節分の魔除けなどに使われるヒイラギ(柊、疼木)の葉には、普通、鋭いトゲがついているとイメージされています。しかし、古い樹は、トゲがなくなって丸みを帯びると聞きます。我が家のヒイラギの樹について、実際はどうなのか、たしかめてみました。
トゲがない丸い葉をつけるヒイラギ(柊、疼木)の老木
トゲが鋭いヒイラギの葉
こちらは、若くて鋭いトゲがついたヒイラギの葉です。
「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」によると、ヒイラギの葉は、長さ3~7cm 幅2~4cmで、表面は革質で硬く、
クチクラ層のために光沢があり、形は楕円形状で、縁に鋭い鋸歯が2~5対でついている、とされています。
また写真のように、水や養分の通り道になる葉脈がよく見えますが、葉脈が伸びた先がトゲになっています。
葉脈の先がなぜトゲになるのか、興味深いと思います。
また、葉は少し反り返っていて、トゲはほぼ対象についているようです。
このように、若い木の葉には、鋭いトゲがついています。
そして、古い木ではトゲがなくなって、丸くなると聞いていたので、本当かどうかを確かめてみました。
ヒイラギの丸い葉
こちらは、わが家のヒイラギの樹で、高さは2.5mほど。
樹齢はよくわからないのですが、地上に立って見る限り、葉にはすべてトゲがついていて、トゲのない葉は確認できませんでした。
そこで屋根に登って、上部の葉がどうか、確かめてみました。
驚いたことに、トゲがない丸い葉がついていました。
すべてが丸い訳ではないのですが、
写真のように、丸い葉はいくつもついており、聞いていた、ヒイラギの丸い葉を確認することができました。
人と同じで、年齢を重ねると、丸くなるようですね。(^_^)
ただ、全部ではなく、一部だけでした。さらに古くなると、全部がまるくなるのかは、不明です。
ご存じの方、教えていただければありがたいです。
トゲのない葉の葉脈をよく見ると、こんな感じです。
葉の先端はとがっていますが、葉脈は、葉の縁にそってに回り込んで伸びており、トゲにはならないようですね。
トゲになって飛び出せなかったのでしょうか?
不思議ですね。この葉だと、節分の魔除けには使えませんね。(^O^)
葉の形はいろいろで、全面が丸くなったものや、この写真のように上部に一対だけトゲがついたもの、全体にトゲがついたものなど、いろいろのようです。
なぜ、樹の上部だけ葉が丸くなるのかについては、樹の下についた葉は鹿などの食害から身を守るためにトゲをつけ、上部の葉は食害を受けないので、守る必要がないため丸くなっているとされているようです。
わが家のヒイラギは鹿の食害にあうことはないのですが、DNAに組み込まれているとでしょうか。
一方、最近の研究では、葉をエサにする動物の行動と、このような環境からの圧力に対するヒイラギの分子レベルでの迅速な反応が合わさった結果である可能性があるとも考えられているようです。
完全に解明されているわけではないのでしょうが、いずれにしても、興味深い現象ですね。(^⊆^)
ヒイラギの基本情報・花言葉
ヒイラギは、台湾と日本の関東以西に分布する、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木です。
雌雄異株で、花や実は雌の樹につきます。樹が育つ速度は遅いようですが、山の日当たりが良くない場所でも育つようです。
ヒイラギの名前の由来は、葉のトゲの触ると痛いことから「ヒリヒリと痛い」ことを表す古語の「疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ」に由来するとされます。
花期は11~12月で、葉腋に直径が5mmほどの白い花を束生で咲かせ、いい香りがします。
花のあとにつけた実は、翌年の6~7月ころに12~15mmの長さになり、紫黒に熟します。
葉は対生し、長さ3~7cm、幅2~4cmで、表面は革質で硬く、クチクラ層のために光沢があります。
形は、楕円形状で、縁に鋭い鋸歯が2~5対でつきます。
ただ、ヒイラギの鋸歯は、大きな樹の上部ではなくなることが知られています。
これは、樹の下部の葉は鹿などによって食べられるためトゲをつけるが、上部ではその必要がないためトゲがなくなると言われています。
樹高は4~8mで、樹皮は灰白色、円形の皮目が見られます。
ヒイラギの花言葉は、「用心深さ」「先見の明」「保護」。
参照サイト・書籍
庭木図鑑 樹木ペディア ヒイラギ
フジクラ木場千年の森 ヒイラギの木は大きくなるとトゲがなくなるの?
NATIONAL GEOGRAPHIC ヒイラギの葉、トゲ発生の仕組みが判明!
花言葉-由来 ヒイラギ
高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」
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