4月になって、以前畑だった空き地で、ツボスミレ(坪菫)、別名ニョイスミレ(如意菫)に白い花がさいています。茎の葉腋から上に伸びた花径の先に白い小さな花を咲かせ、唇弁には紫色のすじが入っています。葉は丸みを帯び、小さな群落をつくっています。
4月に咲くツボスミレ(坪菫)の白い花
ツボスミレに白い花
畑のそばの空き地で、ツボスミレ(坪菫)が群生しています。
草丈は10cmぐらいでしょうか、丸い葉が目立つ群生から花柄を出し、その先に花を咲かせています。それほど広くない群生が、何か所かにあり、花が咲いている群生と咲いていないところがあるようです。
ツボスミレは、万葉集に歌われ、枕草子にも出てくる草花で、古くから親しまれてきましたが、東アジアに広く分布し、日本全土で見られるようです。
花弁は上弁、側弁、唇弁からなり、唇弁にはっきりとした紫色の筋がみられます。上弁と側弁には突起毛が見られます。
こちらは、横ほうから撮ったものですが、少し紫がかっているようにも見えます。
花柄の先端が曲がり、その先に花が咲いていることがわかります。この様子が、僧侶がつかう如意棒ににているとして、ニョイスミレ(如意菫)とも呼ばれます。
2月に記事にしたタチツボスミレににていますが、花の色は紫でした。名前はにていますが、違いははっきりしているかと思います。
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冬に咲くタチツボスミレ(立坪菫)の紫の花
庭にタチツボスミレ(立坪菫)の紫の花が咲いていました。比較的明るい日陰ですが、元気に咲いています。中国南部や朝鮮半島南部、日本全土で自生する、普通に見られるスミレです。多くのスミレの中でも、葉が丸く、 ...
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ツボスミレの葉
ここでは、ツボスミレが群生しているため、葉も写真のように密集してついており、葉の間から伸びた花柄が飛び出し、花が咲いています。
葉の幅は2~3.5cmで、丸い形をしており、葉柄は根出葉で長く、茎葉では短くなります。柔らかな葉で、縁にちいさな鋸歯が見られます。
群生するツボスミレ
こちらが群生している様子です。50cm四方でしょうか、狭い範囲ですが、他の植物を押しのけて独占しているように見えます。
こちらの群生はたくさんの花が咲いていますが、違う群生では花が見られません。群生によって違いがあるのか、少し不思議な気がします。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。(^_^)
ツボスミレの基本情報・花言葉
ツボスミレ(坪菫)は、東アジアに広く分布し、日本の北海道から屋久島で見られるスミレ科スミレ属の多年草です。
万葉集にも歌われ、清少納言の枕草子にも書かれているた花で、古くから親しまれてきました。
名前のツボ(坪)は庭を意味し、スミレは、花が大工さんが使う墨入れに由来する言われます。
別名は、ニョイスミレ(如意菫)。花茎がのびて先が曲がる姿が、僧侶が使う如意棒ににているに由来します。
学名は、Viola verecunda
花期は4~5月で、匍匐して伸びる茎の葉腋から上に伸びた花柄の先が曲がり、白い小さな花を咲かせます。花弁は上弁、側弁、唇弁からなり、上弁と側弁には突起毛が見られます。また、唇弁には、紫色の筋がみられます。
葉は、幅が2~3.5cmで丸く、ハート形をしており、葉柄は根出葉で長く、茎葉では短くなります。柔らかな葉で、縁にちいさな鋸歯が見られます。
地下茎は短く、茎は横方向に伸び、間隔をおいて葉をつけます。
草丈は5~20cmほどになります。
ツボスミレの花言葉は、「純粋」、「誠実」、「謙遜」です。
参照サイト・書籍
松江の花図鑑 スミレの分類
華凛の花言葉 坪菫
林 弥栄著 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」