クサノオウ(瘡王)は、春に黄色くきれいな花を咲かせますが、アルカロイド系の有毒物質を含んでおり、注意が必要です。皮膚病などに効くとされ、生薬として使われてきました。ユーラシア大陸と周辺に分布し、日本全土で見られるケシ科クサノオウ属の越年草です。
クサノオウ( 瘡王 )の黄色い花が咲いています
クサノオウの黄色い花
先日、近くの野で、黄色できれいな花がさいていました。
いままでも、毎年見ていた花なのですが、花弁が4枚の黄色い花で、特徴のある葉の様子から、クサノオウであることがわかりました。
花の直径は2cmくらいで、卵形の黄色い花びらが間隔をおいてついています。
たくさんの雄しべがついていて、その中心に本体が緑で先がしろい球状の雌しべがついています。
トモエソウ(巴草)ににていますが、花びらが小さめで、草丈も低いようです。
クサノオウの花期は、4~7月と言われるので、時期的にもあっています。
花のまわりには、いくつもツボミがついていているので、これからも咲き続けるようです。

横から見たクサノオウの花
横からみると、花びらが平面状についていて、雄しべと雌しべが飛びだしています。
しっかりと受粉して、種をつけるようで、元気がいい花のようですね。
実

クサノオウの実
クサノオウの花の周りに、先が曲がった細いものが、いくつも上を向いてついています。
これが実のようです。細長い鞘状で、2~3cmほどになります。
鞘は熟すと、中の種をはじき飛ばし、散布します。
茎と葉

クサノオウの茎と葉
クサノオウの全体の姿はこのようになりますが、
背丈は、50~80cmになると言われ、茎や葉を傷つけると、黄色い乳液が出ます。
また、この液には、アルカロイド系の有毒物質を含んでいるので注意が必要です。(>_<)

クサノオウの葉
葉は、写真にように深い切れ込みがあり、一~2回羽状複葉で茎についています。
この葉の形も特徴があるので、識別するための手がかりになります。
クサノオウの基本情報・花言葉
クサノオウ( 瘡王 )は、ユーラシア大陸と周辺に分布し、日本の全土で見られるケシ科クサノオウ属の越年草です。
全身にアルカロイド系の有毒物を含んでいるので、注意が必要です。
名前の由来は諸説あり、はっきりしていませんが、下のような説があるそうです。(Wikipedia クサノオウ )
- 植物体を傷つけると黄色の乳液を流すので草の黄。
- 皮膚疾患に有効な薬草という意味で瘡(くさ)の王。
- 皮膚疾患以外にも鎮痛剤として内臓病に用いられたことから、薬草の王様という意味で草の王。
別名は、チドメグサ、イボクサ、タムシクサなど。
学名は、Chelidonium majus
英名は、Greater celandine
花期は5~7月で、茎の先端に散形花序になって咲く、直径2cmほどの黄色い四弁花です。
花の後は、長さ3~4cmの莢が上を向いて実ります。
秋に種が散布されて発芽し、根出葉がロゼット状に伸びて越冬します。
春に、中空の茎を直立させ草丈40~80cmほどに育ち、葉は、1~2回の羽状複葉で30cmほどに伸びます。
花や、葉、茎を傷つけると流れる黄色い乳液は、有毒アルカロイド成分を含み、皮膚に触れると炎症を起すので注意が必要です。
また、クサノオウは皮膚病などに効くとされ、白屈菜(ハックツサイ)と呼ばれる漢方薬として利用されてきたようです。
花言葉は、「思い出」「私を見つめて」で、7月26日の誕生花です。
おわりに
野原や空き地には、いろんな植物が育っていますが、よく見ると、いろんな種類の野草があって見飽きません。
ただ、中にはクサノオウのように有毒な植物もあるので、注意が必要ですね。
昔の人は、いろんな植物を試して毒性の有無や、薬用としての有効性などを調べて使っていたんでしょうね。
知らない植物を一つずつ調べるのも、大変ですが面白いことでもあると思います。(^_^)
参照サイト
Wikipedia クサノオウ
木のぬくもり・森のぬくもり クサノオウ
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 クサノオウ
花言葉 花の持つ言葉 クサノオウ