ミセバヤは、万葉のころから、園芸品種として栽培されてきましたが、いまは全国で野生化していると言われます。10~11月にピンクのきれいな花を咲かせ、晩秋に葉が紅葉します。香川県小豆島や奈良県が自生地と言われるベンケイソウ科の多肉性の宿根草です。
多肉性のミセバヤには、ピンクの花が咲きます
ミセバヤのピンクの花
石垣に生えた多肉質のミセバヤに、きれいなピンクの花が咲いています。
ふだんは、長く伸びた茎に、白っぽい葉がついているだけなので、あまり注目することがなかったのですが、
先日通りかかった時に花が咲いていたので、思わず撮らせていただきました。
調べて見ると、名前は「ミセバヤ」という、変わった名前でした。
その昔、高野山のお坊さんが、和歌の師匠に、この植物を「ミセバヤ(みせたい)」と書いて送ったことから、この名前がついたとのことです。
ちょっとかわった名前の付け方ですね。
別名は、玉緒(タマノオ)。ながく伸びた茎の先に、玉にような花を咲かせることに由来しているとのことです。
ミセバヤの自生地は香川県小豆島や奈良県だとされますが、万葉の時代から園芸として栽培されてきたようです。
江戸時代までは盛んに作られていたようですが、
その後は、近縁種のベンケイソウ科植物が輸入されたのに伴って下火になったと言われます。
花は、つぎの写真のように茎の上部に、数本の枝を出してたくさん咲いています。
一つひとつの花は、1cmくらいの大きさで、先が尖った花びらを5枚つけ、たくさんの雄しべがついています。
雄しべは長くのび、その先に花粉がつまった茶色い葯がついています。
大きな花ではないのですが、花全体がピンクで鮮やかですね。 (^◎^)
まだ咲き始めたところのようで、先が尖ったツボミもたくさんついています。
花言葉は、「大切なあなた」「つつましさ」で、10月15日の誕生花です。
「大切なあなた」は、和歌の師匠への贈り物にしたことからでしょうか、
「つつましさ」は花の咲く様子からつけられたのでしょうね。
ミセバヤの茎・葉
石垣から、垂れ下がってのびた茎を横から見てみました。
ミセバヤの別名は、玉緒(タマノオ)ですが、長く伸びた茎の先に玉のような花を咲かせていることに由来しますが、
このような姿からつけられたんでしょうね。
葉はふっくらした多肉質の薄緑色で、間隔を置いて、3枚一組で(輪生)茎についています。
ふっくりとした柔らかそうな葉ですが、縁に低く丸みを帯びた鋸歯がついています。
茎も同じように薄緑が主体のようですが、赤みをおびているようです。
別の場所の葉には、このように、縁が赤くなっているものが見られました。
ミセバヤの葉は、晩秋になると紅葉して赤くなるとのことです。
そろそろ赤くなり始めているようですね。
おわりに
植物は、時期がくると花が咲き、きれいな姿を見せてくれますが、
ミセバヤにも、鮮やかなピンクの花が咲き出しました。
ふだんの茎と葉だけの様子もいいのですが、花が咲くとやっぱり引きつけられます。
花はまだ咲き続けるようですが、寒くなると葉が赤く変化するのも楽しめそうです。
いろんな姿で楽しませてくれ、万葉のころから親しまれてきたミセバヤも、いいものだと思います。(^_^)
ミセバヤの基本情報・花言葉
ミセバヤは、香川県小豆島や奈良県が自生地と言われる、ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多肉性の宿根草です。
万葉のころから園芸品種として栽培されてきましたが、いまは全国で野生化していると言われます。
名前は、高野山の僧侶がこの植物を和歌の師匠に送ったときに、「ミセバヤ」(みせたいの意味)の言葉を添えたことに由来すると言われます。
別名は、玉緒(タマノオ)。ながく伸びた茎の先に、玉にような花を咲かせることに由来しているとのことです。
学名は、Hylotelephium sieboldii
英名は、Siebold's stonecrop
花期は10~11月で、花茎の先近くに数本の枝を出してたくさんの花をつける散房花序を咲かせます。
個々の花は、ピンクで直径は1cmほど、花びらは5枚で、長さは約4mm。
葉は葉柄がなく多肉質で、茎に間隔をおいて3枚づつ輪生してつきます。
葉の色は白っぽい緑ですが、縁は赤くなり、晩秋には全体が赤く変わります。
茎は長さが20~30cmになり、斜め上に伸びたり、下に垂れさがります。
ミセバヤの花言葉は、「大切なあなた」「つつましさ」で、10月15日の誕生花です。
「大切なあなた」は、和歌の師匠への贈り物にしたことからでしょうか、
「つつましさ」は花の咲く様子からつけられたのでしょうね。
参照サイト
Wikipedia ミセバヤ
みんなの趣味の園芸 ミセバヤ
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 ミセバヤ
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