カキドウシ(垣通し)は、4~5月に薄紫の唇形花を咲かせます。人形のようなユーモラスな花ですが、ツル状の茎が垣根を通り抜けるほど勢いがいいとして、「垣通し」とつけられました。若葉は食用になり、薬効もあるので生薬としても利用されてきました。
カキドオシ(垣通し)は、春に薄紫の唇形花を咲かせます
カキドウシの薄紫の花
近くの空き地のあちこちで、カキドオシ(垣通し)の花がさいています。
ご覧のように薄紫で、形が人形のような形をしたユーモアな花だと思いますが、いかがでしょうか?
カキドウシは、シソ科なので、シソ科独特の唇形花(唇のように上下に分かれて咲く形の花)をつけています。
ツル性の多年草で、ツルがよく伸びて垣根を通りすぎるぐらい勢いよく伸びるので、この名前がつけられました。
花言葉は「楽しみ」、「享楽」、「快楽」で、5月28日、6月12日の誕生花です。
花言葉も、ツルが勢いよく伸びる様子からつけられたもののようです。
花の形をもう少し詳しくみてみます。
花の長さは20mmくらいです。
唇と言ってもあまり唇らしく見えないのですが、上唇は小さく、下唇は大きくなっていて、上唇が頭、下唇が手足と、胴体にみえます。お分かりでしょうか?
そして、胴体の胸の部分がくぼんでいて、足にかけて濃紅紫の斑点がつき、縮れた白い毛がついています。
上唇の下に小さくついているのが雄しべで、4個みられます。
なぜこのような形になっているのかわかりませんが、見てみると楽しいものですね。(^_^)
カキドウシは、アジア全般に分布し、日本でも全土に自生していると言われるので、近くに生えているかもしれません、
見かけたら観察してみてはいかがでしょうか。
この野原では草むらのあちこちに生えていて、この薄紫の花はよく目立っています。
若い葉は、あく抜きをすると食べられるそうです、また、茎や葉は乾燥してお茶や生薬にもされるとのことです。
でも、小さいので、量を採るのは大変かもしれません。(⌒ ⌒;)
カキドオシの花と葉
カキドウシの花は、ご覧のように、2枚の葉の腋についています。
花柄はほとんどないようですね。
この写真では、ツボミや花が1個と2個がついていますが、普通は、1~3個つくと言われています。
他の植物でも、花がつく場所は、葉腋につくことが多いようですね。
こちらの写真にも、花と葉が写っています。
葉は円形にちかく、長さ1.5 ~ 2.5 cm 幅2 ~4 cmの大きさで、茎に間隔を置いて2枚が対になってついています。
葉柄は長さ1.5 ~10 cmで、葉の縁には波形の浅い鋸歯がみられます。
また、春の葉は小さいのですが、夏になると大きくなり、揉むと強い香りがします。
カキドウシは、野原や空き地で元気に育つ楽しい野草だと思います。
カキドオシの基本情報・花言葉
カキドオシ(垣通し)は、中国、朝鮮半島、台湾、シベリア、アジアの温帯地域や、日本全土に分布するシソ科カキドオシ属のツル性多年草です。
茎がツル状で、垣根を通り抜けるほど勢いがいいことから、「垣通し」と名付けられました。
別名として、葉が連なっていることからレンセンソウ(連銭草)、子供の癇に効果があるとしてカントリソウ(癇取草)があります。
学名は、Glechoma hederacea subsp. grandis
英名は、Alehoof
花期は4~5月で、葉腋から1~3個の花が出て咲きます。花の色は薄い紫から淡紅紫色、唇形花で長さは約20mm。
下唇は2つの小さな側裂片と2つの中央裂片で構成され、中央裂片は大きく前に突き出し、内面に濃紅紫色の斑点とちぢれた毛がつきます。
上唇は小さめで、内側に雄しべが4個つきます。
葉は対生し、円形で長さ1.5 ~ 2.5 cm 幅2 ~4 cm、長さ1.5 ~10 cmの葉柄がつき、葉縁は波形の浅い鋸歯があります。
また、春の葉は小さいですが、夏の葉になると大きくなり、葉は揉むと強い香りがします。
茎の断面は四角で、花が咲く頃は5 ~20cmほどの高さに直立しますが、
花が終わったあと、茎が伸びるに従ってつる状になって地面を這い、節から根を下ろして、長さが1m 以上になります。
若い葉は食用になり、あく抜きをして和え物やお浸しにして食べられるようです。
また、血糖値降下作用、体内の脂肪や結石を溶解させる作用などがあるとされ、薬用として利用されてきました。
カキドオシの花言葉は、「楽しみ」、「享楽」、「快楽」で、5月28日、6月12日の誕生花です。
ツルが元気に伸びる様子からつけられた花言葉のようです。
参照サイト・書籍
Wikipedia カキドオシ
Chills Laboratory カキドオシ
林 弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」