデシコが生えていました。
毎年種をつけては落とし、秋に発芽して春に成長する越年草です。
種が風に運ばれたのでしょう、石垣の上でも、あちこちに生えています。
ムシトリナデシコの花言葉は、「罠」「未練」。
茎に粘液をつけて虫をとり、花を守ることからつけられたようですね。
もう少し近いづいてみると、
花の直径は1cmくらいで、先が広がった花びらを5枚つけています。
雌しべは10本ほどあると言われます。
ムシトリナデシコには、白い花もあります。こちらもきれいですね。
ムシトリナデシコの実
ムシトリナデシコの実は、写真のような細長い蒴果(サクカ)で、
熟して乾燥すると、先端が6つに分かれて裂け、種を落します。
たくさん生えているムシトリナデシコは、こぼれ種によって増えたものだろうと思います。
ムシトリナデシコの茎・葉
ムシトリナデシコは、地面からまっすぐ茎がのび、たくさんの葉をつけますが、
草丈は30~60cmほどになります。
写真のように、葉は先が細く根元が広めの広披針形と呼ばれる形で、縁には鋸歯がみられません。
また、葉柄がなく、茎を包むように、茎に対生しています。
茎についた粘液と、つかまった虫
茎につけるという粘液を調べて見ました。
ありました。葉の下に、2~3cmくらいでしょうか、黄色い部分が見えます。
これが粘液で、ご覧のようにどの葉の下にもついているようです。
ただ、茎の下のほうにはついていませんでした。
ある程度の高さの葉の下に粘液をつけて、それ以上登らないようにしているようです。
このように、下部には花が咲いていないので、必要がないのか、粘液をつけていないようです。
粘液を節約しているんでしょうか。
気の毒ですが、このようにつかまる虫もいるようです。
小さな虫で羽根がついているので、アリではないようです。名前のように、虫をとることがあるようですね。
昔、粘液がついた細長いハエトリ紙を家の中にぶら下げて、蠅をとったことを思い出しました。
ムシトリナデシコの基本情報・花言葉
ムシトリナデシコ(虫取撫子)は、ヨーロッパ原産ですが、世界の温暖地域に広く分布する、ナデシコ科 マンテマ属の越年草です。
日本には、江戸時代に鑑賞用として輸入されましたが、野生化して広がっているようです。
茎の上部についた葉の下から、粘着液を出し、登ってくるアリなどの虫をとらえることがあると言われ、名前の由来になっています。
別名として、ハエトリナデシコ(蠅取撫子)、コマチソウ(小町草)、ムシトリバナ(虫取花)などとも呼ばれるようです。
学名は、Silene armeria
英名は、Sweet William Catchfly
花期は5~6月で、茎の先に直径1cmほどの花を円錐花序でつけます。
花びらは5枚で、10本ほどの雌しべがあります。
草丈は30~60cmで、葉は卵形ないし広按針形(コウヒシンケイ)で、
茎を包むように、対生してつきます。
なお、花の色は、赤や白があります。
全般的なものは、「罠」「未練」、赤は「青春の恋」、白は「裏切り」。
いずれも、咲いた花の下に虫を捕まえる粘着液をだすことに由来しているようです。
おわりに
通りすがりに道端で見かけたムシトリナデシコですが、普通に見るナデシコの花とは、違っていたので以外でした。
しかも、粘液を出して虫を捕まえるとのことには少し驚きました。
あぜ道や空き地で見かける花には帰化植物が多いようですが、ムシトリナデシコもヨーロッパから来た植物のようです。(^_^)
参照サイト
Wikipedia ムシトリナデシコ
続・樹木の散歩道 ムシトリナデシコ
花言葉-由来 ムシトリナデシコ
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