近くの野で、ミヤマフユイチゴに赤い実がついています。きれいな実で、食べると、種があり、酸っぱみがある甘い味がします。近縁種のフユイチゴとよくにていますが、葉の形や大きさ、枝の毛の過多に違いがあります。
ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)の赤い実、フユイチゴとの違い
ミヤマフユイチゴ
近くの野にミヤマフユイチゴ(深山冬苺)の赤い実がついています。
鮮やかな赤い色で、よく目立ちます。私は以前、キイチゴの仲間と題して記事を書いた時に、フユイチゴ(冬苺)として、一緒に書きましたが、ミヤマフユイチゴのようです。( 要修正のようです。(^ ^;) )
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キイチゴの仲間
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ここでは、改めてミヤマフユイチゴの特徴について書き、フユイチゴとの違いを見てみたいと思います。
ミヤマフユイチゴは、9~10月ころに白い花を咲かせ、11月ごろに赤い実をつけます。
数個の小さな球形の小さな実が集まった、直径8~9mmの集合果です。
この実は有毒ではないので、食べられます。
食べると、種があり、甘い味がしますがすっぱ味も感じます。
冬の寒い時期につくこの実は、動物のエサになっていると思われていますが、どんな動物が食べるのかは、確認されていないようです。
ミヤマフユイチゴは、写真のようにたくさんの実が、かたまってついているのを見かけます。
花が枝の先や葉腋にかたまって咲くので、実もこのようにたくさんついています。
この実を集めて回れば、案外まとまった量を集めることができるのかもしれませんね。
ジュースにすると美味しいということも聞きます。ただ、この赤い実を見るだけでも楽しませてくれます。
つぎに、葉を見てみましょう。
写真のように、光沢があって、きれいな葉だと思います。
茎に互生し、葉の周囲には細かな歯牙状の鋸歯がついていますが、その先はとがったトゲのような芒(ノギ)が見られます。(触っても痛いことはありません。)
この葉の大きさは、長さが5~8cmで、フユイチゴの6~12cmにくらべて小さめです。
普通、浅く3~5裂すると言われますが、ここの葉は、かすかに3裂しているといえるでしょうか。
ただ、葉の先が伸びて、尖っていることがわかります。フユイチゴは、丸くなるので、この点も両者の違いになります。
いままでの写真でもお分かりかと思いますが、茎には、鋭いトゲがついています。
このトゲがついているので、近寄るときは注意が必要です。
最後の、ミヤマフユイチゴのツルが伸びているところを撮りました。
左下に、ヘクソカズラ(屁糞葛)の黄色い実が見られますが、半日陰で、比較的よく肥えた土地にまとまって生えているようです。
ついている赤い実は、1月ころまでは、見られるようです。(^⊆^)
ミヤマフユイチゴとフユイチゴの違い
以上の記事で触れてきた、ミヤマフユイチゴとフユイチゴの違いを、一覧表にまとめました。
ミヤマフユイチゴ | フユイチゴ | |
葉の形 | 3~5裂し、先が尖ります | 5裂が多く、先が丸まります |
葉の長さ | 5~8cm | 6~12cm |
枝や葉柄の毛 | 少ない | 密生 |
ミヤマフユイチゴの基本情報・花言葉
ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)は、関東以西から九州に分布するバラ科キイチゴ属の常緑低木のツル性植物です。
名前は、近縁種のフユイチゴに対してつけられたものと思われます。
学名は、Rubus hakonensisi
花期は9~10月で、枝先や葉腋に白い花が数個集まって咲きます。花は直径1.5cm、花びらは長さ5〜6mmの倒卵形で、萼片より短くなります。萼の外面はほとんど無毛で、内側とふちに白い毛があり、花序の軸と花柄には短毛が生えます。
実は集合果で、直径8〜9mmの球形になり、11月〜1月に赤く熟し、食べられます。
葉は長さ5~8㎝で、卵形~広卵形で浅く3~5裂し、葉の先端は尖ります。
また、葉は互生し、縁には歯牙状の細かい鋸歯があります。葉の上面には毛はほとんどありません。
近縁種のフユイチゴの葉は互生し、縁に歯牙状の細かい鋸歯があります。
葉身が6~12cmと大き目で、浅く5つに裂けるのが基本ですが、不分裂のものも見られます。葉先が丸くなり、枝や葉柄に褐色の毛が密生します。
枝、葉柄、葉裏は無毛か、又はすくなく、下向きの刺がつきます。
なお、キイチゴ類の寿命は、3年程度です。
毎年、株(母株:Mother)から新たな匍匐性の地上茎を伸ばし、その先端部で接地、発根し、新たな株(娘株:Daughter)を形成しますが、2年目に花を咲かせて結実し種子繁殖します。
その後、母株は枯れて娘株が生き残り、栄養繁殖でもふえます。
ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)の花言葉は、「あの日を思い出す」で、11月30日の誕生花です。
参照サイト・書籍
三河の植物観察 ミヤマフユイチゴ
松江の花図鑑 ミヤマフユイチゴ
森林総合研究所 フユイチゴの仲間
林将之著 山と渓谷社 「樹木の葉」
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