ツルマサキは、6~7月ごろ、葉腋から伸びた花柄の先に、花序になってたくさんの黄緑の花を咲かせます。花の直径6~7mmほどで、1個の雌しべと、花びら、萼、雄しべが4個づつつきます。ツル性の常緑性木本で、マサキ(柾)ににた花や葉をつけます。
ツルマサキ(蔓柾)に咲く黄緑の花
ツルマサキの黄緑の花
我が家の裏のコンクリートの壁に生えているツルマサキ(蔓柾)に花が咲きました。
葉やツルの様子から、ツルマサキのようだと思っていたのですが、花が咲いたので確信が持てました。
ツルマサキと言っても、ほとんどの方はご存じないかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。
ツルマサキの名前は、ツル性植物で、同じニシキギ科のマサキににていることに由来します。
前の写真は花を載せました。
花は、葉腋から伸びた花柄の先に、花軸が分岐して花をつける集散花序になって10個ほどの黄緑の花をつけています。
ピントが合っていなくて恐縮ですが、中心部に長く伸びた筒状の雌しべがあり、その周りに4枚の花びらや雄しべが見られます。
花の直径は6~7mmほどで、目立たない花ですが、アリが好むのでしょうか、たくさんで密を吸っているようです。
花びらは白ですが、雄しべが付いた花盤(カバン)は黄緑になっています。
よくにていると言われるマサキの花を見てみました。
どうでしょうか? たしかによくにています。
マサキと同じ名前を付けるのも納得がいくように思いますね。
花の付き方についても見てみました。
ご覧のように、葉の付け根から対になって細長い花柄を伸ばし、その先で集散花序で花をつけています。
また、花柄がつく位置は、先端から少し下についているようで、葉に隠れがちになっているように思います。
ツルマサキの上部から、花が咲いている様子を写しました。
たくさんついた葉の間のあちこちに、白い花序がついていますが、少し遠慮勝ちのように見えます。
花が終わると、実をつけますが、10~11月ごろに割れて中から赤い仮種皮の種があらわれるだろうと思います。
マサキの実や詳しいことはつぎの記事かいていますので、よろしかったらご覧ください。
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ツルマサキの蔓と葉
このようにツルマサキは、苔が生えたコンクリート壁にそって伸びています。
葉は革質で、長さ0.3~1cmの葉柄を持ち対生します。葉の形や大きさは場所によって違っているようですが、楕円形や長楕円形で長さ1.5~6cm 幅0.7~3cm、縁には低い鋸歯がついています。
蔓は比較的太く、所々から気根と呼ばれる根を出して、壁にくっついています。
こちらは、比較的若いツルですが、白い気根を出して、しっかりと根ずいています。
コンクリートなので条件はよくないのでしょうが、育つには問題ないようにみえます。
したから見るとこんな感じです。
家の裏の日当たりの良くない場所に生えていますが、たくさんの葉をつけて、光をもともめて上に登っています。
樹に巻き付かれると困りますが、ここでは問題ないので、そのままにしています。今年は、秋に実を見るのが楽しみです。
ツルマサキの基本情報・花言葉
ツルマサキ(蔓柾)は、フィリピン、中国、朝鮮半島や、日本全土に分布するニシキギ科ニシキギ属の常緑つる性木本です。
名前は、ツル性植物で、葉がマサキ(柾)ににていることに由来します。
別名は、リュウキュウツルマサキ、ナガバツルマサキ、マルバツルマサキ。
学名は、Euonymus fortunei
英名は、Wintercreeper euonymus
ツルマサキの花期は6~7月で、葉の脇から伸びた集散花序に7~15個の黄緑の花を咲かせます。花は、花びら、萼、雄しべが4つずつあり、半球状に密につきますが、直径6~7ミリほどと小さく、緑色なのであまり目立ちません。
果実は蒴果で径5~6mmで、10~11月ごろに熟して割れると橙赤色の仮種皮の種子が現れます。
葉は革質で長さ0.3~1cmの葉柄を持ち対生します。葉の形は、楕円形、長楕円形で、大きさは長さ1.5~6cm 幅0.7~3cm、縁には低鋸歯がつきます。
蔓は緑色で、枝の方々から多数の気根をだして他の樹木などをよじ登るか、地上を這って伸びます。
ツルマサキの花言葉は、「気長に努力」。
参照サイト・書籍
Wikipedia ツルマサキ
庭木図鑑 樹木ペディア ツルマサキ
めいの気まぐれ植物図鑑 ツルマサキ
林将之著 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑14 樹木の葉」