ジシバリ(地縛り)は、4~6月に黄色い舌状花を咲かせ、その後、綿毛をつけます。地面にそって伸びる細長い茎から根を出し、地面を縛るように見えるためジシバリと名づけられました。中国、朝鮮半島や日本全土に分布する、キク科ニガナ属の多年草です。
ジシバリ(地縛り)に咲く黄色い花と綿毛
ジシバリの黄色い花
家の近くで、ジシバリ(地縛り)の黄色い花が咲いています。
花は、写真にようにタンポポににた直径2~2.5cmの花で、日当たりのいい乾燥した場所でよく見かけます。
キク科の多年草で頭状花ですが、中心部の筒状花はなく、舌状花だけで咲くのが特徴です。
拡大してみました。
花びらには、長手方向にスジがつき、先端にギザギザが見られます。
また、中心部からたくさんの棒状のものがでて、先端が2つに分かれて丸まっています。こちらは雌しべになります。その下の黒っぽい部分が雄しべで、周辺の花びらにつながり、その下に綿毛になる萼や、実になる子房がついています。詳しくは、こちらをご覧ください。
花が終わると、花びらや雌しべ、雄しべが落ち、綿毛がのびて種を飛散させます。
ジシバリは、つぎのように日当たりのいい乾燥した場所で集まって生えているのをよく見かけます。
写真のように、細い茎を地面にそって伸ばし、ところどころに根を下ろして葉を出し、地面を覆っています。このような様子から、ジシバリ(地縛り)と名づけられました。葉は薄く、長さ0.9~3cmの卵円形~広円形で、長い葉柄がついています。
また、岩の上でも少しの土があると生え、葉や茎に白くニガイ液を含むので、イワニガナとも呼ばれます。
花言葉は、「束縛」「人知れぬ努力」。「束縛」は地面を縛っている様子から、また「人知れぬ努力」は岩の上でもがんばって生えることに由来すると言われます。
ジシバリはタンポポとよくにていますが、タンポポは舌状花の数が多く、葉は細長いギザギザがある根性葉なので、見分けはつきやすいと思います。
ジシバリの綿毛
ジシバリの綿毛は、タンポポの綿毛にくらべて小さく咲くようです。
きれいな球形になるものもあるのかもしれませんが、見かけたものは写真のような形で小さなものでした。
拡大してみたのが、つぎの写真です。
こちらの写真では、5個の綿毛がついていますが、中心部からたくさんの白い毛が出ています。中心部に見られる点のようなものは、雄しべがついていた後だと思われますが、この下に実をつけているはずです。
そして、風によってほかの場所に飛ばされ、新しい土地に種を落すだろうと思います。
ジシバリの基本情報・花言葉
ジシバリ(地縛り)は、中国、朝鮮半島や日本全土に分布するキク科ニガナ属の多年草です。
名前は、細長い茎が地面をはい、所々に根をだして地面を縛っているように見えることに由来します。
別名は、イワニガナ(岩苦菜)。岩の上でも少しの土があれば生えるニガナであることに由来します。なお、葉や茎に含まれる白い液がニガイため、ニガナと呼ばれます。
学名は、Ixeris stolonifera
英名は、Creeping lettuce
花期は4~6月で、高さ8~15cmの花茎の先に、直径2~2.5cmの黄色い舌状花を1~3個咲かせます。
実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)で、綿毛ができます。
葉は薄く、長さ0.9~3cmの卵円形~広円形で、長い葉柄がつきます。
ニガナの花言葉は、「束縛」「人知れぬ努力」。
「束縛」は、地面を這い、ところどころに根を下ろして地面を縛るような様子に由来し、「人知れぬ努力」は土の少ない岩の上でも生えることによるといわれます。
参照サイト・書籍
Wikipedia イワニガナ
北海道大学 露埼史朗 キク科
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 ジシバリ
林 弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」