日陰で元気に育ち、光沢のある赤い実をつけるアオキ(青木)

2020年12月9日

アオキ

アオキは、春に褐色の花を咲かせ、冬につけた光沢のある赤い実は、鳥に食べられて種子散布されます。葉や枝の先が緑のためアオキと名づけられ、日陰に強く、庭木や公園などによく植えられます。中国地方を除く本州と、四国東部に分布するといわれるミズキ科の常緑低木です。

日陰で元気に育ち、光沢のある赤い実をつけるアオキ(青木)

アオキの赤い実と葉

アオキの実と葉

アオキの実と葉

12月になると、アオキの実が赤く熟します。

光沢のあるきれいな実で、濃い緑とのコントラストがきれいだと思います。

この写真のように、葉の間からちらほらと見えるだけで、あまりついていないように見えますが、

下から見るとたくさんついていることがわかります。

下から見たアオキ

下から見たアオキ

アオキの実はこのように、いくつもが集まって、葉の下についていますが、

長さが2cmくらいの細長い楕円形で、きれいに輝く赤です。

アオキの赤い実

アオキの赤い実

こちらは、素材サイトから借用したものですが、

たくさん着くとこのようになるようです。

きれいで、見栄えがします。

そして、実がついた近くの葉や枝が緑色になっていることに気づくだろうと思います。

アオキの名前は、このように葉や枝が緑色をしていることからつけられました。

緑なのに青とつけられたのは少し違和感がありますが、日本では昔から野菜などの緑を「青々とした」と表現する独特の文化があるため、青と呼ばれたようです。

花言葉は、「若く美しく」「初志貫徹」「変わらぬ愛」「永遠の愛」で、10/22、12/7 、12/12、12/31の誕生花です。

葉や枝が青々として寒さにも強いため、このようは花言葉がつけられたといわれますが、積極さを感じるいい花言葉だと思います。

葉は厚めで、長さ25cm、幅12cmくらい、対生し、長楕円形状で光沢があって縁には荒い鋸歯がみられます。

また、アオキの葉には薬効があるといわれ、葉をあぶって、火傷やしもやけに貼って使われてきたようです。

この実は、12月ごろから5月ごろまでの長い間、樹についています。(^◎^) 

きれいな実を長く鑑賞できることも、庭木にされる所以と言われますが、ヒヨドリなどの野鳥によって食べられ、種子散布されます。

我が家の庭のナンテンの下などにも、ときどき実生が生えてきます。

周囲にアオキの樹はないので、ナンテンの実を食べに来た鳥が落とした糞に混入したアオキの種によって発芽したんだろうと思います。

このように、種が鳥によって運ばれ、日陰で発芽して育っているようです。(^_^)

なお、アオキの実の中には、いびつな形のものを見かけることがありますが、

これは、アオキミタバエが寄生した虫こぶで、中に1~18匹の幼虫が入っています。 

アオキの雄花と雌花

たくさんのアオキの褐色の花(3月

たくさん咲くアオキの花(3月)

アオキは雌雄異株で、3~5月に枝の先に円錐花序になって、

このように褐色の小さな花をたくさん咲かせます。

近くで見たアオキの雄花

近くで見たアオキの雄花

こちらは、4枚の褐色の花びらと、その中についた4個の黄色い雄しべが印象的ですが、雌しべは見られません。

雌しべは退化していると思われ、雄花のようです。

一方、雌の樹には、雄しべが退化して雌しべだけがついた雌花が咲きます。

アオキの雌花

アオキの雌花

こちらは、斑入りのアオキの花で、花の形は雄花と同じですが、花の中央に雌しべがありますが、雄しべは見られません。

したがって、こちらは雌花だと思われます。

以上のように、アオキは雌雄異株で、雄雌の花が別の樹に咲くため、受粉しにくくなり、雄の樹と雌の樹が近くにないと、実はつきません。

ただし、他家受粉になるため、雌雄同株で見られる近親交配をさけることができ、遺伝的多様性を保って子孫を残すことができます。

このことに関して、面白いエピソードがあります。

江戸中期にアオキがヨーロッパに移植されたそうですが、雌木だけだったため実がつかなかったそうです。

その後、幕末になって雄木を移入し、実がつくようになったそうです。(^_^)

移植するときは、子孫のことも考えて、雌雄そろえないといけませんね。

余談ですが、中国から渡来したキンモクセイも雌木だけだったので、種子ができないようです。

アオキが育つ環境

アオキと周囲の樹々

アオキと周囲の樹々

ここのアオキの周辺には、シロダモカシなどの背が高い樹が生えていて、

樹高が2~3mと低いアオキは日当たりが良くない環境で育っていますが、元気でいきいきとしています。

このように、アオキは日陰に強く、葉や実がきれいなので、庭木にされます。

斑入りのアオキ

斑入りのアオキ

斑入りのアオキ

町を歩いていると、庭に植えられている斑入りのアオキをよく見かけます。

葉の形は、通常のものと同じですが、色は緑を基調に黄色が混じっていてきれいですね。

このように葉がカラフルできれいなので、斑入りのアオキがよく植えられているようです。

アオキの基本情報・花言葉など

アオキは、日本原産のガリア科アオキ属の常緑低木で雌雄異株です。

中国地方を除く日本の本州の照葉樹林で自生しますが、庭木や公園としても親しまれており、ヨーロッパなどにも紹介され植えられています。

アオキの名前は、葉や枝などが青い(緑)ことに由来します。別名は、アオキバ、ヤマタケ、ダルマノキ。

学名は、Aucuba japonica

英名は、Japanese aucuba

花期は3~5月、前年出た枝の先に円錐花序で、紫褐色のたくさんの小さな花を咲かせます。

雌花には雌しべが中央にあり、雄しべは退化しています。逆に雄花には、雌しべがなく、雄しべがついています。

実は長さ1.5~2cmの長めの楕円形で、12~5月に赤く熟します。実はヒヨドリなどによって食べられ種子散布されます。

葉は厚めで、対生し、長楕円形状で光沢があり、葉の上部には荒い鋸歯があります。大きさは、長さ8~25cm、幅2~12cmくらいになります。

樹高は、2~3m、幹の直径は6cmほどになります。樹皮は、緑色で灰褐色の細い溝と、横長の皮目(ヒモク)が見られます。

老木になると、灰褐色で縦に細かく裂けます。

近縁種に、同じガリア科アオキ属で、北海道南部や日本海側の暖温帯林に分布するヒメアオキがあります。

アオキににていますが、アオキにくらべて樹高が1mほどと低く、地面を這うように育ちます。

アオキには薬効があると言われ、外用としては、葉を炙(アブ)ったものが、やけどや、しもやけに使われます。

また、内用としては、健胃作用があり、陀羅尼介の原料の一つとして使われます。

花言葉は、「若く美しく」「初志貫徹」「変わらぬ愛」「永遠の愛」で、10/22、12/7 、12/12、12/31の誕生花です。

青々として寒さにも強いため、このようにつけられたともいわれているようですが、積極的さを感じる花言葉だと思います。

当地は鹿が多いので、鹿が大好きなアオキ(青木)は、普通は食べられてしまいますが、

鹿が侵入できない場所や石垣などで、日陰の場所に生えているのをよく見かけます。

  参照サイト

 Wikipedia アオキ ヒメアオキ シロダモ カシ

 木のぬくもり・森のぬくもり アオキ 

 森と水の郷あきた 樹木シリーズ⑨ アオキ、ヒメアオキ

 Green Snap アオキの花言葉



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