ヨメナ(嫁菜)は、本州中部以西、四国、九州に分布するキク科の多年草です。道端でよくみる植物ですが、山間でも見かけ、やや湿ったところを好むと言われます。万葉集では「ウハギ」という名前で登場し、食用に春の若芽を摘んでいる様子が読まれているようです。
<目次>
ヨメナ(嫁菜)の薄紫の花
ヨメナの花


ヨメナの薄紫の花
庭の花壇に咲いた薄紫のヨメナの花です。
栽培品種の菊と同じ場所に毎年生えて、きれいな花を咲かせます。万葉集にも登場し「ウハギ」という名前で、食べるために春の若芽を摘んで煮ている様子が読まれているようです。
本州の中部以南で自生するキク科の多年草なので、暖かい地方ではよく見られる花なんだろうと思います。
自生する植物としては、きれいな花だと思いますね。(^⊆^)
近縁種に、ノコンギク(野紺菊)やユウガギク(柚香菊)かと思ったのですが、葉の様子や傷つけた葉の匂いなどから、ヨメナ(嫁菜)だろうと判断しました。
間違っていたら、訂正する可能性がありますので、ご承知くださいませ。
これらの花は、秋に咲きますが同じキク科で春に咲くミヤマヨメナ(深山嫁菜)という花もあり、5月に記事に書きました。
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春に咲くミヤマヨメナ(深山嫁菜)のピンクの花
ミヤマヨメナは、春に咲くキク科の植物です。5月のいま、近くの野で、薄いピンクや白い花が、小さく群生して咲いています。ミヤマヨメナの改良品種にミヤコワスレがありますが、他のヨメナ類(開花時期は7月ころ) ...
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ヨメナの花期は7~10月、花の色は白や薄紫の頭状花で、外側にサジ型の白や薄紫の舌状花が15~20個並び、内側に黄色い管状花が密生します。こちらの舌状花の数は、20個でした。


ヨメナの花々
形のいい花を撮ろうと思ったのですが、舌状花は乱れ気味のものが多いようです。
ヨメナは長く咲き続けるので、花の近くには、花後についた実(冠毛が見られないようです。)や、紫のツボミが見られます。
ヨメナの葉・茎


ヨメナの茎と葉
ヨメナは、写真のように茎に葉が対生し、茎の上部では葉の付け根から茎が枝のようにのびて、その先に花を咲かせています。
このヨメナの草丈は50cmくらいですが、大きくなると1mくらいになるようです。
葉は互生し、長めの楕円形で状で、粗い鋸歯があります。色は深緑で、つやがありません。
表面に細かな白い点々が見られますが、長い毛はなく、触るとざらざらした感触があります。


ヨメナの葉
ヨメナは、地下茎が周辺によく伸びて、茎を出すため、群落をつくることが多いようです。
ヨメナの基本情報・花言葉
ヨメナ(嫁菜)は、本州中部以西、四国、九州に分布するキク科の多年草です。
道端でよくみる植物ですが、山間地でも見かけ、やや湿ったところを好むと言われます。
名前は、嫁菜とも夜目菜とも書かれ、由来ははっきりしないようですが、美しく優しげな花を咲かせるために「嫁」の名がつけられ、若芽を摘んで食べたため「菜」が用いられたとの説ががあるようです。
古くから、若芽を摘んで食べられてきたそうで、万葉集には「ウハギ」という名前で出ているとのことです。また、古名としては「オハギ」も使われていたようです。
別名として、ハギナ(萩菜)、ヨメハギ(嫁萩)などがあるようです。
学名は、Aster yomena。
英名は、Kalimeris。
花期は7〜10月で、秋に枝分かれした茎の先端から花茎を伸ばし、その先に直径約3cmの青紫色の頭状花を1個つけます。頭状花は、外側にサジ型の白や薄紫の舌状花が15~20個並び、内側に黄色い管状花が密生します。
葉は互生し、長めの楕円形状で長さ8〜10cm 幅約3cm、粗く低い鋸歯があります。色は深緑で、毛やつやがありません。
地下茎がのびて小さな群落を作りますが、茎は高さ50~100cmくらいになり、上の方で枝分かれします。
近縁種に、ノコンギク、ユウガギク、オオユウガギクなどがあります。
春の若芽はいまも食べられているようです。
ヨメナ(嫁菜)の花言葉は、「従順」、「女性の愛情」、「隠れた美しさ」で、9/15、10/2、10/11、10/27の誕生花です。
参照サイト・書籍
三河の植物観察 ユウガギク
Chills Laboratory ヨメナ
万葉集遊楽 ヨメナ
山菜図鑑 ヨメナ
林 弥栄監修 山と渓谷社 「野に咲く花」