ボタンズル(牡丹蔓)は、花期の8~9月に白い花を咲かせ、種は冬に白い綿毛に包まれます。蔓についたたくさんの綿毛が集まると、雪のように見えて、よく目立ちます。有毒植物で、葉はボタンの葉ににています。キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性植物です。
雪のように白いボタンヅル(牡丹蔓)の綿毛
ボタンヅル(牡丹蔓)の綿毛
林道を走っていると、この時期に、落葉樹なのに白い花が咲いていたり、葉が茂っているような光景に出会うことがあります。
不思議思って良く見ると、その樹自身の花や葉ではなく、ツル性植物がまとわりついて、そこに綿毛や葉をつけていたりします。
写真は、たくさんの実をつけた落葉樹のヤシャブシの樹に、綿毛をつけたボタンヅルがからんでいる様子です。
最初は、何のツルかよくわからなかったのですが、ボタンヅルであるとわかりました。
花期は8~9月で、茎についた葉腋から、白く小さな花が花序になって咲きます。
以下に、花の様子を見てみます。
長く伸びたツルが、落石防止用の金網から垂れ下がっており、
たくさんの花が花序になってついています。
ツルに対生した葉の腋から花柄がのび、
その先に花序がついている様子がよくわかります。
花の様子を近くから撮ってみました。
花の直径は1.5~2.0cmほどで、白い花をたくさんつけていますが、
中心部からたくさん伸びているのは雌しべや雄しべで、
下部に長い楕円状の花びららしいものが見えますが、
こちらは萼片で、花弁はありません。
ボタンズルは、花びらがない花になります。
以前、「ボタンズルとセンニンソウの違い」と題して記事にしていますので、詳しくは、こちらもご覧ください。
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ボタンヅル(牡丹蔓)とセンニンソウ(仙人草)の違い
ボタンヅルとセンニンソウは、よくにたツル性植物ですが、葉の形が違います。ボタンヅルは、牡丹の葉ににた深い切れ込みがあり単葉、センニンソウは、卵形の小葉が羽状複葉でつきます。ここでは、それぞれの特徴と違 ...
その時は花について調べたのですが、綿毛についてはよく理解していなかった、というわけです。 (・_・、)
アップでみると、白い綿毛がたくさんついている様子がわかります。まるで、雪がつもっているようです。
高い所まで、よく伸びたものだと思います。
つる性の植物は、他の植物などの力を借りて育つわけですが、このボタンヅルは、よく育ったほうだろうと思います。
この近くには、あちこちでボタンヅルの株が見られました。
こちらの背が低い樹にもたくさんの綿毛がついて、雪のようです。
葉が落ちているので、より目立つのでしょうか。
綿毛についた種が風で散布されて増えんでしょうが、膨大な種でしょうね。
場所によっては、写真のように、綿毛が薄く広がったところもあります。
樹と一体になっているようにも見えます。
ツルの先を採ってみました。
綿毛がいくつもかたまってついていて、その中に黒い種が含まれてます。
近ずくと、種の黒が目立ちますが、背景が白っぽいからでしょうか。
樹についているのとは、違う印象にも感じます。
もう少し近づくとこんな感じです。
自然が作る姿なのですが、きれいで面白いですね。
同じものでも、見方によっていろんな姿を見せてくれるものですね。
(*^▽^*)
ボタンヅルの基本情報・花言葉
ボタンヅル(牡丹蔓)は、日本では本州以南に分布するといわれるキンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木で、有毒植物です。
名前は、葉がボタン(牡丹)の花に似ていることに由来すると言われます。
学名は、Clematis apiifolia
英名は、Clematis apiifolia
花期は8~9月で、茎の先端や葉腋から集散花序をだし、小さな花をたくさん咲かせます。
種は卵形の痩果で、雌しべが長くのび、綿毛に包まれます。
蔓の長さは2~4mになり、葉は三出複葉で、長い葉柄をもって対生します。
小葉は長さが3~6cmで、卵形で先はとがり、不揃いな鋸歯が見られます。
花言葉は、「休息」「心地よい空気」で、10月26日の誕生花です。
おわりに
冬のボタンヅルを撮りました。樹に絡んで高くまで伸び、白い花かと思わせるように、たくさんの綿毛をつけています。
葉が散ったあとの樹に、花が咲いているようで、目を引く面白い光景だと思います。
花は以前しらべていたのですが、今回は綿毛を知ることができました。
四季によって姿を変える植物のことを知るには、時間がかかりそうです。\(^^:;)
参照サイト
Wikipedia ボタンヅル