ナツズイセン(夏水仙)は、7~8月に、長く伸びた茎の先端にユリににた筒状のピンクの花を4~8個咲かせます。葉が水仙ににており、夏に咲くのが名前の由来です。中国原産で、古い時代に渡来し、日本の本州から九州に分布するヒガンバナ科の多年草です。
ユリににたピンクの花を咲かせるナツズイセン(夏水仙)
ナツズイセンのピンクの花
近所の知人宅で咲くナツズイセン(夏水仙)です。
2~3日前に、花が咲きそうだといって見せてもらったときはツボミだったのですが、すぐに花が咲きました。
ユリににていますが、中国原産のナツズイセンです。
古い時代に日本に帰化し、いまは、本州から九州にかけて分布しているといわれます。
いままで見た記憶がなかった花ですが、花の直径は10cmくらいでしょうか、ピンクのきれいな花です。
葉がスイセンに似ていて、夏に咲くので、ナツズイセンと名前が付けられましたが、スイセンの仲間ではなく、ヒガンバナ科の花になります。
たしかに、花茎が先端で分かれて、花が水平向きに咲いている様子は、ヒガンバナの咲き方によく似ています。
また、葉がない状態で花が咲き、ユリににた花なので、ハダカユリ(裸百合)とも呼ばれます。
さらに、ケイセイバナ(傾城花)やピーピーグサなどと呼ぶ地方もあるようです。
草丈は60cmほどで、地下の鱗茎から長く伸びた花茎の先に、4~8個ほどの花を散形花序で咲かせています。
花の大きさや色は違いますが、アガパンサス(紫君子蘭)の花ににているようにも思います。
花は、ラッパ状で、長く伸びた先が6枚に分かれ、6本の雄しべと、1本の雌しべがついています。
蕊の先が上向いているのも印象的です。
ツボミ(蕾)
花茎の先端に、上を向いたツボミがいくつもついていて、そのうちの2個が大きく外側に傾いて、いまにも咲きそうです。
ツボミは上を向いていますが、花は前の写真のように、外側に向きに水平にさきます。
また、いろは、咲いた花がピンクなのに対して、ツボミは紫色に見えます。
ナツズイセンは、花が咲くころに葉がなく、花茎だけが伸びて花が咲き、その後、葉がせてくるのもヒガンバナとにています。
葉
花の時期にはまだ出ていない葉ですが、花が終わったあと、秋に出てきます。
写真のように、扁平な細長い葉で、たしかにスイセンの葉を思わせます。
また、花が終わった後に葉を出し、冬に葉が茂って、5月ごろにその葉が枯れ、8月ごろに花が咲きます。
彼岸花の詳細については、つぎの記事をご覧ください。
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また、三倍体植物といわれ、種をつけず、地下の鱗茎が分かれて増えます。
ナツズイセンの基本情報・花言葉
ナツズイセン(夏水仙)は、中国原産で、日本の本州から九州に分布するヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、古い時代に中国から伝来した帰化植物です。
葉がスイセン(水仙)ににていて、夏に花が咲くことから、ナツズイセン(夏水仙)と名づけられました。
また、花が咲く時期に葉がないので、ハダカユリ(裸百合)とも呼ばれます。
学名は、Lycoris squamigera
英名は、resurrection lily, pink ladies, magic lily
花期は7月.下旬~8月で、地下の鱗茎から50~90cmほどの花茎を出し、先端に散形花序で4~8個の花を外向きに咲かせます。
花はピンクで、直径が10cm、長さが7cmくらいの筒形で、先端が6枚に別れ、ラッパ状に開きます。
秋から春にかけて、スイセンににた30~50cmの葉を出し、5月ころに枯れ、その後8月頃に花が咲きます。
ヒガンバナと同じで、三倍体植物のため、花は咲いても種をつけず、地下の鱗茎が分かれて増えます。
ナツズイセンの花言葉は、「深い思いやり」「快い楽しさ」「楽しむ」「悲しい思い出」などで、8月22日の誕生花です。
参照サイト
Wikipedia ナツズイセン
ガーデニング図鑑 ナツズイセン
日本生物生理学会 みんなのひろば 植物Q&A 三倍体植物
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 ナツズイセン