6月半ばを過ぎ、ネムノキ(合歓木、合歓の木)にピンクのきれいな花が咲いています。マメ科の落葉小高木で、裸地などにいち早く生えるパイオニア植物ですが、夜に葉が閉じることからネムノキと名づけられました。漢名の合歓木は、夫婦円満を意味するそうです。
ネムノキ(合歓木、合歓の木)のピンクの花
ネムノキの花
国道を車で走っていると、ネムノキのピンクの花が目に入りました。花がピンクできれいな花なので、すぐにネムノキとわかります。
山ではつぎつぎと樹に花が咲いていますが、この花も印象的な花で、毎年咲くのが楽しみです。
それにしても、殺風景だった冬と違い、つぎつぎと違った花が咲いてくるのを見るのは、楽しいと思います。
近ずいて見ると何となく神秘的な感じもして綺麗ですね。枝先にピンクの雄しべが10~20個ついており、先端についた小さく黄色な葯も印象的です。
その中で、先端も白い長く伸びたものが(写真では良く分かりませんが)、雌しべになります。花びらは花の付け根の部分にありますが、ほとんど見えません。
花が終わると、たくさんの莢(サヤ)をつけます。ネムノキは、マメ科に属し、根粒菌と共生して育つパイオニア植物です。
ネムノキの葉
葉も特徴があります。ネムノキの名前の由来は、葉が夜になると閉じ、あたかも寝たように見えることによります。
葉の開閉は、付け根の部分に内部圧力を変化させる仕組みがあり、これにより行われるようです。
葉の全長は20~30cmで、左右対称に細長い楕円状の小いさい葉を15~30個つけます。
また、葉の形は2回偶数羽状複葉と呼ばれす。複葉が2回繰り返されており、先端は二つの葉がでているので偶数と呼ばれます。(南天は、3回奇数羽状複葉になります。)
ネムノキの種
つぎの写真は、ネムノキの種子です。9月ころに、莢(サヤ)に包まれた種子をつけます。
ネムノキ(合歓木、合歓の木)の基本情報・花言葉
ネムノキは、イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島や、日本の本州から九州、南西諸島に分布する、マメ科ネムノキ亜科の落葉小高木ですが、街路樹や庭木としても植えられます。
ネムノキの名前の由来は、夜になると葉が合わさって閉じて(就眠運動)眠るように見えることによります。「合歓木」は、中国ではネムノキは夫婦円満の象徴とされるためとされます。
また、地方によってネブノキやネブタノキと呼ばれるそうです。東北地方で夏に行われるねぶた祭りの名前は、ネブノキに由来するとの説もあるようです。
花期は6~7月で、枝の先に花柄を出し、ピンクの花10~20個からなる頭状花序をつけ、夕方に開きます。雄しべの花糸はピンクで長く、外に突き出します。花びらは小さく、目立ちません。
葉は、大きな2回偶数羽状複葉で、たくさんの小葉をつけますが、夜は小葉が閉じます。
樹高は6~10mになり、陽樹で、荒れ地に最初に侵入するパイオニア植物です。
樹皮や葉を乾燥したものは合歓や合歓皮と呼ばれ、利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身などに薬効があり、薬草として用いられてきたようです。(イー薬草・ドット・コム)
ネムノキの名前を聞くと、宮城まり子さんの合歓の木学園をおもいだします。宮城さんも、この花に魅力を感じたのでしょうね。
ネムノキの花言葉は、「歓喜」「胸のときめき」で、7月15日、7月21日、8月17日の誕生花です。
参照サイト
Wikipedia ネムノキ
花言葉-由来 ネムノキ
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